【映画記録】本当にツラいファミリー映画
二日連チャンでとんでもないファミリー映画を観たので
道連れを探すべくまとめて書いてみようと思います。
一本目【胸騒ぎ】
スタッフ・キャスト
スタッフ
監督・脚本
#クリスチャン・タフドルップ
キャスト
#モルテン・ブリアン
#スィセル・スィーム・コク
#フェジャ・ファン・フェット
#カリーナ・スムルダース
所感
主人公のデンマーク人家族が、
旅行先のイタリアで出会った気の良いオランダ人家族。
帰国後、オランダから手紙が届き
彼らの家にお呼ばれするという本作。
イタリアではあんなに楽しかったのに、
オランダの家に着いてみたら
あれ…?なんかイタリアの時と違う…?の連続。
国名が連続して申し訳ないですが、ここが味噌で
お互いデンマーク語、オランダ語が分からないため
会話は英語。
聞かれたく無い話は母国語を使います。
さて、家に着いて早速
ベジタリアンと知ってるはずなのに肉を勧められる。
子供は子供同士、なぜか別の部屋で寝かせる。
ディナーの際に呼ぶベビーシッターは中年のおじさん。
子供への過剰な"躾"。
善意が無いようで有る。
断ろうと思えば断れなくもない。
絶妙なラインの「嫌」なことが連続して
居心地の悪さが極に達する。
他人の家のいづらさや
断りにくい善意。
うまく回避したり断ったりすることは
コミュニケーション能力を問われると思います。
相手が逆上しそうなら尚更。
断り切れないデンマークの主人公夫婦、
ビャアン(モルテン・ブリアン)と
ルイーセ(スィセル・スィーム・コク)
二人は円満そうで、主導権はルイーセが持つ。
ラストで本当にひどい目に遭う時まで
先陣を切るはルイーセ。
優しすぎるぞビャアン。
ズケズケ我を通すオランダ人夫婦は
パトリック(フェジャ・ファン・フェット)と
カリン(カリーナ・スムルダース)
息のあった二人は実生活でも夫婦だそうです
気の弱いビャアンからすると
自分に無いものを持っている(かのような)
パトリック。
一見パトリックの影に隠れがちなカリンも
ラストでしっかり手を下す強者。
ここまで敢えて書いていませんが、
二家族にはそれぞれ子供がいます。
この子らが…はい。
続きは劇場で。
二本目【missing】
スタッフ・キャスト
所感
大好きなヒメアノ〜ルの吉田監督。
予告編では今まで見たことない石原さとみ。
これは行くしかないでしょう。
ラストのラストまで、
ポジティブなことが起こらない本作。
不幸な事件が起きた家族の
その後を取り巻くあれこれを淡々と描いていく。
他人からの気遣いが逆に気になってしまう。
夫婦間でも熱量や、罪悪感の所在が気になってしまう。
当事者でなくとも想像が及ぶ作りに脱帽。
居心地の悪さは今年一です。
展開も、観客をブンブン振り回すモノで
自然に主人公夫婦に感情移入してしまいます。
淡々としているが故に先が読みにくい。
そして役者陣。
脇も固いですが、
なにしろ石原さとみと青木崇高がちょっと凄すぎます。
演技で言えば、
攻めの石原さとみと
受けの青木崇高。
筆者はパートナーと観たのですが、
究極状態の男女の違いが良く出ているなという感想でした。
大多数の夫婦が
同じ状況で似た雰囲気になると思います。
※無論個人の感想です。
そのリアリティと
お二人の演技、振り切り方が
画に説得力と緊迫感をもたらします。
もう一つリアリティがあるのが
報道やSNSの描写。
資本主義社会で
報道は公平性と利益のジレンマを抱えているし
SNSのコメントは
リスクを負いにくい娯楽と化しています。
これらの描写は、観客の実生活に
良いフィードバックを与え得ると思います。
「事件の解決」という
ある意味での落とし所を用意していない点に
映画を観て頭を働かせることの
楽しみがあると感じました。
まとめ
何故連チャンでこの二本を観てしまったのか。
特にお子さんが身近にいる方にはオススメできないコンボです。
生活する上で生じる違和感の所在や、
パートナーや身近な人との関係のあり方を考える上では
非常に意義ある二日間でした。
(フラッと観られる映画ではありません)
それなりのダメージを受け入れられる元気な方は
是非劇場で!
※画像はIMDb、公式HPより引用