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新卒1年目、ブラック企業によって病む。
希望を胸に入社した4月。
これからの未来に対する期待と無知から来るそんな明るい希望はわずか半年にして消えてなくなった。
現場研修の3ヶ月、これは僕に最後に残された精神的モラトリアムだった。
現場の上長は良識的な理想的な上司だった。
先輩も皆、優しく芯があり、人間的に強い人たちで一緒に働いていてすごく心強かった。
そんな束の間の3ヶ月が過ぎ、
7月から配属先へ異動となった。
ようやく本番なのかと、少し焦りながら、緊張しながら出社したことを覚えている。
精神的無間地獄はここから始まった。
挨拶、感謝、コミュニケーションの一切を捨て、仕事の進捗の速さと正確さのみを是とするそこはあまりにも窮屈で、1ヶ月経つ頃には出社することが億劫になっていた。
仕事量の増加は僕の成長を反映しないもので、毎月ありえない量の仕事が割り振られた。仕事と書類で身も心も押し潰された。
さらに辛いのはそんな仕事量にも関わらず残業させてもらえないことだった。外向けの情報として、残業時間が少ないことはとても魅力的だろう。が、実態を反映しない残業規制は働く身としては枷でしかなかった。
異動して3ヶ月目には1分も休憩に入ることも無く、ご飯も朝買ったおにぎり1つだけという残酷すぎる日もあった。
隣のデスクにいるOJTも、ほかの先輩もそれに気づいている。けれど彼ら彼女らもまた休憩なんてほとんど取っていないのだ。パソコンを眺めながら、キーボードを叩きながら、おにぎりを食べることを休憩と呼ぶのであれば、取っているのだろうが。
そんなある日、家に帰ってお風呂に入り、さぁ夕飯を食べようと思ったが、食事が喉を通らなかった。
翌日、OJTに連絡した。
何を持ってして仕事を増やしているのか。
何故コミュニケーションを取らないのか。
疑問をぶつけた。
と、同時に精神的にも身体的にもガタがきていて限界が近いことも伝えた。
数十分して戻ってきた返事には、上記2点の疑問に対する返答は一切なく、「無理をさせて申し訳ない、私も歴が長くないからどうしたらいいかわからない、考えてみる」というものだった。
僕のことを気遣って優しい言葉をかけてくれているのは伝わった。
けれど肝心の原因のいずれにも触れることなく、耳あたりの良い言葉だけを連ねたその返信は何かしら対策を講じるつもりのない最後通牒のように思えた。
恐らくOJTも被害者のうちの一人なのだろう。
劣悪な環境の中で、それが当たり前だと思うようになり、いつの間にかそれを押し付ける側になってしまっていた。
悪いのはそんな風土を作り出してしまった上の者たち、そしてそれを放置した上長、それ以上の者たちだ。
いや、もはやそれらの人たちも気付かぬうちにそんな風土に慣れてしまい、気づいていないだけかもしれない。
いずれにせよ、未来は無いと思った。
面接でハツラツと話していた頃の僕とはかけ離れた疲れきった顔で、今この文章を書いている。
年内には辞表を書いて、転職しようと思う。
気づくのが少し遅かったかもしれない。
想像以上にメンタルは削られてしまった。
少しずつ、再生に向けて頑張りたいところだが、
今しばらく休みたいというのが率直な今の気持ちだろうか。
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