広げよう、「スポーツ× SDGs 」の輪(Off the pitch talk 第25回〜第27回まとめ)
皆さん、こんにちは。神村です。
前回は2021年シーズンに向けて、どのようにコロナと向き合い、経営していくのかについて、組織の観点なども踏まえてお話してきました。
今回は、私が所属するモンテディオ山形が来シーズンの活動大綱の一つに掲げている「スポーツ × SGDs 」というテーマについて、具体的にどのような活動をしていく予定なのかを読者の皆さんにもご紹介できればと思います。
(本稿は「Off the pitch talk 」第25~27回の放送内容のまとめです。今回はインタビュー:小出さん(@Twitter)、文責:神田さん(@Twitter)でお届けします)
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#25: https://stand.fm/episodes/5fd484f80c100589339ba8bd
#26: https://stand.fm/episodes/5fd489010c100549b99ba90b
#27: https://stand.fm/episodes/5fd48d470c100514be9ba96d
そもそも、SDGs って何?
最近、ニュースやTVのコマーシャルなどでも、 SDGs を取り上げることが増えてきているので、皆さんも SDGs という言葉自体は見聞きしたことがあるでしょう。ただ、「聞いたことはあるけれど、詳しくはよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。簡単に言うと、「全世界が持続可能な成長を実現するための共通目標」です。 SDGs は、企業や個人レベルで取り組むべき、全17個のテーマで構成されています。また、この17のテーマを達成するために169のターゲットが定められています。私自身は、先進国 / 途上国に関わらず、全世界の企業や個人単位で、社会をより良くしていくための活動であると理解しています。
例えば、気候変動の問題や環境問題に関して、日本では昨年7月からレジ袋が有料化されましたよね。この取組みによって、プラスチック袋のゴミが全て無くなることはないですが、一人一人がゴミを少しずつ減らすべきだ、というメッセージを訴求し、環境への意識を醸成するという意味においては、とても有意義な取組みだと考えています(余談ですが、私は有料化されて以来、スーパーやコンビニでレジ袋を1枚ももらっていません(笑))。
SDGs とサッカークラブの関係とは?
サッカークラブは、サッカーの試合を通じて、それこそ国境を超え、たくさんの人に夢や感動を届けることができます。一方で、これからの時代を考えると、”サッカーだけ”では経営も成り立たないと考えています。今も世界中に猛威をふるう新型コロナウィルスの感染拡大は、私たちサッカークラブの存在意義について、改めて考え直すきっかけになりました。
「我々にできることはいったい何なんだろう」と考えた時、我々が持っている一つの強みは、”サッカー”というコンテンツを活かして、周囲に発信をしていけること(=影響力があること)だと気付きました。例えば、サッカーのロシアワールドカップの時、日本代表のサポーター達がスタンドのゴミを拾って帰るシーンが世界的に話題になりましたよね。同じ様に一般人が道端に落ちているゴミを拾っても、話題になることはありません(道端であっても、ゴミを拾うという行為は素晴らしい筈です)。つまり、”サッカーのワールドカップ”という大舞台でスタンドの日本サポーターが素晴らしい行動をしたことが、ニュースに取り上げられた要因だと思うのです。
このように、”サッカー(Jリーグ)”は常に多くの注目を集めています。我々は、スタジアムに観戦しに来てくれたお客様と一緒に SDGs を体験し、その状況や取り組みを発信していきます。 SDGs を身近なものに感じていただくこと、そこで何かの気づきや「自分もやってみよう」という思いが生まれることを心から願っています。
すでに SDGs 活動に取り組んでいる様々な企業・団体・個人のみなさまのフォロワー的存在になり、「小さな一歩・大きなうねり」を生み出していきたいと思っています。
モンテディオが掲げる、SDGs の3本柱
私たちは、SDGs の活動に際して:
■SDGs パートナー
■ユニバーサル・スポーツ・パートナー
■エコパートナー
