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「まなびとデザイン」に参加してきた

先日、Compass社Classi社という日本のEdtechを牽引する2社で企画されたイベントが開催されました。私もこの4月からEdtech領域にお世話になるということで、インプットと交流を目的に参加してきました。

会自体は登壇者のプレゼン+ワークショップのセットが2つ。参加者もそれほど多くなくコンパクトでカジュアルな、とても居心地の良い「ちょうど良い」雰囲気でした。

サービスデザインとかカスタマーサクセスのような「機能」においては勉強会やイベントが盛り上がっているのですが、今回のような業界バーティカル(教育)と「機能(デザイン)」を掛け合わせたコミュニティはなかなか聞きません。

機能のお話だけだと目の前の仕事に適用するには少し翻訳が必要です。業界が違うと、うまく理解できないこともあります。しかし今回のような掛け合わせは、納得度や共感度が高く密度の高い会になるので、とても貴重ではないでしょうか。

私自身も、これからの仕事に直接役立つインプットや考え方に気づくことができました。イベントの流れやプレゼンの内容は(おそらく)開催側から公開される情報にゆずり、こちらでは私個人のまなびをまとめてみます。

Learner Experience Design (LXD) の根底は「個性の尊重」

LXDという考え方があります。User Experience Design (UXD) をもじったものだと思うのですが、Edtech においてはユーザーは「まなぶ人」であり、多くのケースでは子供たちになります。彼ら彼女らを中心に設計するLXDにおいて、その核にあるものは「個性の尊重」にあると感じました。これは他領域におけるデザインとは一線を画する大きな違いです。

本イベントにおいて、大人の目標・ゴールへの効率的なアプローチと比べ、子供の発見や学習を好む特徴を上手くついたデザイン事例が紹介されていました。細かくフィードバックを与えたり、重厚なチュートリアルではなく失敗の後のヘルプでフォローする方法だったり。

これら全ては答えを教えるのではなく、子供たちのやり方で発見をしてもらうことへの工夫のように感じます。

掛け算の順番問題のような話題を最近よく耳にしますが、これはLXDからみると反対のやり方ではないでしょうか。他にも、対面一斉授業などこれまでのやり方は、LXDに適さないが面が多々ありそうです。もちろん学校の先生方含め教育の現場では工夫と努力が日々行われていると思います。そこへテクノロジーとデザインのチカラを加えることで、「個性の尊重」をこれまで以上に実現していくことが、我々のミッションになると感じました。

ユーザーは我々の数歩先を歩いている

以前アルバイト探しのアプリを担当していました。メインターゲットとなる若い子たちにユーザーテストをすると、多少ゴミゴミしていても一つの画面でたくさんの情報が見えるほうがいい、という意見をもらうことがありました。スクショを撮ってシェアする、のような使い方にもこの方が便利なようです。また、スマホのスクロール速度が速いがそれでも適切に情報を取捨選択できている、というケースにも多数遭遇します。

イベントにおいても、中学生対象のユーザーテストからの学びとして、アニメーションによる切り替えを待たずに次に進もうとする・視線を動かさず情報を把握する・タップを面倒に思う、のような実例が共有されました。

シーンの切り替えをスムーズな演出で認知させるインタラクション。余白でデザインされた読みやすい文章。次アクションを明確に示すボタンUI。これまでの情報設計やUIデザインにおけるデファクトスタンダード的方法が悪手になるケースもある。これほどに若い子たちにおけるデバイスの使い方は、想像以上に変化してきています。我々はこれまでの考え方を改めて見直す必要があります。

TikTokや荒野行動など、スマホの使い方に変化を促しているアプリやゲームがあります。それらに触れていくことが、数歩先を歩く子供たちにキャッチアップする方法の一つかもしれません。

我々、大人が好奇心を持ってまなんでいくというスタンス

最後はちょっと抽象度の高くエモい話になるのですが、変化の激しい今の流れにおいて「教育」に少しでも携わるには、我々がその変化を恐れずチャレンジしていく姿勢が必要だなと、強く感じました。

ワークショップの際に同じテープルの方々と「まなぶって何だろうね」という話になり、その際に「好奇心」というキーワードが出てきました。

小さい子供は自分の世界を好奇心で切り開いていきます。新しいことにチャレンジする時、例えそれが親に怒られるようなイタズラであっても、目をキラキラさせます。それは本能に近い能力だと思うのです。

我々も、子供たちや先生や学校に変化をもたらす者として、ユーザーと同じくらいの好奇心と熱量で挑む。そうすることでより良い共創環境を創り、より良い変化を起こしていきたいと思います。

さいごに

軽い気持ちで参加したのですが、なかなか考えさせられることが多く、高密度な時間でした。ワークショップを通じて、自分のやりたいことも棚卸し&言語化できたし。

デザインはEdtechにおいて、特に欠かせない大きな柱になります。ここまでユーザーの個性の尊重や共創関係が必要な領域はなかなか無いと思います。

まなびとデザイン。コミュニティとしてはまだ産まれたばかりかもしれませんが、もっとたくさんの方の実践や知見を必要としています。私も引き続き参画&貢献をしていきたいと思います。


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