見出し画像

【M子の夫からの視点】結婚6年目に、妻に「血の付いたナプキン」を見せてもらった(アンサーノート)

(うわぁ、すげえ血・・・)

期待していた方には申し訳ないが、ただ見たままを述べるような、赤ちゃんレベルの視覚的感想が最初に浮かんだ言葉だ。

**********************************************************************************

このnoteアカウントの主「M子」の夫です。今日は、

↓ ↓ こちらの妻のnoteへのアンサーノートです ↓ ↓


**********************************************************************************

その日はたまたま、私も妻も在宅で仕事をしていた。
私はパソコンに向かって集中して仕事をしていたため、妻がトイレに立ったことも気づいていなかった。
突然、玄関/トイレの方向から、私に向かって声がかけられた。

妻「ねえねえ、『生理初日に出る生理の血の量』、見たい?」

私「え・・・」

妻からの予想外の声かけに、思わず顔を上げた。
これまでの人生で、初めて聞かれた質問だ。
妻の意図はなんだろう。
ふと、先日妻が見せてくれた、夫婦関係についてのアンケート調査結果のWebサイト(夫婦関係調査)が頭に浮かんだ。
その中には「妻は話を聞いてくれることに喜びを感じる」という結果があったことを思い出したのだ。
もしかして、生理の実情を見せて、そして自分の話を聞いてほしいのだろうか?

私「えっと・・・見てほしいという話?」

妻「いや、特にそういうわけではないけど、見たいかと思って」

なるほど。妻が言いたいのは、『生理初日に出る生理の血の量』を見てほしいという要望ではなく、私が見たいなら見せてあげようか、という、妻の心遣い(?)からの提案であるということか。
それがわかったので、今度は、私自身が「見たいのか?」それとも「見たくないのか?」という、自分の気持ちへの問いかけに切り替わった。

単なる「血」であれば、見たいとは全く思わない。血を見る趣味はない。
ただ、「妻の」という意味では、見たい。知りたい。
そして、男性社会ではタブーワードとなっている「生理」という現象を、妻から直接的に見せてもらえる、またとない機会だ。好奇心のメーターがあがった。

そういえば、妻はトイレの中で何をきっかけに『見せよう』と思ったのだろうか。
「生理1日目」の血の量は、そんなにすごいのか。
そんなすごいもの、見てもいいのか。
果たして、私は「妻の」とはいえ、「生理の血」を見たいのか。

未知なるものとの遭遇を前に、私の頭の中で次々と疑問が湧いてくる。
それを解決するには、やはり自分の目で見て確かめるしかない。
全ての答えは、トイレの中にあるようだ。

結局、怖さと好奇心が私の中で格闘した結果、好奇心が勝ったので、見ることにした。はっきり言って、その時の私は、かなり混乱した状態であったし、心臓は妻に聞こえるのではないか、と思うほど、早く動いていた。しかし、好奇心が私に

「見る」

と言わせた。

リビングルームから、トイレの方へ向かって、廊下を二人で進む。
妻が先導しているのか、私が少し尻込みしているのか、妻が数歩前に立って歩みを進めていく。

ドアの前、いざ妻が扉を開けんとする直前、

ちょっと待て。

まだ私の心の準備ができていない・・・!
人間、迫った状況になって初めて、より具体的に想像が働くのだろう。

「ちょ、ちょっと待て・・・!」

私は、扉を開こうとしている妻を制止して、
次に起こる事象の情報エントロピー(※)をできるだけ下げるように努めようと質問を重ねた。

(情報エントロピーを下げるってなんやねん、って妻に突っ込まれそうなのでざっくり書くと、要は可能性を知っておくことで情報を得た際の驚き量を減らそうということだ。
詳しくは、情報エントロピーでググってください。)

私「え、ちょっと待って。ちょっと、あの、えっと、前提条件の確認なんやけど・・・それってどういう状態?」

妻「え、ナプキンに血が付いている状態。」

私「え、トイレの中は?」

妻「え?トイレの中のは流しちゃった。」

私「あ、そうなんや、トイレの中を見るのかと思った。」

妻「トイレは流しちゃった。水と混じってるから、そっちの方が見るにはマシやと思うけど・・・やめとく?全然、強制的に見て欲しいわけじゃないねん・・・」

私「いや、そういうことか。なるほど。ちょっとどういう状態か全く想像できなくて。」

私はてっきり、トイレの中に血が排出されているのだと思っていた。
そしてその血は、サラサラの血液なのか、ゼラチンを混ぜたようなジェル状なのか、はたまた、血の塊が沈んでいるのか・・・私の頭を支配するのは、液体・半固体・個体の血のイメージが、三種。しかし、聞いてみると、自分の見立てとは全く違う答えが返ってきた。聞いておいてよかった。
これで情報エントロピーはだいぶ下がった。(はず)

