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バイク個人TT(トライアスロン)の加速時はどれくらいがんばれば良いか?
加速の時は勾配1%の坂と同程度の出力で踏めば良い、思ってたより頑張らなくても良いよという話。
下の記事で勾配によって最適なTTペースを算出できるようになりました。
ここでは加速は無視しています。ただ実際には、スタート時、コーナの立ち上がり坂を登り切った後等には加速する局面があります。
なんとなく加速時は出力をガツンと上げて、一気に定常速度まで持っていった方が良いようなイメージがあります。
ではどれくらいの出力で加速するとがんばりに対して最も効率良くタイムを稼げるのか?検討したいと思います。
いつものように計算はZwiftベースで行います。条件は私の身長168cm、体重60kg、Zwift TT+32mmCarbonです。
グラフの基準Aは180W一定で加速していった場合で、約80秒かけて定常速度の時速36.4kmまで加速しています。
このように一定出力で加速していった場合、なかなか定常速度に達しません。その為加速時はグラフの基準Cのように、最初200Wで加速して、180Wの定常速度時速36.4kmに達した所で、180Wの一定巡航に入ります。
この時のタイム短縮は
基準A 180W一定
比較C 40秒間200W⇨その後180W 基準Aより2秒短縮できる。
つまり40秒間200Wのがんばりでタイムを2秒=5%短縮できた。となります。
さて、この短縮率は良いのか悪いのか?
ここで上の記事で出てきた、勾配によってタイムを5%短縮するのに必要な出力の違いをもう一度出します。
この考え方はけっこう万能です。違う状況でもがんばりに対するタイム短縮率(これをコスパと呼ぶことにします)を比較する事ができます。
これを見るとちょうど、勾配1%の上り坂は200Wで走ることによって、180Wに比べて5%タイムを短縮することができます。
つまり、加速時のコスパは勾配1%の上り坂と同じ
このような考え方をして初めて分かったのですが、思ってたより加速時のコスパは良くないです。
この場合は、加速時に240Wとかで頑張るなら、勾配5%の区間を240Wで頑張った方が遥かにコスパ(効率)が良い事になります。
例えば、単独の個人タイムトライアルで1秒の差を争うのであれば、加速時のロスは無視できないでしょう。
しかしながら、ロングのトライアスロンで180kmを走るのであれば、加速時は勾配は1%の坂と同じくらい、ちょっと頑張って190Wくらいで踏んでおけば十分です。
その分勾配が大きい区間でもう少し頑張りつつ、ランに向けて疲労を抑えた方が得策となります。
次回は風の影響につてい考えていきます。
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