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【Zwift】ブーストモードの戦略をどこよりも早く考える
先日zwiftが開発中のブーストモードのテストイベントに参加してきました。
周りにも何人か参加しており、どうやらヘビーユーザーの人が招待されたようです。
今後仕様変更があるかもしれませんが、現在の情報を元にブーストモードの戦略を先取りして考えたいと思います。
1.ブーストモードとは?
概要に関しては下記Zwiftページを参照ください。
ブーストの種類は写真の3種類あります。ブーストありのイベントに参加する場合は、この3つのうちのいずれかを選ぶことになります。
※今のところどれも選ばないってのは、なしになっています。
ざっくり言うと、自己回生エネルギーのみで走る電動アシストを搭載するイメージです。(現在の技術水準からすると少々重すぎる気はします・・・)
A.効率型を使って具体的に説明します。
◾️重量増
まず装備した時点で、重量が5kg増えます。
重量が増えるので、登りがその分遅くなったり、加速が悪くなったりします。
◾️エネルギーチャージ
画面下・左側にあるチャージマークをクリックするとエネルギーチャージが始まります。チャージ時間は1つのセルで22.5秒。4つのセルがあり1回クリックする毎に1つのセルのチャージが開始されます。4つ分チャージするには合計で90秒かかる事になります。
チャージ中は-50Wとなります。200Wで漕いでいても、150Wで漕いでいる事と同じになり、50W分はチャージに使われるという訳です。
◾️エネルギーブースト
エネルギーが1つ以上チャージ済みの状態で画面下・右側にある上矢印ボタンを押すと、ブーストが始まりまず。
1つのセルで、22.5秒間50Wが出力に加算されます。200Wで漕ぐと250W出している事と同じになります。4つ分連続で使えば90秒間+50Wで走る事ができます。
2.ブーストの種類
選べる3種類のブーストについて解説します
A.効率型
◾️セルの数 : 4つ
◾️チャージ時間 : 1つ22.5秒、4つ合計90秒
◾️チャージ出力 : -50W
◾️ブースト時間 : 1つ22.5秒、4つ合計90秒
◾️ブースト出力 : +50W
◾️重量増 : +5kg(イベント中常に)
B.バランス型
◾️セルの数 : 2つ
◾️チャージ時間 : 1つ17秒、2つ合計34秒
◾️チャージ出力 : -100W
◾️ブースト時間 : 8.5秒、2つ合計17秒
◾️ブースト出力 : +200W
◾️重量増 : +7.5kg(イベント中常に)
C.パワーバースト型
◾️セルの数 : 1つ
◾️チャージ時間 : 16.7秒
◾️チャージ出力 : -150W
◾️ブースト時間 : 5秒
◾️ブースト出力 : +500W
◾️重量増 : +10kg(イベント中常に)
効率型以外は、チャージ出力とブースト出力が違っていますが、トータルエネルギーは同じになるような設定されています。バランス型ではチャージ時間がトータル34秒×100W=3400J。ブースト時間がトータル17秒×200W=3400Jといった具合です。
3.レース中の仕様・表示
◾️ブースト使用時
ブーストを使用すると画面右側にあるリストにブーストの上矢印マークがつきます。これによって今誰がブースト使ってるという事は分かります。ブーストの種類は表示されません。
ブーストの種類に関してはブースト表示の時間から推測する事がはできそうです。
●マークの表示時間からどのタイプか推定する
22.5秒以上 : 効率型
8.5秒 : バランス型
※2回連続で使った場合は17秒。余程の勝負所でなければ2回連続は使わなそう
5秒 : パワーバースト型
大集団の場合にいちいち、どの選手がどのタイプかチェックしてられませんが、少人数で抜け出した場合などは、何タイプか分かるとスプリントの戦略が立て易くなります。また、予めマークしている選手がいる場合は早めに、その選手が何型なのかも序盤で抑えておきたいところです。
◾️チャージ・ブーストボタン
