「プライバシー」はどこまで許される?
こんなめでたいことはないです。
おめでたいです。
山本圭壱さん&西野未姫ちゃんご夫妻第一子誕生。
山本さんの親しみやすいお顔と、みきちゃんの可愛らしくて、表情豊かなお顔が、どのように受け継がれたのだろう。
娘さんの成長が楽しみです。
そして、そんなハッピームードに水を差したのが、娘さんの実名を公表しちゃった和田アキ子氏。
「言っていいと思う」という自己判断でラジオで山本夫妻の娘さんの名前を出してしまい、大バッシング。
ご両親(娘さんからしたら祖父母)と話し合い、「子どもの名前は出さない」というご夫妻の意向を踏みにじってしまう行動になってしまった。
山本さん、西野さんご夫妻。
出生届出してないなら改名しましょう。
なんて、理不尽なこと言えないですよ。
「なんで俺ら悪くないのに変えないとイカンのか」ってなるでしょう。
結局、山本さん側がお名前を出して、「言い方の足りなかった自分が悪い」と謝る結末になってしまった今回の話。
双方のご両親にはどう説明されるのでしょうか。
そこで、「プライバシー」について一度考えてみたいと思う。
「プライバシーの権利」とは?
まずプライバシーとは「個人の秘密・情報等について他人から干渉を受けない権利」である。
他人の個人情報をみだりに公開するのはもちろんこれに反する。
氏名、生年月日、住所、電話番号、学歴、勤務先、家族構成、資産/負債残高、年収、婚姻歴、賞罰、指紋、声紋、虹彩、DNA、ID、パスワード、マイナンバー、車のナンバー、免許証番号、健康保険証番号、閲覧履歴、購入履歴、認証データ、位置情報…
早い話「あなた」だとわかる情報はすべて個人情報である。
これを踏まえると、芸能人だろうがなかろうが、基本的に本人が出している情報以外の話に関して周りがみだりに詮索・公開するのはプライバシーの侵害であると考えて良いと思う。
芸能人の情報はみだりに出さない!
ここで芸能人が公開している情報に移る。
氏名…芸名でない人は出している。
生年月日…ほとんどの人が出している。
勤務先…個人事業主なのであってないようなもの。
学歴…アピールになる人は載せている。
婚姻歴…公開している人が多数。
子ども・親…出したい人は出している。出したくない人は伏せている。
昔の雑誌には芸能人の住所や電話番号が載っていたらしいが、今同じことをしたらプライバシーの侵害で訴えられる。
今でも「〇〇 遭遇情報」としてX等に載せている人たちがいるが、芸能人の位置情報を載せるのもプライバシーの侵害に当たるのでやめたほうがいい。
芸能事務所から訴えられたら一発だ。
あとは接客業に勤めている人が、プライベートのアカウントで「やばい、〇〇さんが来た」と書くのもプライバシーの侵害である。
一般企業に勤めた経験のある人であれば、社内教育で散々言われている話である。
ちなみに、それにダメですよ、消してくださいと書く人達もその情報を広めているので同罪である。
過去に小森のおばちゃまがいいとものテレフォンショッキングで、次に出演される方の電話番号を言ってしまったがばかりに、その方にイタズラ電話が殺到したことがある。
その方は電話番号を公開していないのに、小森のおばちゃまのせいで守られていた安寧な生活がパーである。
今回の和田アキ子氏の件も小森のおばちゃまの話に似ている。
まず、極楽山本さんと西野未姫ちゃん、どちらも有名なタレントで、年齢差でも注目されている夫婦である。
そんな夫婦が妊娠・出産を発表となれば、世間の関心は非常に高いだろう。出産を発表した際、本人たちは「双方の親と話し合ってニックネームのみで、名前は公開しない」と明言した。
にもかかわらず、本人たちの口から出る前に、和田アキ子氏が勝手に公開した。
非公開のプライバシー情報を勝手に公開する行為を「アウティング」と言うが、和田アキ子氏の今回の行動はこれに値する。
だから和田氏は反感を買ったのである。
山本さんの過去があるから、娘さんに悪いとか書いているヤフコメがあるが、それとこれとは別問題である。
娘さんの名前を「公開しない」と明言した以上、それは山本家のプライバシーの範疇であり、そこに安易に踏み込み、本名を公開した和田アキ子氏の言動は、紛れもなくプライバシーの侵害である。
「公開していいか?」に安易に同意した山本氏の配慮が足りない部分はあったかもしれないが、本人が公開していない情報は勝手に公開しないというのは平成後期以降は常識である。
昭和の感覚が抜けきれない和田アキ子氏の言動を見て
還暦近い極楽山本さん、Z世代の西野未姫ちゃんはどう思うだろうか。
私は西野さんと年齢が近いので、これダメなやつじゃない?と咄嗟にレーダーが働いたが。
余談だが、今になって山本さんの過去をほじくり返して娘さんの話につなげるのは個人的には良く思わない。
そもそもお祝いごとに水を差す必要はない。
西野さんは当時を知る世代ではないにしても、そういう過去があったことを理解の上で結婚し、子どもを作っているのだから、ネット民が姑みたいな目線でギャーギャー騒ぐ話ではない。
週刊誌はどこまで許されるのか?
過去に今泉佑唯氏が引退するにあたり書いた文章を一度読み返していく。
私は過去に裏で騒がれていた言動や、欅坂卒業時の例のいじめのでっちあげのこともあり、あまり彼女に好感を持っていない。
(いじめのでっちあげについては、元欅ヲタとして結成10年を前に、名前を挙げられた方への名誉挽回のため、近々一度言及するかもしれません)
でも、たとえその感情は入っていたとしても、今泉氏の引退理由は頷ける内容である。
自身や子どもへの安全が侵されていることに、「やめてください」と訴えかけるのは今泉氏の当然の権利である。
もちろんこの権利は「プライバシーの権利」である。
それに対する警察の対応のほうが私は疑問である。
「記者も仕事だから」と返すのはどうなのか。
仕事なら人権は侵害されていいのか。
そんなこと言い出したら暴●団も泥棒も闇バイトも頂き女子もぜーーーんぶ当人からしたら仕事である。
りりちゃんがマニュアルを発売して、それを他の女の子が使っておぢを騙したとしても、りりちゃんが「仕事だもん」と言えば許されるのか。
「人権が侵害された」だけでは警察は動くことができない。
人権は憲法に規定されているのみで、刑事上の責任に関しては刑法で何も触れられていないからだ。
本来なら、軽犯罪法のつきまといの禁止や、民法709条での賠償責任を挙げて、裁判で戦っていくしかない。
今泉氏にはそこまでの精神的余裕がなかったという話である。
今後の展望として
個人的には、プライバシーを侵害するつきまとい・アウティング行為そのものを罰する法律を作るべきだと思う。
「勝手に情報を公開して構わない」というムードを一度壊す必要がある。
そして親告罪制度をやめるべきである。プライバシーの侵害ではないか?と思う行為について、第三者が通報できるシステムを構築すべきである。
これがあれば、今泉氏は引退する必要がなかったと思うし、アッコさんの件だって、周りがこれはアウティングではないか、と牽制することができれば、起こらなかったのではないかと思う。
ストーカー規制法は恋愛感情が引き金でのつきまといのみをストーカーとする定義されているし、
軽犯罪法では罪が軽すぎて、週刊誌からしたら端金である。
もっとプライバシーの侵害に厳罰をくださない限り、日本から第二の文春・新潮、第二のアッコさんは永遠に出てくるだろう。