初めまして、現地
私のBリーグ初現地。天皇杯セミファイナル、宇都宮ブレックスvs千葉ジェッツの試合だった。場所はブレアリ。今思えばこのカードが初現地だったのは運命だったのかもしれない。
Bリーグに魅入られて2ヶ月と少し経った頃、ひしひしと現地観戦欲が沸いていた。チケットサイトを眺め、スケジュールと睨めっこしては一歩踏み出せずうじうじしていた。そして前日14日の夜、明日なら行けるかも、突然スケジュールに穴が空いた。その勢いで何もわからずチケットを取った。
(あの頃はまだチケットが取れたんですよ当日でも)
初めてのバスケ観戦が片道2時間半の宇都宮とは思い切ったことをしたと思う。でも今ではあの時の私に感謝している、ちょっとだけ背中を押してくれた職場の同期にもね。この試合が比江島慎とのはじめましてだったから。
何もわからないまま、1人乗り込んだブレアリ、グッズ売り場には今や私の参戦服である黄色のレプユニも大量に並んでいた、しかし黄色のグッズに見向きもせず富樫勇樹のタオルだけ買って席に着いた。選手たちはすでにアップを始めていた。近い、でかい、でかい、近い、ドキドキする。それもそのはず初めての席はコートサイド2列目だった。
試合が始まるとブレックスの応援に対抗するゴージェッツの声出し、わからないなりに真似して応援した。
はじめましてすぎて、興奮しすぎて、このプレーがすごかったとかの試合展開は一切覚えていない。試合としてはジェッツが自分たちのバスケを遂行し、無事に勝利した。
初めてのバスケ観戦はあまりにもでかい選手たちの生の迫力や画面の中の人がリアルに見れている興奮、ファンブースターの熱狂、全てが新鮮で輝いて見えた。あっという間に時間が過ぎた。
試合終了のブザーがなると、ジェッツブースターが歓喜に沸く中、相手チームにすごく悔しそうにしてる選手がいた。1人うつむき、こちらが苦しくなるくらいに全身から悔しいが出ていた。試合中も自分がどうにかするんだと必死にプレーしていたエースの彼だった。俯く彼がなぜかすごく気になった。
私は初観戦で応援しているジェッツが勝ったこと、何よりもバスケ観戦というものが楽しくて、そのまま1人帰路に着いた。とにかく余韻がすごかった。一夜にして完全にBリーグの沼に落ちたと思った。初めてのアリーナ体験は本当に全てが輝いていてみえた。
初観戦がブレアリだったからそうみえたのかもしれない。ブレックスアンセムから選手入場までのあの時間、今から始まるワクワクを最大限に引き出してくれる、まるで魔法みたいに。何回も通った今でも、毎回ワクワクできる大好きな瞬間。ブレアリは今でも私にとって特別なアリーナである。とにかくすごい体験をしてきたんだって、会う友達たちにしばらくバスケ観戦の魅力についてあほみたいに語った。みんな聞いてくれてありがとね。
あの時の俯くエースの姿が忘れられず、宇都宮ブレックスの応援に行くのはそれから間も無くのこと。
初めまして現地、今や私の1番応援する人との出会いは敵チームのエースだった話。