「人材開発」を一言で考えると(3/3)
もはや、「一言」ではなくなっていますが、同テーマ3つめの投稿になります。
本テーマ(1/3)の記事で、人材開発を一言で考えると、一つは、『パフォーマンスの最
大化』もう一つは、『課題解決』だと書きました。
今日は、人材開発と課題解決に関して考えたいと思います。
なぜ、人材開発が、『課題解決』と書いたか、ですが、結論からおはなしすると、課題解決と人材開発の手法が同じだと感じるからです。
課題解決とは、「あるべき姿」と「現状」を言語化し、その差分を埋める行為ですが、人材開発も同様です。
例えばある個人の育成を考える時、まず行うのは、ゴール(あるべき姿)の言語化、または、その人の現役割や能力(現状)の言語化です。
その時、少しだけ無理をした(ストレッチした)「あるべき姿」を言語化/設定し、それをどう達成するか(つまり、どう差分を埋めるか)に関して、具体的なアクションまで落とし込み実践する。そのプロセスの繰り返しで人は成長します。
そして、このプロセスを当人独力で成立する事は難しいと思います。なぜなら、人は周囲の力を借りて始めて、自分のあるべき姿や現状を客観視出来るからです。
その意味で、普段当人を見ている組織上長の役割は重要です。
組織上長各位は、目標設定などのタイミングで、ぜひ、ここに部下との対話時間を担保して頂きたいです。
人事制度としてはMBOやOKRをイメージして頂くとわかりやすいかと思いますが、ここまで書いた通り、課題解決と人材開発は、同じプロセスを辿ります。
組織における課題解決や組織貢献は、全て社員の成長に直結するのですが、案外、そこの意識が欠けがち、もう少し踏み込むと、それらが同義であることを上長と当人が認識し、合意しながら職業生活を過ごしている例は、案外、多くないのではないでしょうか?
この話を突き詰めると、事業(組織としての目標を達成すること)と、組織(社員のパフォーマンスを最大化し、成長を促し、キャリアの一助にもすること)の両面が、統合できるのではないと感じます。
ここまで書いた育成プロセスを実践する際にまず出会う壁は、そもそも、あるべき姿と現状、そして、差分を埋めることの言語化が難しいということです。日々、組織上長やメンバー各位の支援をする中で、本当にこれらの言語化は難しいと感じます。
いわゆる昔ながらの受験ビジネスであれば、(それが模試に参加する母数の相対であるとは言え)『偏差値』という数値で出ますので、理解しやすいです。
※「昔ながら」と表現したのは、スクールビジネスは変化を繰り返し、もはや、偏差値という定量数値だけでは価値は計れなくなっていると感じるからです
さて、組織における人材開発に話を戻しますが、その場は、複雑性が高く、また、数値だけで判断できない環境も多々あります。
では、その難しさや複雑さをどう克服するのか?
そのヒントは、上位計画の明確化、上長とメンバーの相互理解、対話量の担保辺りにある気がしますが、また、別の機会に考えたいと思います。