画面下部に配置されたのボタンをクリックするとチャージ・ブーストが、それぞれ始まります。効率型、バランス型の場合は複数回クリックすれば連続してチャージ・ブーストが行えます。ただし、一度チャージ・ブーストを押すと取り消しは効きません。例えば効率型で4回チャージボタンを押せば90秒間チャージに入ります。この間に集団でアタックがかかっても取り消しは効かないので、-50Wのまま追走するはめになります。なのでチャージが終わった毎に次のチャージに入る方が安全です。
チャージ・ブーストはコンパニオンアプリからも操作できます。
この辺りの操作はとっさの場合にミスし易いです。マウス操作の場合カーソルは前回操作の位置にあるのが普通です。実際に相手アタックに対応する為に、ブーストを押したつもりが、チャージを押してしまい地獄を見ました。分かり易いショートカットキーが導入されると良いのですが…
◾️チャージ中の表示
他の先週がチャージしている時は、アタックで振るい落とすチャンスになります。他の選手がチャージしている時に画面上には何も表示されないので、いつチャージしているかは分かりません。
パワーチャージ中でも画面右側の倍率表示は、チャージ分が引かれる前の出力で表示されます。例えばパワーバースト型ではチャージ中は-150Wとなるので、体重60kgなら2.5倍余分に出さなければなりません。つまり6倍の表示が出てても実際には3.5倍で走ってる事になるので、表示の割に早くない選手がいた場合は、チャージ中だと推測する事ができます。
※疑問・・・ファンビューで相手視点に切り替えた場合にどのように見えるか?チャージ中かどうかが分かるか?ブーストの種類がわかるのか?今回は試してないのでわかりません。次回検証してみようと思います。
4.どのブーストタイプを選ぶのが良いのか?【スプリント編】
私の出たテストイベントはVolcano Circuitで行われました。Volcano Circuitは1周4.1kmで獲得標高は20mとフラットな周回コースになります。私は一番チャージ時の負荷が小さく、軽い効率型で参加しました。
実際のレースの方はどうなったかというと、私は事前に他の人の動画で予習して参加したのでシステムは理解していたのですが、ほとんどの人はあまり理解していなかったようで、1周目で早々3人に絞られてしまいそのまま最後まで3人で進む展開となりました。
残った私以外の2人も先入観で効率型を選んでいるのではないかと思っていましたが、終わった後にコンパニオンアプリにアップされたキャプチャー画像で確認すると他の2人はバランス型を選んでいました。ブーストでアタックされた時に通りで出遅れた訳です。他の選手も確認した結果は
A.効率型 13人
B.バランス型 6人
C.パワーバースト型 1人
最終スプリントでブーストした場合を想定して、ブースト時間でどれくらい走れるかを計算します。これはゴール前にきっちりブーストを使い切る為に必要なので、是非覚えておきましょう。
※ゴール前で使う程に速度は上がっていくとして、速度を仮定します。
A.効率型(平均50km/hと仮定)
1セル22.5秒:313m (最大4セル90秒:1250m)
B.バランス型(平均55km/hと仮定)
1セル8.5秒:130m (最大2セル17秒:260m)
C.パワーバースト型(平均60km/hと仮定)
1セル5秒:83m
ここから分かる事は・・・
■A.効率型の場合
フルチャージでいったら90秒・1250mの間+50Wが得られるがスプリントの距離としては長過ぎます。残り1250mが集団がガンガンに行っているような展開では有効かもしれないが、ほとんどの場合は500m以下のスプリントとなる。そうすると、あまり有効に活用できない可能性の方が高い。私の場合は正にこれで、90秒分貯まっていたので、残り1200mから使いましたが牽制真っ只中であまり意味がありませんでした。
■先にC.パワーバースト型の場合
5秒83mは短いと感じるかもしれませんが、5秒間に凝縮して500Wが加算されるので、このエネルギーは一気の加速に使われる事になります。
ゴールスプリントはゴールぎりぎりまで先頭に出ずにドラフティングを利用し、最後に追い抜くのがセオリーです。最後追い抜く為には、相手よりも速度を上げる=一気の加速が必要になるわけですが、ここで5秒500W使えるのはスプリント最終局面競り勝つ上で非常に有利と言えます。
