「人材開発」を一言で考えると?(2/3)
前回の記事で、人材開発を一言で考えると、一つは、『パフォーマンスの最大化』もう一つは、『課題解決』だと書きました。
そして、人材開発に携わる上で、常に「この人に求められているパフォーマンスは何でだろうか?」と考える、思考の条件反射が重要とお話しました。今日は、そのパフォーマンスの最大化について、もう少し考えていきたいと思います。
※もはや、タイトルの「一言で」になっていませんが、、
パフォーマンスの最大化。。。ものすごく、抽象度が高い言葉です。これだけで終わると、『いや、それはそうなんだけどさ、、』ってなりますよね。
自らへの再学習の意味もふまえ、日々、組織の人材開発を考える中で、自分が、ある個人へのアプローチを考える時、どんな順序で考え、言語化しているかを振り返りました。
組織の、ある個人への育成アプローチを考える時、まず、パフォーマンスを3つの軸で考えていると思います。
①その人に求められる数値化できる成果は何か?:数値への貢献
②その人に求められるアウトプットや成果物は何か?物事への貢献
③その人の影響で、誰のどんな行動変化に寄与すれば良いのか?:人への貢献
その「ある個人」が組織マネジャーの場合は、①と③が主になるでしょうか。その上で、上記の①②③を実現するために
A.その「ある個人」は、どんな行動習慣を身につければ良いのか?
B.どんな、技術、知識を身につければ良いのか?
C.思考、価値観を醸成すれば良いのか?
D.当人へのどんな機会提供があれば良いのか?
E.当人へのどんな周囲からの関わりがあれば良いのか?
を考えます。この時、C.は実際、あまり重要視しません。
人材開発の世界でよく言われるように、人の性格や価値観は直接変えることはできず、行動習慣を実践した結果でしか変化しないからです。
(よく、「こういうスタンスを醸成したい」とオーダーを頂きますが、その時は、まず、「スタンスは直接変えられませんので、行動を変えませんか?」と提案します)
逆に重要視するのは、A.はもちろんですが、D.とE.です。
人は機会(経験)を通してしか成長せず、更にそれを独力で行うことが難しく、他者の関わりが必須だからです。
いわゆるスポットの集合研修をデザインする際、A.は前提としても、B.やC.にフォーカスしてしまうことがあるのではないでしょうか?
※それはそれで価値があるとは思いつつ、やはりパフォーマンスの最大化を考えると、やや遠回りな気はします
スポットの集合研修に限らず、あらゆる育成施策において、A.からE.までを検討しデザインする事で、そしてそれを取り組むことに組織のステークホルダーの共感を得る事で、より効果効率の高いアプローチになると感じます。