Masa

組織開発や人材開発に関する日々の雑感を不定期で投稿しています。大学の研究員▶︎スクールビジネス▶︎人材開発と人事制度のコンサルタントを経て、事業会社で組織開発の仕事をしています。

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組織開発や人材開発に関する日々の雑感を不定期で投稿しています。大学の研究員▶︎スクールビジネス▶︎人材開発と人事制度のコンサルタントを経て、事業会社で組織開発の仕事をしています。

最近の記事

動物行動学と組織開発

先日読んだ書籍に、動物行動学に関する記述がありました。 ・動物行動学を確立したニコ・ティンバーゲン ・動物の関係性を理解するために、4つの疑問を提唱 4つの疑問に関しては、(解釈や表現は諸説あると思いますが) 1解剖生理学(内部の機能がなぜ、どのように機能するのか) 2発達学(どんなプロセスで生物が生み出されるのか) 3系統学(どんな歴史的経緯を辿って、進化してきたのか) 4行動生態学(生態系の中で、生物がどんな関係性を持っているか) とのこと。 上記の疑問が組織を分解し

    • 組織における問題発見のススメ

      先日、遅ればせながらではありますが、『ニュータイプの時代』を拝読しました。 書籍の中に、今の時代「問題が希少になる」という記載があり、とても印象に残っています。 組織開発や人材開発に取り組む中で、問題の解決よりも、問題を発見する事の難しさに直面する機会が多く、問題を発見する事が組織支援の重要な要素だと感じます。 そこで、組織開発における問題発見に関して、感じるところを書いてみようと思います。 ※組織開発、人材育成など細かい区分はあまり意識せず、組織を支援する上での問題発見とい

      • 組織開発者の大事な条件5つ

        日々、組織開発にかかわる中で、何が、組織開発者として大事かを考えます。 色々な考え方があると思いますが、自分なりに大事にしている事は5つかな、と思っていて、日々、そんな仕事ができているかどうか自問しています。 概念的な話も含みますが、自分なりの5つをまとめると以下の通りです。 1.目的思考からブレない。目的は常に社員の幸福とパフォーマンス最大化の両立 ※事業と組織を構造的に見てwork/driveさせる事が第一とは思いつつ、人材育成からキャリアに入っているので、個への貢献か

        • 答えが出ない時の4つの理由

          課題解決や有効な打ち手を考える時、どうしても自分なりの答えが出ない時があります。 そんな時、なぜ答えが出ないのかを考えてみました。 過去、人から教わったり、書籍や経験から学んだり、きっかけは色々ですが、大体、以下の4つが理由だと思い、つらつら書きます。 1.インプットが足りない ・研修会社にいた頃、上司から受けた印象に残っているフィードバックです ・アウトプットを出せず悩んでいる時、それはインプットが足りないからだ、と言われました ・もちろん、それだけではないケースもありま

          人材開発をWhyから考える落とし穴

          先日、石川善樹さんの「問い続ける力」という書籍を読みました。 ものすごく面白く読ませて頂いたのですが、そこに『科学者はあまりwhyという形式で考えない』という話があり、その内容が人材開発にも当てはめられるものでしたので、少し書いてみたいと思います。 科学者があまりWhyから考えないという話に関して、要点をまとめると以下の通りです。 ・科学者は、Why(なぜ)ではなく、How(いかにして)で思考を始めることが多い ・その理由は、Whyという問いかけは宗教に特有な形式で、科学は

          人材開発をWhyから考える落とし穴

          組織開発/人材開発に取り組む際の3つの視点

          組織開発/人材開発を取り組む際、どのように組織状況を把握し、課題や打ち手を設定するかに関して、自分なりの「入り方」を3つの視点でまとめました。 ①組織を構造的に理解する 事業推進と組織運営において、各部署や人、つまり、「ハコ」と「ヒト」の構造を理解する また、各階層、部署、チーム、職掌、ステークホルダーが、どのような関係性であるか理解する ・業務上、どのようなつながりや、前/後行程になっており、どのような利害関係があるのか ・日常どのような情報共有、議論、対話の機会があるの