■B.バランス型の場合
では、B.バランス型ではC.パワーバースト型に勝てないかというと、そんな事はないと思います。今回のテストイベントがそうであったように、レースによってはアイテムの併用が可のようです。最終スプリントに重要なアイテムである、エアロブーストの時間は15秒間です。最大出力が発揮できるのは、たいてい15秒程度である事からも、Zwiftのスプリントは残り15秒、だいたい300mを切ってからが勝負所になります。
B.バランス型の2セル17秒はスプリントの時間とマッチしています。残り300mを切ったところで、ブーストを2回クリックしてからエアロブースト使って後は全力もがきというのが、典型的な展開になると思われます。
また、エネルギー量でいっても
B.バランス型 17秒×200W=3400J
C.パワーバースト型 5秒×500W=2500J
(A.効率型 90秒×50W=4500J)
とエネルギーの総和はB.バランス型の方が多くなっています。
装備した時の重量増も、C.パワーバースト型の方が2.5kg重くなります。
例えば体重65kg 自転車重量7kg とした場合
A.効率型(+5kg) 総重量77kg
B.バランス型(+7.5kg) 総重量79.5kg (A+3.2%)
C.パワーバースト型(+10kg) 総重量82kg (A+6.5%,B+3.1%)
上記重量増分は、例えばC.パワーバースト型はB.バランス型に対して3.1%登坂抵抗が増える事になります。同様に加速に関しても重量に比例するので、C.パワーバースト型はB.バランス型に対して3.1%加速が悪くなる事になります。
■ゴールスプリントまとめ
A.効率型:ゴールスプリントで有効的に使うのはかなり困難。
B.バランス型:残り300mで発動させてC.パワーバースト型を振り切り勝負を決めたい。
C.パワーバースト型:残り150mまでドラフティング圏内に付けて発動させれば勝利の可能性が非常に高い。
よってスプリント観点の選択として、残り150mまでブーストなしでも残れる自信があればC.パワーバースト型を選択。そうでなければ、B.バランス型を選択した方が無難になります。
5.どのブーストタイプを選ぶのが良いのか?【登り編】
スプリントの事だけ考えると上記のような結果になりますが、実際には最終スプリントまで残れなければ意味がありません。登りの影響を考えると話は違ってきます。
まず重量増が登坂抵抗にどれくらい影響するかを考えます。
重量m、重力加速度g=9.8、高低差hを使って、m×g×hで必要なエネルギーを概算できます。
例えばA.効率型の+5kg分を高さ100m持ち上げるのに必要なエネルギーは
5×9.8×100=4900J(ジュール)
高さ100mを5分(300秒)で登坂する場合の加算出力は
4900J÷300秒=16.3W
つまり5kgの重りを背負って高さ100mを300秒で登坂する場合は、16.3W余分に出し続ける必要があります。
同じように計算すると・・・
ブースト装備の重量増による加算出力。
※高さ100mを300秒で登坂する仮定で計算
A.効率型 (+5kg) 16.3W
B.バランス型 (+7.5kg) 24.5W (A+8.2W)
C.パワーバースト型(+10kg) 32.6W(A+16.3W)
ブーストを装備しない選択はないので、A.効率型に対する差で考えればよい。B.バランス型はA.効率型に対して8.2W余分に出す必要があります。短い上りならそれ程気にする値でもありませんが、登坂距離が長くなればなる程影響が大きくなってきます。私自身は5分以上の登りになると、毎回ギリギリで越えていくのが常なので、とても8.2W余分に出す余裕はないのでA.効率型一択となります。
では、B.バランス型よりA.効率型を選んだ方が良い分岐点はどの辺りか、使えるエネルギー量で考えてみます。
B.バランス型は2セルフルに使うと17秒×200W=3400J になります。
