ニコラス・カルペパーの窓|marship《1》|石の中に夢見る
かつて、繰り返し見ていた夢がありました。
旅をしています。
雪煙の立ちこめる、林の中の道を、馬で進んでおりました。
銀鼠の空を背に、重たく垂れる冬木の枝。
あるいは、白く霞む遠くの常緑樹。
そんな風景がどこまでも続きます。
遠い異国のような、けれど不思議に懐かしいような、気がいたしました。
覚えているのはそれだけ。
どこから来て、どこへ向かうところなのか――夢から醒めたあとでは、どうしても思い出せません。
一人であったのか、それとも誰かが共にいたのか