『SINGLE TASK』を読んでみた

本書は、 世界絶賛のベストセラーで、待望の邦訳刊行となった1冊です。「一点集中」の画期的なノウハウと効果を説き、タイム誌、ファストカンパニー誌、フォーブス誌、ハフィントンポスト、CNN他、全米の話題を席巻し、世界8か国で翻訳されています。

何にどのように「一点集中」することが最も効果が高いか?仕事だけでなく日常生活のすべてにおいて「時間」をどう管理すべきか?「脳の働き」を最適化するには具体的に何をすべきか?などのテーマに対して、脳科学、心理学の最新研究を網羅しています。

■書籍の紹介
SINGLE TASK
デボラ・ザック (著), 栗木 さつき (翻訳)

シングルタスクの原則

シングルタスクの原則とは、一度に1つの作業に集中して、生産性をあげることにあります。作業の効率が落ちるのは、『頭に浮かんだ別の思考』と『外部からの刺激』にあります。

頭の中の余計な雑念に邪魔をさせず、外からの刺激をシャットアウトすることで、人間が本来もっている能力、脳の使い方が可能となります。1点集中すること、最もパフォーマンスが発揮されるため、意図的にシングルタスクの状態を作り出すことが重要です。

マルチタスクはなぜいけないのか

マルチタスクは同時に他のタスクを進行するため、あらゆるタスクが混乱状態となります。そもそも、マルチタスク=同時作業を意味するが、基本的にはタスク・スイッチングをおこなっているだけで、その数が増えれば増えるほど効率は落ちていきます。

研究者からの発表で、マルチタスカ―は集中力が弱く生産性も低いことがわかっています。そのため、一度に複数の作業をせずに、1点集中型が最も生産性が高い状態で仕事ができるということです。

あなたのシングルタスク度を測定する

自分の平均的な1週間を思い浮かべた時に、以下の質問に対して、0~5まであてはまるスコアを選んでください。

0=まったくない、1=ごくたまに(年に1~4回)、2=たまに(年に5~8回)、3=ときどき(月に1~3回)、4=しばしば(週に1~2回)、5=よくある(週に3回以上)

1.運転中に携帯電話などのデバイスを使いますか?
2.紹介されたばかりの人の名前を、すぐに思い出せなくなることがありますか?
3.会議のミーティングの最中に、メッセージの返信をすることがありますか?
4.話を聞き流していて、「きみはどう思う?」と意見を求められた時に、答えられないことがありますか?
5.歩きながら、携帯電話などのデバイスをいじりますか?
6.同僚や仲間と一緒にいるときにも、スマートフォンをいじりますか?
7.仕事や作業を進めようと思っていたのに、横道にそれ、つい他のことをしてしまうことがありますか?
8.約束の時刻や場所を間違えてしまうことがありますか?
9.ノートパソコンで記憶をとるふりをしながら、他のことをすることがありますか?
10.他のことに気を取られていて、エレベーターで目的とは違う階で降りてしまうことがありますか?
11.集中していなかったため、一度読んだ文章やデータを読み直さなければならないことはありますか?
12.一緒にいる相手に意識を100%向けていないことがありますか?
13.食事中もテーブルに携帯電話などのデバイスを置き、しょっちゅう確認しますか?
14.仕事関係の連絡がきたら、たとえ勤務時間外であろうと、すぐに返信しなくてはいけない気がしますか?
15.重要なメモをその辺にある紙切れに書留め、そのあとどこにいったかわからなくなることがありますか?
16.1日の仕事を終えるときに、「満足のいく仕事ができなかった」「仕事がはかどらなかった」と感じることがありますか?
17.メディアの情報に気を取られ、考え事に集中できないことがありますか?
18.よく他のことをしている、気が散りやすい、と人に言われることがありますか?
19.人と電話で話している最中でも、ネットを眺めたり、SNSをしたり、メッセージに応じたりしますか?
20.忙しく過ごしているにも関わらず、充足感を覚えることができず、能率が上がらないと感じることはありますか?

【スコアの評価】
スコア0~25の人:シングルタスカ―
スコア26~50の人:いい線いっている
スコア51~75の人:希望をもって沿力しよう
スコア76~100の人:急ブレーキを踏む必要がある

今ここにいること、一度に1つの作業をすることをまず徹底する必要があります。シングルタスクに専念すると、「ゾーン」によ呼ばれる状態に入ることがあり、その際はいつも以上のパフォーマンスを発揮することができるのです。

普段から繰り返し同じ悩みを考えることがある人は、ムダに考える時間を使っており、それだけでも不要なタスクを増やし続けてしまっていることに気づきましょう。

『他人の要求』より自分を優先する

マルチタスクの誘惑に負けてしまう人は、たいてい他社の期待や要求に応じなければならないという義務感に駆られてしまう特徴があります。「相手に高く評価されたい」という欲求が、不安を引き起こしているのです。

自分の人生という難題から目を背けて、他人を期待に答えることはせずに、自身の成長のための時間をしっかり確保することは極めて重要です。これは自分の意志の問題となるため、明確にコントロールできるように訓練が必要となります。

パーキングロットを用意することで、頭が整理される

パーキングロットとは、なんらかの作業に取り掛かる前に、決められた場所に自分専用のメモを用意しておくことです。何か新しいことが頭に浮かんだときや、別のタスクが浮かんだ時に、ひとまずメモに書留め、すぐに本来の作業に戻れるようにすることで、シングルタスクに集中できます。

一言、二言を書き留めるだけで、頭の中がすっきりし、気も散らなくなります。人によって記憶力の良し悪しがあろうと、各自が自分の思考プロセスを管理できる仕組みづくりがシングルタスカ―には必要となります。