これと同じになるのは、A.効率型では68秒×50W=3400Jとなります。A.効率型はフルチャージで最大90秒間+50Wブーストできるので、68秒以上の登りではA.効率型の方が使えるエネルギーが大きくな値ます。
それに加えて上述の重量増の影響もあります。
だいたい1分の上り。高低差にして30mあたりがA.効率型が有利となる分岐点になると思われます。
コース的には
Richmond Libby Hill 300m 高低差20m 6%
Innsbruckringの登り 450m 高低差31m 7%
この辺りまでは、B.バランス型を選んでもそれ程不利にならないでしょう。
6.どのブーストタイプを選ぶのが良いのか?【総合編】
どのタイプを選ぶのかは、チャージ時間とチャージ時の出力についても考えなくてはなりません。
チャージ時間と必要出力
A.効率型 : 22.5秒 -50W
B.バランス型 : 17秒 -100W
C.パワーバースト型 : 16.7秒 -150W
実際にやってみた感想としては、A.効率型の -50Wは多少のペースアップがあったとしてもなんとか対応できる。B.バランス型 の-100Wも下りを使えばなんとかなると思う。C.パワーバースト型 : -150Wはかなりきつい。Cは一回チャージをすると、もったいなくてなかなか使えなくなる心理が働くのではないかと思います。逆に言うと、A.効率型は気軽にチャージ・ブーストを使えるのがメリットです。
以上を踏まえると。
■C.パワーバースト型を選択する場合
重量増のデメリット・高いチャージ負荷にも耐えて、最終スプリントの150mまで残れる自信がある。 ※私にはそんな余力はないので、C.パワーバースト型を選択する事はあまりなさそう。10km以下の超スプリントレースとかは選んでも良いか?!
■B.バランス型を選択する場合
登りが約1分(高低差で30m程度)までのフラットレース。A.効率型に対して、最終スプリントで優位に立ちたい。
■A.効率型をを選択する場合
登りが約1分(高低差で30m程度)以上ある山岳コース。最終集団まで残る事を優先したい。
これが基本としつつも、長い登りがあってもB.バランス型で越えられれば最終スプリントは優位に立てるので、チャレンジするのもいいでしょう。
7.レース中の戦略
■チャージポイント・ブーストポイント
まずは、事前にコースマプロフィールをみて、チャージポイントとブーストポイントを決めておきます。基本となるのは、登りでブースト、下りでチャージとなります。チャージポイントをブーストポイントが同じだと、貯まっていかないので、チャージポイントを多く想定しておくと良いでしょう。また、展開で集団が緩まって余裕がある状態の時は早めにチャージしておくと良いでしょう。
下りでは、チャージしているの隙を狙ってアタックが発生する可能性があります。ただ、下の高速状態で風を受けて引き離すのは効率が悪いので、チャージ中であってもなんとか対処できると思います。
■ブースト迷ったら使え!
せっかくチャージしたブーストだとなるべく温存したい心理が働くかもしれませんが、Zwiftでは一度遅れてしまうと状況は一気に不利になってしまいます。よって、周りの選手がブーストを使ってアタックした場合は、迷わず使ってしまうのが良いです。アイテムは一度使ってしまうと次出るかわかりませんが、ブーストは自力で回復することができます。
■ブーストアタックの対応
自分がA.効率型で他の選手がブーストアタックした時にその選手が、B.バランス型・C.パワーバースト型だった場合に普通に追っていくと離されていってしまいます。※私のレースは正にこれでした。よってA.効率型を選んだ場合は、ブーストを使って追いかける場合でも、自身は一気に出力を上げて追いかけるよう意識した方が良いです。ブーストが弱く長い特性の分、強く短い出力は人間自身が補う。ブーストの反対の特性を人間自身が補うイメージを持つと良いと思います。
以上、まだリリース前のブーストモードに関して、少ない情報で想像を膨らませて考察しました。今の仕様でリリースされるのか、そもそも本当にリリースされるのか??分かりませんが、正式リリースを楽しみに待ちたいと思います。
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