富裕層が授業料と寮費合わせて年間900万円を出して海外系ボーディングスクールに子供を通わせる理由
弊社英会話スクールでは普通の小学生が英検2級に合格する英会話スクールとしてスタート。日本の経済的な衰退が顕在化した今、富裕層の保護者は国内の名門私立中学ではなく、海外の名門ボーディングスクールに進学先を変えつつあり、昨年からそうしたお問合せが急増しています。実際弊社スクールから3名がハロウ安比に合格しこの夏入学しますが、何故富裕層は海外系のボーディングスクールに子供を通わせるのか、本稿ではその理由を解説しています。
2022年は日本の教育においては黒船襲来と言える。
年間の授業料と寮費合わせて900万と言う金額のイギリスの中高一貫校が日本に開校するのだ。この8月イギリスの2大名門パブリックスクールの一つ、ハロウスクールの系列校である、ハロウスクール安比ジャパンインターナショナルが山形県の安比高原に開校する。
ハロウスクールとは1572年設立。イートンカレッジと並びイギリスの首相を始めとした著名人を多数輩出する名門のボーディングスクールである。
ではどの様な人たちがどんな理由で海外の中学進学を目指すのか?
当然授業料と寮費は高額になる。日本の中学受験の非ではない。イギリスの平均的なパブリックスクールで年間500万円前後と日本の大学4年間の授業料に匹敵する額だ。当然その金額を支払える経済力の持ち主が自身の子供達を進学させる訳だが、主な理由は以下の2つと言える。
最も大きな理由は、日本や日本の教育に対する不安だ。ともすると諦めとも言える。 これまで燻っていたものがコロナにより一気に噴き出した形だ。 コロナによりオフラインの教育が制限され、そこで露わになったのが日本や日本の教育におけけるテクノロジー化の遅れ。ソフトはもちろんのこと、ハード面で端末それ自体やwifiなどが整備されておらず、オンラインでの在宅学習にほぼ対応できなった。これは昨今の私立中学入試ブームと同じ文脈と言える。 また、これほどのグローバル社会にも関わらず、英語教育は一向に進まない。一昨年からの学習指導要領の改訂で小学4年生から週2回の授業が必修になりはしたが、それでも45分週2回だ。量的な不足の上に、学習環境も拍車をかける。先生1人に35~40人の児童、生徒への一斉授業では個々の英語力を高めるには限界がある。全くの初心者から英検2級を取得する子まで幅広い層への対応は正直難しい。 そして富裕層が最も危惧する日本の教育が、同一内容同一進度で行われる暗記型の教育だ。現代はSociety5.0を見据えた時代。しかし日本の教育は未だSociet3.0対応でバージョンアップされていない。欧米先進国では自身の興味を持った事象を深く掘り下げる探究学習やProjectをベースにしたPBLが主流になっており、0から1を創造する能力や課題を解決する能力の育成、失敗を恐れずチャレンジするOpen mind setの育成に教育のテーマが移っている。この差が日本と欧米の経済格差を生んだと言っても過言では無い。お行儀よく机に座り、先生の板書した内容をノートに取ってテストをする形の教育は、これからの時代通用しないことを彼らはよく理解している。それは日本の名門私立中高に対しても同じだ。 海外系の名門ボーディングスクールに子供を進学させる親の多くは自身が経営者や夫婦で外資系の企業に勤めるパワーカップルだ。芸能人や国会議員、誰もが名前を知っている有名企業経営者のご子息もいる。彼らは既に日本経済の低迷や日本の教育の遅れに気付いていて、これからの時代は世界視点で世界を舞台に仕事をする様になり、一生日本にいて、日本人とだけ生活をする事はない事をよく理解している。ガラパゴスJapanに子供を閉じ込めておく事の危機感を強く持っている層だと言える。慶応や開成に合格しながら通って来る子もいる、学歴と実力の両方を身ににつけようと言う狙いだ。日本国内の価値は入学段階の偏差値で決まる。実力は海外の学校で身に付けると言うある意味戦略だ。
年間900万を支払うもう一つの理由
だからと言って年間500万を支出する理由としてやはり高すぎると思わざるを得ない。彼らが費用対効果としてみる海外留学のもう一つの大きなメリットは、人脈だ。しかも大学留学からのそれとは比べ物にならない所は、中学から寝食を共にした人脈。しかも年間500万を出せる層はかなりのステータスを持った家庭だといえる。イギリスで言えば中東や中国、ヨーロッパ各国から幅広くやって来る。ルームメイトがアラブの石油王の息子だったと言う話や台湾の有名な企業の御曹司だったと言う話が普通に出て来る。中学生の頃から培った友情はきっとビジネスの世界で生きてくる。これも富裕層が子供達を海外の学校に行かせる大きな理由の一つだ。 日本では教育は家、保健に継ぐ大きな投資だ。しかも子供の未来を直接左右する重要な投資と言える。経済的にも教育的にも様々な規制を続け鎖国同然だった日本では、投資は比較的簡単だった。偏差値教育一点張り!小学4年生から塾に通い、名門私立中学に入学し、東大を頂点とした学歴ルートを歩みさえすればある程度未来の幸福は保障された。親の時代はそれでも良かったかもしれない。30年前物価はまだまだ日本が諸外国に対して高く購買力があった。2000年においてはGDPも一人当たりのGDP世界第2位だった。目線が国内に行くのは当然の経済力があった。しかしその力はもはや日本にはない。そう判断する保護者が増えるのも当然だろう。 グローバルとテクノロジーそしてサステイナブル。これらへの準備を教育的に行う事が子供を将来幸福にするか否かを分けると言われている。そのことにいち早く気付いた層は年間900万の教育費を高いとは感じてない。同様にそのような気運をいち早く捉えたイギリス系ボーディングスクールはハロウ安比校をはじめ、来年2023年にはラグビースクールとメルバーンカレッジ、その後も続々と日本での開校を狙う。日本国内ではグローバル教育もテクノロジー教育もままならないと感じている保護者にとっては渡りに船と言える。
日本は経済的には既に開国必至の状況にある。いよいよ日本の教育界も世界を視野に入れた教育を提供意思ないと今後ますます優秀な児童生徒が海外系の教育機関に出ていくことは避けられない時代になったと言えそうだ。昨年から、ハロウスクール安比ジャパンを始めとした海外のボーディングスクールに進学したいと言うお問合せが弊社英会話スクールでは急増した。コロナ以前は極々一部のお問合せだった中学校からの海外留学が、コロナを境に一気に噴き出した状況だ、実際この8月に3名の児童がハロウ安比校に進学する。