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試合後にタオルを買って帰った日
2024年4月13日、青山学院記念館
心惹かれた瞬間を新鮮なうちにここに残しておく。
この日わたしはBリーグで1番好きなマスコット、サンディーに会いに青学へと向かった。本当にそれだけの動機でバスケを見に行った。
シーズン終盤の地区2位を争う対戦、負けたら順位に影響する当該ファンには重要な試合だったと思う。私は純粋な1人のBリーグファンとして、どちらにも肩入れせずこの試合を見守った。
前半渋谷は三河のディフェンスに苦戦し、点が取れずにいた。逆に三河は打てば入るし、止まらないという状況だった。
アウェイ側のサイドに座っていたわたしはここで1人の選手を目で追っていることに気がついた。そうみんなご存知、田中大貴だ。
とにかくすごい気迫のディフェンスだった、オフェンス側からの視点でディフェンスを見ることができる席だったのもあって、こんなの抜けないだろと思ってしまった。彼のすごいところはなぜかそれがスマートに見えるところ。常にコート全体を把握し、最適な動きを導き出してるなと直感でそんなふうに思った。
わたしの推しこと比江島慎のディフェンスもすごく好き、絶対に止めるんだって全身から出ていて一生懸命守るとこがいい。そこがかっこいい。
でもそれとは全く異なる感情を抱いた。
20点差がついて後半、今度は目の前で繰り出されるフローター、スリーポイントもちろん全てに魅了されたが、なぜかわたしのハイライトは彼が審判と話しているシーンだった。味方がオフェンスファウルを取られたシーンだったと思う、すぐさま近くの審判に駆け寄りまっすぐな目で冷静に感情を出さずにコミュニケーションを取っていた。なぜかそれがすごくかっこよかった。
勝負というものは人を熱くする、時に納得のいかない判定もある。いろんなチームの試合を見てきたがあんなにスマートに審判とコミュニケーションを取ってるプレーヤーをあまり見たことがなかった。
試合は白熱し、4Qついに渋谷は逆転した。盛り上がるホーム応援にわたしも思わずゴーサンロッカーズ!!と叫んでいた。シュートを決めても顔色変えずにすぐにディフェンスに戻っていく、常に冷静にプレーを続ける田中大貴という人間に本当に魅了された。
最後ブザーがなって勝利が決まった時だけ彼は小さくガッツポーズをした。ここで完全にわたしの心は落とされた。そしてすぐに仲間を讃え、喜びを分かち合った。それもスマートにね。
田中大貴についてはもちろん元から知っていた、あの比江島慎のライバルで富樫勇樹が好きと公言する人。やっぱりすごい人だった、でも想像よりも冷静ででも心には熱いものをもち、圧倒的なオーラを纏っている。沼ですね。
すぐに帰りにタオルを買った。もう今シーズンは行かないのに。この人のプレーをまた見にきたい、そう思ったから。だからこれは来シーズンまたくるねの約束の印。
わたしの1番応援したい、1番笑ってて欲しい人は今もこれからも比江島慎しかいないけど、この人のバスケをずっと見ていたいそう思わせてくれるのが田中大貴だった。
ここ何度かある2人のマッチアップのチャンスはどちらかの怪我やコンディション不良で叶わないままである。でもその前に田中大貴の魅力にも気づけたのはよかったかもしれない、だってマッチアップした時に何倍も楽しめる気がするから。(ほんとは早くみたいけど、マコの唯一のライバルだし)
また一つわたしの夢が増えた、この2人のマッチアップを生で見ること。早く叶うといいな、もちろん応援するのはまこだけど。
田中大貴というプレーヤーに魅入られた日のお話。