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88歳、大動脈瘤の摘出手術は結果的に丸だった。
たった5ヶ月前に88歳の母は大動脈の手術をしたばかりだった。
今回の摘出手術の5ヶ月前のこと
手法は、血液が大動脈の瘤のようになっている一部分をコルクのようなもので留めるとのこと。
年齢も加味すると、カテーテル手術でいけるし負担が無いからと言う説明だった。
5年前に、最初に破裂寸前の大動脈瘤が見つかり、そのとき「年齢が」、と言われて内視鏡で取り除くという手法で手術が行われた
しかし5年後にまた破裂寸前でみつかることになる。
この二回目のコルク留めの手術は、手術後にいろいろなアクシデントが起こり、このまま寝たきりになるだろうと家族の誰もが覚悟していた。
ただそのたった3か月後、彼女は奇跡のように回復に向かうことになる。
実は
母は誰もが認めるスーパーおばあちゃんで、趣味のボーリングでは190くらいのスコアを叩きだして、いつも優勝してしまったり
カラオケ喫茶を未だにやって
父が20年程前に亡くなってからも、何人もの男性に本気で言い寄られる色気も持ち合わせている。
前回の手術からの復活で、またボーリングにも行きだした矢先に、腹痛を感じ、診てもらったところ、例の大動脈瘤が、またまた破裂寸前だと
彼女は
「もう二度と手術はごめんだから、このまま破裂するまで生きることにする」
と決意のほどを高らかに宣言した
確かに、リハビリのは為に転院した病院ではベッドに縛りつけられたとか、オムツも替えて貰えないとかの苦痛を訴えられていたので
(病院はコロナで面会が一切禁止だったので、本当に酷い扱いだったかどうかは確認出来てはいないけど)
「本人が決めたことだし、あまり無理強いして、後でまた辛いことになったら可哀想だし」と逡巡していたところに、神の言葉が降りてきた
それはかかりつけ医の言葉だった
「貴方はそこら辺の老人とは違う。この大動脈瘤以外に何も悪いところは無いから大丈夫。
お腹に爆弾を抱えてこわごわ生きるのか、
さっさと取ってしまって残りの人生生きるのか、良く考えて」
そして彼女はこの言葉に勇気をもらい、摘出手術を選んだ
まだ手術して2週間しかたっていないけど、先日実に張りのある声で電話してきたのだ。
「歩く練習をしていて、もう少しで帰れると思うよ]
とのこと
この摘出手術は病院側からもかなり危ないと脅されていたけど、病院の方だってリスクがある手術に対して大丈夫なんて言える訳がないんだから仕方ない。
ただ一つ後悔しているのは、一番最初の手術の時
確かに83歳だったから年齢的には危なかったのかも知れないけど、切って取ってしまっていれば一回の手術で済んでいたのかも知れない
今回教訓を得たのは
切らない手術は簡単だし、回復も早いと思い込むのは少し違う。
老人と十把一絡げで考えるのでは無く、もっと良く考えてあげれば良かったかなと思う出来事だった。