「よし、行こう」

私は意を決して声を出し、妻が扉を開ける。
扉を開けてすぐのところで、血の付いたナプキンを妻が見せてくれた。

・・・・・・。

・・・・。

うわぁ。


すげえ・・・・血・・・。

(申し訳ない。最初にお話したように、幼稚な感想しか出てこなかった。

但し、数秒後、また脳の混乱が始まる。)

待てよ、これが体から出てくるのか?
しかも毎月出るのか?
これって、血を失いすぎじゃないか?
私が、健康診断の採血で取られる時の血の量よりも、多いんじゃないか?

エントロピーが下がったなんてのは、幻想だった。
男と女で決定的に体の構造が異なることを、現実的に突きつけられた。
いや、もちろん男女が違うのは当たり前なのだが、女性の日常が男性の日常とあまりにも異なることを想像してしまえたのだ。
自分は、普段、妻のことを理解している、と思っていた。例えば、海外に住みたいと思っている、とか、仕事は嫌いじゃないが本当は息子ともっと過ごしたいと思っている、とか、好きな食べ物は3ヶ月に一度程度変わることとか。そして、生理がつらい、ということもわかっていた。私は、結構妻について知っている、と思っていた。妻がナプキンを見せてくれるまでは。

でも、「血」を見たとき、妻の生活の現実は、何も知らず、実は、妻の多くを理解していなかったのだと思い知らされた。毎月毎月、あれだけ血を当たり前のように失いながら、生活しているのだ、ということは、わかっているつもりで、まったく想像ができていなかった。
無知の知。

「やっぱり、女性って大変なんやな・・・」

少しだけだが、妻のことを知ることができた日だった。いや、知ることができた、と思っているのが、また無知の知なのかもしれないが。

**********************************************************************************

ここからは、後日の感想も含めて、話そう。
生理やセックスについて、男性から女性に話をするのは、一般的にはタブーだと思っていた。
そしてそれは、パートナーである妻に対しても、タブーだろうとごく当たり前のようにとらえていた。
むしろ、妻に嫌われたくないがために、より一層、話題にはしないようにしていた。自分から話題にしたことは6年目にして…皆無、かもしれない。

だけど。

妻は、特別だ。
世の中の一般的な『女性』とは違う。
だから、生理だったりセックスだったり、勝手にタブー視せずに、妻に尋ねてみれば、話し合って、相手を知る機会を作れるものなのかもしれないぞ、ということが、今回の自分の結論である。

つまり、これを読んでくださっている方にお伝えできるとすれば、「本当に大切なパートナー」であれば、「一般的にはタブー」であることも、「二人の間ではタブーでない(かもしれない)」ということだ。タブーであるというのは、あなたの思い込みなのではないか、お互い「知ってほしい」「知りたい」ことがあるのだとすれば、もちろん、言葉を選びながら、優しく、「知ってほしい」「知りたい」ということを伝えてみてもいいかもしれない。


今回の私のケースでは、タブーの境界を妻の方から超えてきてくれた。
とても感謝している。


最後に。夫である私は、妻の生理1日目のナプキンを見れて良かったのかどうか?問題について答える。

結論、とても良かった。
なぜなら、今まで、妻がイライラしている姿や、しんどそうな姿を見かけた時、ガッカリしていた。でも、今後は、ガッカリしてしまう前に、彼女の日常が自分とは違うことを想像し、イライラやしんどさを受け止め、優しくなれるかもしれないからだ。
それは妻にとっても私にとっても幸せなことだと思う。
相手の気持ちを想像できるって、本当に幸せなことだなぁ。

**********************************************************************************

私の妻、M子へ

お互いを理解する、最初のきっかけを与えてくれて、ありがとう。
自分から聞くのは、とても勇気がいることだったと思う。
これからも少しづつ、いろんな話ができるといいな。

いつもありがとうね。

**********************************************************************************

▼そんな私が作った「ふたりが仲良くなれるスタンプ(男女兼用)」はコチラ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?