Mー1グランプリ決勝で漫才を披露できる胆力
緊張しててもバッチリ伝わる!
本番力アップコーチの藤森みえ子です。
私のようなお笑い好きはもちろん、そうでない人もついつい気になって見てしまう番組、M1グランプリ。今年も熱い戦いが繰り広げられました。
錦鯉が2021年のチャンピオンに輝きました!!おめでとうございます!!
優勝した瞬間、二人が抱き合っている。まさのりさんが大きな瞳からポロポロと涙を流して泣いている。気付いたら、私も涙がこぼれ落ちていました。こんなに泣いたM1は初めてです。
顔や声がすでにおもしろくて、圧倒的な存在感を放つまさのりさんを、大きな愛で包み込み、すごいテクニックを持ちながらもそれを感じさせない、嫌味のないうまさやさじ加減でツッコむ渡辺さん。
時に激しく、時にぼそっとつぶやくような渡辺さんのツッコミ・・猛獣使いのようであり、まさのりさんの保護者のようにも見える(年下なのに笑)。
ネット記事で拝見しましたが、構成作家もされているとか。もともとセンスのある方なんですね。これからのご活躍がますます楽しみになりました。
司会・MCを生業とする私にとっては、あの大緊張する場面で、
「噛まずに」「ネタを飛ばさずに」「頭真っ白にならずに」4分間話し続けることがまずすごいと思う。
大事なところなのでもう一回言います。
漫才を人前で披露できる人たちは、それだけですごいんです。
「板の上に乗る」つまり「舞台に上がる」という行為は、本当に緊張するんです。すべての人がそうとは言えませんが、スポットライトを浴びて、たくさんの人が注目していて、カンペがない状態で、一発で決めなくてはいけない。
これが、どれだけのプレッシャーがかかることか。
私は300〜500人規模の、絶対にミスが許されない司会の仕事を何度も経験していますが、ひとたび舞台に上がると、もう逃げられない。やるしかないんです。規模は違えど、集中してパフォーマンスをすることの大変さは、よくわかります。
しかも、日本で一番有名で、視聴率も高くて、今後の人生を左右する夢舞台であるM-1グランプリ。会場入り、リハーサル、本番と時間が経つににつれ緊張度が高まってくるに違いありません。
今回、決勝で漫才を披露した10組すべて拝見しましたが、目に見えるあきらかな失敗をしているコンビは1組もいませんでした。おそらく、自分たちの中では小さなミスや、納得いかない部分はあるでしょう。しかし、「失敗しているように見せない」ということを出来るのが、プロなのです。
もちろん、何百、何千と舞台経験を積んできた彼らなら、人前でネタを披露することは「日常」になっていることでしょう。それでも、「ここで決めなきゃ!」と思えば思うほど、力が入ってしまうものですよね。ゆにばーすの川瀬名人さんも、巨人師匠に力入っているね、と言われていました。しかし、それだけ命をかけて、本気で挑んでいるんですよ。
ネタの内容については、評価がわかれたり、好き嫌いがあったりと、人によって様々な意見があると思います。
それをワイワイ語るのは、もちろん自由。気楽に見られて、笑えたら最高ですもんね。でも、漫才を一度もやってみたことない人が、辛口の評価をバンバン口にするのはちょっと違うのではないかと思うのです。
私は決勝の舞台であれだけのパフォーマンスをやりきる彼らの胆力に拍手と称賛を贈りたい。
自己研鑽して、追い込んで、Mー1のことだけを考えて頑張った1年。
まずは、お疲れ様でした。そして、熱い笑いをありがとう。
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