          組織開発/人材開発に取り組む際の3つの視点

          個人が成長するための一丁目一番地2/2

          ※前回記事の続きです※ 前回の記事で、人が成長する第一歩は自己認識だと書きました。 そして、人が適切な自己認識を持つために必要なことは、『信頼出来る他者』と『日々の対話とフィードバック』が必要不可欠というところまでで記事を終えました。 今日はその続きを考えてみたいと思います。 なぜ、上記の二つが成長の第一歩である自己認識を行う上で、重要なのでしょうか。 まず、ここでの自己認識を「自己を客観視して、これまで認識してなかった自己に気づく」ことだと考えると、それは「他者とのコミ

          個人が成長するための一丁目一番地2/2

          個人が成長するための一丁目一番地1/2

          個人が成長するための第一歩(一丁目一番地)は何でしょうか? 結論から考えると、成長する当人が適切な「自己認識」を持つということだと思います。 ここでの『適切』な自己認識とは、その当人の現パフォーマンス(出来ることや保有する技術/知識の総量)が、何かを達成するために不足している、または、現状を維持するだけだと、周囲の期待や環境に対応できなくなる、ということを、当人が認知することです。 これは、組織における人材開発に限らず、個人が人生において成長する全ての機会に言えることでは

          個人が成長するための一丁目一番地1/2

          組織マネジャー支援5つのポイント

          日々、組織マネジャー支援をする中で、その難易度の高さを実感します。 今回、自分なりに考えるマネジャー支援のゴール、マネジャー支援の難易度が高い要因、これまでの試行錯誤の中で重要(または響いた)と感じた5つのポイントをまとめてみました。 1.マネジャー支援のゴール マネジャー支援のゴールは、その対象組織/チームのパフォーマンスが最大化している状態の実現です。そのために、重要なことは3つだと考えています ①メンバー/上司間、メンバー間が何でも話せる状態にある関係性や環境の構築

          組織マネジャー支援5つのポイント

          「人材開発」を一言で考えると(3/3)

          もはや、「一言」ではなくなっていますが、同テーマ3つめの投稿になります。 本テーマ(1/3)の記事で、人材開発を一言で考えると、一つは、『パフォーマンスの最 大化』もう一つは、『課題解決』だと書きました。 今日は、人材開発と課題解決に関して考えたいと思います。  なぜ、人材開発が、『課題解決』と書いたか、ですが、結論からおはなしすると、課題解決と人材開発の手法が同じだと感じるからです。  課題解決とは、「あるべき姿」と「現状」を言語化し、その差分を埋める行為ですが、人

          「人材開発」を一言で考えると(3/3)

          「人材開発」を一言で考えると?(2/3)

          前回の記事で、人材開発を一言で考えると、一つは、『パフォーマンスの最大化』もう一つは、『課題解決』だと書きました。 そして、人材開発に携わる上で、常に「この人に求められているパフォーマンスは何でだろうか?」と考える、思考の条件反射が重要とお話しました。今日は、そのパフォーマンスの最大化について、もう少し考えていきたいと思います。 ※もはや、タイトルの「一言で」になっていませんが、、  パフォーマンスの最大化。。。ものすごく、抽象度が高い言葉です。これだけで終わると、『いや

          「人材開発」を一言で考えると?(2/3)

          「人材開発」を一言で考えると?(1/3)

          ※Hatena Blogから移管しました ----------------------------------------------------------- 十数年、広義での人材育成の仕事に携わっています。 初回は、「人材開発」という言葉が持つ意味に関して考えてみたいと思います。 仕事がら、人材を開発するということは何か?と日々考えます。 「人材開発とは?」という問いに対して、出来るだけ完結に答えるとすると、自分の頭に浮かぶ定義は二つあります。 一つは、『パフォーマ

          「人材開発」を一言で考えると?(1/3)