という3つの柱を掲げています。
一つ目の、SDGs パートナーというのは、SDGs の様々な活動をしている NPO 団体や企業の活動をより多くの人に広げる機会を創出するものです。また、その運営をクラブスタッフがするのではなくて、大学のボランティアサークルやインターンシップの学生などにも協力して頂きながら、サッカーを通じて SDGs への理解・共感を広げたいと思っています。
二つ目のユニバーサル・スポーツ・パートナーは、パラスポーツ・障がい者スポーツを支える活動です。これは私が昔から思っているのですが、パラリンピックなどの大舞台で選手が活躍すると、その時だけ皆が拍手喝采を送ることに少なからず違和感を覚えます。障がい者がスポーツをすることが凄いということではなく、障害のあるなしにかかわらず、皆が一緒になってスポーツを楽しめる社会づくりのきっかけになりたいと思っています。
モンテディオ山形のすべてのホームゲームで「ユニバーサル・スポーツ体験コーナー」を設置します。
実はこの活動は、私が以前所属していた大分トリニータで2018年に始めました。最初はファンの方も我々の活動を遠巻きに見ていましたが、「一緒にやりましょう」と声をかけることで徐々に参加者も増えていきました。皆でボッチャや車椅子バスケをするにつれ、段々空気が変わるのを肌で感じました。実際やってみると凄く楽しいので、読者の皆さんも山形にお越しの際は是非ご参加ください。
三つ目のエコパートナーは、文字通り環境問題に対する活動です。サッカースタジアムでは、毎試合大量のゴミが出ています。我々は、コロナ以前の水準(2019年度)と比べて、今シーズンはどれだけゴミを減らせるのかという、明確なゴミ削減目標を設置したいと考えています。
できることなら「お客様倍増・ゴミ半減」といったスローガンを掲げ、みんなでその目標に向かって1年間歩んでいけたらどんなに楽しいだろうと思っています。専門家にもご協力いただいたりしながら、目標・進捗の見える化をしていきたいと思っています。
SDGs の活動を広げるための方法について
上記に挙げた3つの活動をただやるだけでは、あまり効果は見込めません。この活動をしっかり広めていくことが重要です。
広げるための手段としては、メディアの活用があります。私たちは、Sports for Social というサイトを運営しています。当サイトでは、SDGs や社会貢献活動に関わる企業や個人にスポットを当てるもので、累計の掲載記事数も150本を超えるまで伸びてきました。
「とても素晴らしい活動なのに、SDGs に関心のある人にしか情報が行き渡らない」という声をよく耳にします。もどかしさを禁じえませんでした。
もっと幅広く、SDGs や環境問題などにそこまで関心が高くない人にも届くような仕組みを考え、立ち上げたのがきっかけです。
記事の内容は多種多様です。例えば、ある一人の主婦が自宅で生ゴミを減らすための活動をしている記事があります。彼女は日々出る生ゴミを肥料に変え、その肥料で自宅で野菜を育て、その野菜を食べて出たゴミがまた肥料になるという循環を作りだしています。別の記事では、発達障害のお子さんを持つお母さまの子育て奮闘記もあります。嬉しいことに、これらの記事を読んでくれた方から、たくさんの反響があり、「ぜひ私にも記事を書かせてください」と問い合わせを頂けたり、新たな繋がりができるなど様々なメリットが生まれています。もし読者の皆さんが載せたいテーマや書きたい記事があれば、積極的に応募して頂けたら嬉しいです!(※応募方法については、本文末尾に記載します)
また、記事以外の手段としては、今や主流となったオンラインでの交流会や他団体とのコラボ企画などを通じて、活動をもっと多くの人に届けたいと思っています。
まとめ:まずは小さなことからでOK。皆で取り組み、SDGs を達成していこう
SDGs は紛れもなく地球規模で抱える課題を解決するための活動ですが、個々人が普段から意識し、取り組むことが出来る活動がたくさんあります(前述のレジ袋削減など)。
勿論、モンテディオ山形の活動は今後さらに盛り上げていきたいですし、最終的には他のJクラブや他の競技団体にも波及していけば相乗効果が生まれると期待しています。我々もまだスタートしたばかりのフェーズですが、ぜひ皆さんも日常の暮らしの中で、SDGs に繋がる行動を探してみてください。
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(文責:神田)