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qutakuta
短歌|岡野大嗣
ハグ
借りたままの古いゲームのサントラと貸したままのそのカセットのこと
カラオケの機械に歌詞をながめてるだけの時間をわりと恋しい
今日持ってこなくてもいいお土産をありがとう いま食べちゃいますか
残念ながら次が最後の曲ですと残念をみんなで抱きしめる
遠い人が幸せになるその流れで自作の顔文字をほめられる
赤がすき ライブ帰りに来た道を雑にたどって待つ信号の
ポケットにしまったドリンクチケットを忘れてた 夏みたいな汗だ
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