ニコラス・カルペパーの窓|合田ノブヨ|記憶の咲く庭
初めてノブヨさんの庭を訪れたのは、少し前のことだった。あるいはもっとずっと昔、夢のなかでのことだったかもしれない。私はこの場所を知っている気がする。生まれるより古くから。
いつか去ってしまったのが不思議なくらいだ。きっと私は、かつてここに暮らしていたに違いない。薔薇のアーチも、絡まる蔦も、さえずる鳥もすべてが懐かしい。もしかしたら、いつかみんながここにいたのかもしれない。
いったいノブヨさんはどうやって、この場所をずっと忘れずにいられるんだろう。
あの人に会うの