電話や打ち合わせには、先に制限時間を伝える

電話や打ち合わせには、最初に時間があまりないことを先方に伝えることが重要です。短時間、相手の話に100%集中し、それから本来の仕事に戻ることで、シングルタスクを維持することができます。

また、ウェブサイトは毎回閉じるなども作業の一本化に繋がります。この時間までは集中して仕事をすると決めた時刻がくるまで、〇〇したいという衝動に負けないように注意しましょう。

類似タスクはまとめて片付ける

類似タスクごとにグループ分けし、2日の同じ時間帯にまとめて片付ける予定を組むと、仕事の効率がはかどります。そのコツとしては、以下となります。

・頭が一番はっきりしていて、明晰な思考ができる時間帯に片付ける
・1日に1~3回そうした時間をつくる
・そうしたタスクにあてる時間はあらかじめ決めておく
・アラームが鳴ったら、作業を中断する

例えば、出社した時、昼休みの前、退社する前の3回に制限すると、効率よく対応することができます。

『1×10×1』システムを使う

デスクに山盛りになった書類や、メールの洪水を崩していく最初の方法は、『1分間前後で片付けられるタスク』に今すぐ着手することが必要です。これには、「すぐに対応できるメールへの返信」「企画の承認」「留守番電話への対応」「スケジュールを予定に組み込む」というタスクが含まれます。

次に『10分以内で片付けられるタスク』を特定しましょう。このグループのタスクは、1日のうちできるだけ早い時間帯に取り組むほうが良いです。

こうしたタスクは作業に取り組む時間を今後2、3日のスケジュールのおこかに予定として組み込むことがおすすめです。

人の期待をコントロールする

シングルタスクを実践すると、人が無礼だと思われるのではないかと不安に思う人もいるはずです。シングルタスクに集中するためには周りを遮断しなければならないという考えてしまうということです。

すべての質問や問い合わせに、即座に応じる必要はありません。人から連絡がきたら、「ご連絡くださり、ありがとうございます」と応答した上で、いつきちんと返信できるかを伝えれば、相手の期待をコントロールすることができます。いざ返信するタイミングになったら、その作業に集中しましょう。

『ノー』というほうが信頼される

ノーと言うからといって、無能なわけじゃない。頼み事にいつでも応じるよりも、ときには応じないほうが良い場合があります。以下の4つのことをしっかり覚えておく必要があります。

1.なにかを頼まれるたびに手元の作業を中断していると、仕事はめちゃくちゃになる。
2.人はあなたが「こちらの呼びかけにきちんと応じてくれる」こと、そして「信頼して仕事をまかせられる」ことを求めている。そうした期待に答えるためには、シングルタスクをするひかない。
3.目の前のタスクに集中するからこそ、責任感が強いことを証明できる。
4.重要な仕事の締め切りがあって長時間集中したいときには、メールに自動返信を設定する。その際、こちらから返信できるのはいつ頃になるか、文面で明確に示す。

自分を疲弊させることで「安心」している

あくせく働いているのに、それに見合うだけの具体的な成果をあげられない人多くいます。そもそも、一定の時間内でそれほど多くの作業をこなせるはずがないのに、ついあれこれ手を出してしまっている状態なのです。

奇妙にも人は自分を疲弊させ、すり減らすことで「自分は重要な人間だ」という認識をもとうとしています。「過労と睡眠不足を嘆いてみせることで、自分が必至にやっていると証明したい」と作家も語っています。

まとめ

本書の選定の理由は、直近どうしても色々な作業、MTG、連絡応答、相談など気が散ってしまい、目の前の本当にやらなければならない事に時間が使えないケースが増えているため、本書を選びました。

実際、チームメンバーが増え、案件が増え、御社Webのサービスのステージが上がり、今までよりも多くの事項に応じなければならない状況となっています。メンタル的には問題ないのですが、非効率な状態が続いてしまうと、チームの成果に支障をきたします。

現状のスケジュールを再度見直す、自分の生産性をもっと上げるということ以前に、自分の意識コントロールが弱い点に気づきました。『本当に重要な仕事とは何か?』をプライオリティ高く持っておく必要があります。その場合にピックアップされることは以下となります。

①リスプラの会社戦略を実行する、具体的アクションまで落とし込む(自分/メンバー)
②御社Webのチームの売上戦略を立てる、具体的アクションまで落とし込む(自分/メンバー)
③チームメンバーの育成計画の遂行(自分/メンバー)
④自分のクライアントの売上戦略を立てる、具体的アクションまで落とし込む(自分/メンバー)
⑤メンバーのクライアントの売上戦略を立てる、具体的アクションまで落とし込む(メンバー)

上記で整理した場合『本当のクライアントとは何か?』の優先順位にも齟齬がなくなります。その場合、会社>チーム>クライアントの図式ができるわけですが、その上で『自分がやらなくても良いこと』をもっと具体化させる必要があると考えました。

①~⑤の優先順位があるとしても、自分が道を作り、メンバーに動いてもらう。その図式をもっと自分の意志でコントロールする必要があります。今、自分の一番の課題としては、多数の事項をそれぞれ遂行しなければならない立場だからこそ、すべての事項のプライオリティを明確化させる必要があるということです。

また、手を動かすにしても、それは自分がやらずとも同じ結果が作れるものに対しては『指示だけ通す』『確認を徹底する』ここにプライオリティを持ってくる必要があります。

もっと時間に制限をかけ、メンバーにもクライアントにも自分の時間を有効的に使っていきます。

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