コロナ感染患者の訪問診療の現場
訪問診療している患者がコロナ感染
皆さま、こんにちは。今回は訪問診療をしていると、必ず遭遇するコロナ感染患者の対応について、リアルな現場状況をお伝えします。
発熱など感染兆候の連絡
まず、最近最も多い連絡が『発熱しています、どうしたらよいですか?』という内容です。熱だけなら、基本的に解熱薬内服などで様子観察としています。すべての発熱患者を検査していたら、本当に拉致が明かないですからね。発熱に咳+排痰などの呼吸器症状が出現していたら、抗原迅速キットを持って往診に行くようにしています。
自宅到着から診察・検査
玄関前でゴーグル・手袋・ガウンを着用して、コロナ抗原迅速キットを1セット持ってドアを開けます。すぐに患者の寝ている部屋に行き、両側の鼻孔から検体を採取して抗原の有無を確認します。私の経験上、コロナ陽性の検体は、抗原キットに滴下するとすぐに反応しています。検査を施行しながら、体温・SpO2を測定し、診察して呼吸器系の異常が無いか確認します。コロナ陽性の場合は、その時点で一旦外に出て、家人へ陽性の旨を伝えて、濃厚接触者or感染者として自宅待機してもらうように説明しています。
発生届
保健所に届け出を行います。指定用紙に記載してFAXで情報提供します。(今時FAXなんて、と思う方も多いと思いますが、医療現場ではまだ現役の情報送信ツールです。)夜遅くでも保健所の担当者には電話でつながるので、本当に助かります。お互いに仕事で体調を崩さないようにしないと…。でも、もう入院先は見つかりませんという返答しかもらえなくなりました。辛いですね。
酸素発生装置の導入について
SpO2の低下があれば酸素を投与していますが、その基準を私は90%以下にしています。現実的には、90%前半であればなんとかroom airで様子を見れることが多いです。酸素発生装置にも限りがありますので、むやみやたらとは酸素を導入していません。ただ、高齢者については93%以下にして対応しています。高齢の感染者はほぼ入院対応になりますが、入院先が決まるまで自宅や施設で待機している時間ができるため、その間は投与するようにしています。最近は入院が難しくうなってきているので、結局のところ隔離期間中は投与継続していくことになりますが。
入院から自宅・施設へ
幸い、私の患者は入院加療後に回復して自宅や施設に戻ってきています。ただ、完全に回復していない患者もいるため、退院後も治療を継続する場合もありました。後遺症で目立った方はいませんが、体調がすぐれないという方は多く見受けます。
ラゲブリオ®の投与について
飲み薬が使用可能となり、私のクリニックも早速センターに登録しました。朝4カプセル・夕4カプセルと沢山内服しないといけない薬剤です。発症から5日間の間に投与する必要がありますが、発注してから1-2日で到着するタイミングが結構ギリギリです。まだ投与した患者はいませんが、自宅待機になる場合には投与を検討したいと思っています。
まだまだコロナ禍を抜け出る様子はなさそうです。しかし、訪問診療は地域医療の最期の砦と思っていますので、感染に気を付けながら走り続けるしかありません。危険と隣り合わせですが、そういう仕事こそやりがいがあるものです。
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