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あなたは誰ですか?〜ののさま&まんまんちゃん〜

九條です。

私は小学校へ上がる前は、仏教系の幼稚園へ通っていました。ウチの近くまで黄色いスクールバスが迎えに来てくれて、それに乗って登園していました。

毎朝、登園時間が終わると園児たちは全員園舎内のホールに集まって、合掌しながら次のような歌を合唱していました(合掌&合唱)。^_^

【ののさまのうた(ののさまに)】
ののさまに〜
あげましょ、きれいな、お・は・な〜。
ののさまに〜
あげましょ、きれいな、お・み・ず〜。

いっぽう、ちょうどその頃(ですから私が幼稚園児の頃)、祖母はよく私に、

お菓子食べてもええよってに、まんまんちゃんに「あん」しておいで。

と言っていました。

はて…。

◎幼稚園に居た「ののさま」とはいったい何者なのか?
◎ウチに居た「まんまんちゃん」はいったい誰なのか?

この二人は同一人物なのか、それともファミリーなのか?

とある組織のボスがののさまで、その手下がまんまんちゃん?(ののさま=敬称は「さま」/まんまんちゃん=敬称は「ちゃん」だから)。

いったい、どのようなシステムになっているのか?


長じてから調べてみますと…

◎ののさま=漠然と「仏さま」という概念。
※観音菩薩や地蔵菩薩などをイメージさせる言葉か(起源不明の幼児言葉)。

◎まんまんちゃん=漠然と「仏さま」という概念。
※南無阿弥陀仏が訛ったもの([正規]南無阿弥陀仏→[転訛]なんまんだぶ→[幼児語]まんまんちゃん)という説が有力。

◎ちなみに「あん」というのは「あなたっとし」の省略形だとも言われていて(合掌しながら)この「あん」と同時に頭を垂れる習慣がある。

ということが分かりました。ですから幼稚園のときのあの歌は、

仏さまに綺麗なお花をあげましょう。
仏さまに綺麗なお水をあげましょう。

という意味であり、また私の祖母が言っていた言葉の意味は、

お仏壇の仏さま(ご本尊)にお供えしてあるお菓子を食べてもいいから、お仏壇のところへ行って合掌して拝んでからお菓子を下げて来なさい。

という意味だったのですね。

なお、私が小さい頃ウチにあったお仏壇のご本尊は阿弥陀さまではなくて観音さまでした。

皆さまは小さい頃、仏さまのことをどのように呼んでおられましたでしょうか?

「ののさま」でしょうか「まんまんちゃん」でしょうか、それとも別の言葉?

幼児語にも地域性や世代による違いがあるとすれば興味深いですね。歴史学というよりも民俗学的なテーマですが。^^;


©2024 九條正博(Masahiro Kujoh)
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