【映画記録】ゴールド・ボーイ
なかなかタイミングが合わず
公開終了ギリギリになってしまいましたが
とんでもない傑作を観た!
ネタバレ厳禁映画なので、観る予定がある方は
是非ご覧になってからどうぞ!
スタッフ・キャスト
スタッフ
監督
#金子修介
脚本
#港岳彦
原作
#ズー・ジンチェン
キャスト
#岡田将生
#黒木華
#羽村仁成
#星乃あんな
#前出耀志
#松井玲奈
#北村一輝
#江口洋介
短評
事前情報ほぼ入れずに鑑賞したのが大正解。
いつまでも乗っていたい、
逆転が快感に変わるジェットコースター。
未見の方がうらやましい!
所感
いびつなテンポとカメラワーク
岡田将生演じる昇の殺人が軸となる本作。
この殺人は宣伝でも明かされているため、
ハイさっさと始めますよと言わんばかりに
映画開始4分ほどで
いきなり義父母を崖から突き落とす。
突き落とす際に、
気持ち悪く義母を追うカメラ(ドローン?)
ここのカメラワークでもう何やら不穏な印象。
崖落ちからの金澤翔子が書く、
黄金少年タイトルドーン!
新幹線大爆破みたいな題字ですよ!
タイトルのバックの海といい、
あれ?今は昭和?令和?え?
もうすでに最高です。
崖落ちカメラも不穏でしたが、
やたら俳優の顔にカメラが寄っていきます。
もうしつこいくらい寄ります。
筆者大好物の平成ガメラでもこの寄りは多用されており
おそらく金子監督特有のものと思われます。
演技が素晴らしいので、
この寄りもクセになりますよ。
行き着く先を読ませないため、
テンポが掴みづらいのも特徴のひとつ。
ざっくり時間配分を確認したいので
余裕がある時は時計を見ながら鑑賞するのですが
最初の30分以降はテンポが読めなさすぎて
時計見るのをやめました。
震える演技
メインは岡田将生&羽村仁成。
この二人の演技は言うまでもありません。
朝陽(羽村仁成)は
所謂ジュブナイルものの主人公といった感じで、
正直序盤の演技は子役っぽい印象を受けますが
はい、私が騙されていました。
中盤で朝陽が
敵対していた昇に殺人を依頼する辺りから
演技もドライブしていきます。
ああ怖い。
配役も演技も皆さん最高なのですが
特に朝陽の両親が素晴らしい。
父は打越一平(北村一輝)
離婚した妻と暮らす息子 朝陽との距離感や
墓地での表情、たたずまい。
彼が殺される直前はかなり感情移入してしまい
もうストーリーが破綻してもいいから
助かってくれと祈ってしまう。
恐れ入ります北村一輝。
母は安室香(黒木華)
一人息子の朝陽を最優先に考え
超ハードワークをこなします。
中学生の息子にちょっとベタつきすぎでは?
いや、仕事で家を空けているので仕方ないか。
終盤までは何故に黒木華?という役なのですが
ラストでようやく、
これは黒木華じゃなきゃダメだ!
という顔面大立ち回り
あっぱれ黒木華。
大人と子供
敵対すれど、似た物同士の昇と朝陽(名前からして)
数学好き、サイコパス、
計画は完璧なようで穴もあり
どうせ社会や法律が助けてくれると
鷹を括っている。
朝陽と行動を共にする夏月(星乃あんな)は
真意を知りながら死んでいき、
朝陽の母 香は泣き崩れながら
刑事に電話をかける。
朝陽を想い、止めなかった夏月
朝陽を思い、止められなかった香
この二人も対をなしています。
男女ペアのシーンも多いので
関係性に注目です。
まとめ
「こんなこと、君/おじさんにしか話せない」
敵対しながらも、最もお互いを知る昇と朝陽のセリフです。
この映画もまた観た人としか話せない、そんな一本。
あぁ誰かと話したい!
また、登場人物の置かれている状況に無理がなく
中国の原作を非常に上手く日本に落とし込んでいます。
同じ原作を中国でドラマ化した
バッド・キッズ 隠秘之罪が
Amazon Primeで観られるようなので
こちらも時間があれば観てみたいと思います!
※写真は公式ホームページより引用