12のアーキタイプ解説シリーズ第4回:援助者(ケアギバー) - 愛と成長の狭間で
みなさん、ごきげんよう、M8小隊のT隊長です。
今回は、先日配信したライブの内容を分かりやすく纏めたものをお届けします。まだ動画をご覧になっていない方は、以下のリンクからチェックしてみてくださいね。
さて、英雄の旅 - 12のアーキタイプの戦士アーキタイプの話の続きとして、今回は「援助者(ケアギバー)アーキタイプ」について掘り下げていきたいと思います。
戦士というのは、孤児から戦士に移行するので、まずは自分自身で戦うと言うステップを経験し、レベルが上がっていくと、周りの人や社会など大義のために戦うようになる。つまり援助者に近づいている状況と言えます。
その中で勝利が全てではないと悟ると援助者へのステップですね。
「勝つこと」から「変化をもたらすこと」に考えがシフトする感じですね。
1. 援助者アーキタイプとは?
援助者アーキタイプは、他者のケアや支援を大切にする傾向を持つ人格の原型です。保育士や教師、看護師、カウンセラーなどがそのイメージにピッタリですね。
もっと身近な例で言うと、深夜に友達から「今日、彼氏(彼女)と別れちゃった...」というLINEが来た時、すぐに「今からそっちに行くよ!」と飛び出していく人、それが援助者アーキタイプの特徴を持つ人かもしれません。
まあ、友人が恋人に振られた程度では、そんなことしないって人でも、恋人が悩みを抱えていたり、息子や娘が悩んでいたなど事例を変えれば何かしら思い当たる事はあると思います。
2. 援助者の成長レベル
援助者アーキタイプにも成長のステージがあります。
レベル1(初期段階):
自分の欲求と他人の欲求の間で葛藤する
他人のために自分を犠牲にしがち
レベル2(成長段階):
他人を気遣いながら自身も豊かにすることを学ぶ
愛の鞭の使い方を習得する
レベル3(高度な段階):
身内以外の人々にも慈しみを持つ
コミュニティ全体の責任を担う意欲を持つ
3. 援助者のシャドウ(影)
援助者アーキタイプにも「シャドウ」と呼ばれる影の部分があります。これは成長レベルに関わらず存在し、特定の状況で顕在化する可能性があります。
過度の自己犠牲的行動
他者への過剰な支配欲
罪悪感を抱かせたり、自責の念を煽ったりする行為
イネーブリング(他人の依存症や無責任な態度を助長する行為)
面白いことに、このシャドウは成長のための重要な要素でもあります。シャドウとの対峙を通じて、自己理解を深め、より高いレベルの援助者へと成長していくのです。
4. シャドウと成長レベルの関係
動画の途中で、援助者(他人のために尽くす人)は「やってあげたのに」と上から目線という意見がありました。これが正しくシャドウの状態だと思います。
このシャドウは、レベルが低い時ほど頻繁に現れる傾向があります。
これは、自己認識の不足や経験の浅さが原因です。人を助ければ感謝され自分自身も良くなれると信じているのですが、それが上手くいかないと認めて欲しくなり自己顕示欲や支配欲がでてくるので、「やってあげてる」と上から目線になったりします。
当然、シャドウを頻繁に出していると、周りの人は離れて行くので上手くいかない状況になります。
一方で高レベルの援助者は、過去のその様な体験をしているので、シャドウの存在を十分に認識し、これは良くない兆候だと認知できるので、うまく管理できるようになっています。
ただし、高レベルの援助者でもシャドウが完全になくなるわけではありません。管理ができているだけで無くなってる訳ではありません。
5. 自己ケアの重要性
援助者アーキタイプの人々にとって、自己ケアは特に重要です。他人のために尽くすことに熱中するあまり、自分自身を見失わないよう注意が必要です。自分自身にも尽くす必要があります。
6. エクササイズ:援助者の自己理解を深める
最後に、簡単なエクササイズをご紹介します。
あなたが他人を助けようとして限界を感じた場面を思い浮かべてください。
その時、あなたは「ノー」と言えましたか?それとも無理をして助けようとしましたか?
次に、あなたが自分自身を慈しんでいる場面を想像してみてください。
他人にしているように、自分自身にも優しく接することができていますか?
このエクササイズを通じて、自分の援助の仕方や自己ケアの傾向について気づきがあるかもしれません。
援助者アーキタイプの究極の姿は、キリストやマザー・テレサのような存在だとも言われています。でも、私たち凡人にそこまで求めるのは酷というものです。「今日も隣人を愛そう」くらいの気持ちで十分だと思います。それすら難しい日もありますけどね(笑)。
さて、今回の内容はいかがでしたか?援助者アーキタイプについて、少しでもイメージが湧いていただけたでしょうか。次回は、また別のアーキタイプについてお話ししていきたいと思います。その時まで、みなさん、ごきげんよう!