「対岸の彼女」を読んで
誰かと親密になると、それを失ったとき、自分の中に残る空洞が怖いから、人との深い関係を避ける。
人を受け入れられないし、自分の身も委ねられない。
心の親密さを自覚しないように努め、一線を引いた上で一律に人に接する。
人を見ようとしない。
自分の気持ちに鈍感になる。
たとえ失っても、その穴を他の誰かでも埋められるように。
そんな関係性の作り方、距離のとり方の虚しさを突かれて、ヒヤリとさせられた。
関係性の消費は、楽な部分もあるけど、寂しい。
大事なことは、そこには何もない。
人と出会うことは空洞を作ることである。
その空洞は消えずに存在し続け、時に自分に陰を落とすが、新しいことを始めるエネルギーにもなる、のか。
それにしても、葵、強いな。
しっかりと人を視る強さを持つ小夜子も、すごいな。
人と出会うこと、こわいけれど、この本読んだから、たぶん、だいじょうぶ。
徒然書きだけど、
書かないよりは書いたほうがいい
読んだ後の気持ちを残したかったので