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"お待たせしました"

少し俯いて照れながら安堵の表情を浮かべたエースの姿を見た。

残念ながら現地にいることは叶わなかったが、それでも忘れられない試合になった。

2024.10.13
B.LEAGUE第2節滋賀戦
game2

パリオリンピックが終わって、あっという間にシーズンが始まった。集大成を終えたエースは休みもからがらに自分のホームチームに戻ってきた。プレに天皇杯と順調な滑り出しを見せた今年のブレックス。全員が継続し昨シーズン届かなかった優勝しか許されない、それ以外意味がないそんなシーズンが始まった。優勝へと向かうチームの気迫はファンを圧倒するほどだった。

そんな中、迎えた開幕戦。相手は昨シーズンCSで敗れた相手だった。言い訳はしたくないので皆まで言わないが、2連敗からのスタートだった。エースは1本もスリー沈められず、本当に悔しくてたまらなかった。
(あの試合戦い切ったブレックスはかっこよかった、それだけは絶対に。私的には勝ってました。)


プレ、天皇杯、開幕戦となかなか思うような活躍をしきれなかったであろうエースの背中を私はただ応援したいと思った。私たちには計り知れない大きなものを背負った小さくて大きな背中。きっといつか比江島慎が勝たせる試合が来ると信じて。それしかできなかった。

もちろんシュートタッチが来なくても、ディフェンスでアシストでいろんな角度から貢献できる最強のプレーヤーだ。それでもスコアを求められる、エースの宿命だ。

チームの勝利はもちろん嬉しい、チームが勝てればいい、きっと本人もそういうけれど、私は比江島慎が勝利に導く試合は特別嬉しい。他意はない。

この日も苦しい展開だった、どちらも流れを掴みきれずずるずると試合は進んだ。ワンプレーワンプレー叫んでいた記憶があるくらい。そこにヒーローは現れた。いや元からそこにはいたんだけど、久しぶりにボールをよこせモードのエースの姿を見た。これだ、私のヒーローきた!!!トドメとなった大きくステップしてからのスリーはまるでベネズエラ戦を彷彿とさせるシュートだった。
とにかく嬉しかった。ホームブレックスでエース比江島慎がみんなに祝福され笑っている、こんなに幸せな光景はない。みたかった、とにかく笑顔が見たかっただからそれだけで涙が出るくらい嬉しかった。

"待ってました"

ブレアリから遠く離れたiPadに映るエースに話しかけていた。中継映像はすこし歪んで見えた。34歳で更新するキャリアハイ、日本代表の集大成を終えたエースが叩き出したキャリアハイ。まだまだやれる、やってやるんだ、そんな風に受け取ってしまう。

"いつまでも追いかけられる存在でいて欲しい"

これは私の勝手な願い、だけど少しでもその力になれるように私も勝手に追いかけよう。いつだって背中を押しに行こう。一緒に戦いたい、背中を押さないと、応援したい、そんなふうに思わせる唯一無二の人。比江島慎が走り終えるその日まで、苦しい時も嬉しい時も1番背中を押したいと思う。そんな気持ちが強くなった特別な日だった。

改めて、おめでとう!そしてありがとう!
でもまだまだいけるよ!!!


すぐに感情が溢れすぎちゃうやかましいファンより

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