神事と人事
神様にも手が出せない領域
伊弉諾のおじいちゃんは黄金桃で桃ガードはしてくれるし、色々とお話するといろんなことを感じさせてくれるけれど、ぶっちゃけ…こういうことは出来ない!って事はないの?
『ふぅむ、そうじゃのう。
今から話すことは、これだけ苦しんでいる人がいるのに神々はなぜ助けないのか?の一応の答えにもなるかのう。』
おお!
壮大な話になる感じ?
『どこからが壮大か分からんが(笑)
仕組みとしては至極簡単な話じゃ。
神は人が自ら人の理の中で生み出した仕組みの負の部分…つまり人が人の為に生み出した事柄の不条理・不公平・不自由…そういったものに手を出すのは難しい。』
それは…人間が生み出したものには生み出した人間そのものが向き合い、形を変えたり、失くしたり、足したりして対応するため?
『その通りじゃ。
神には神事が、人には人事がある。
人が神の領域で手を出すのが難しいように、神もまた、人が生み出した人の領域に手を出すのは難しいのじゃ。』
だから、神頼みするにも限界があるんだねぇ。
今や人が生んだ様々な仕組みやシステムが限界に来ているから、それは人が責任を持って取り組んで対応しなきゃいけないんだね。
神頼みではなくて。
『もちろん我々もこの世界に属する存在としてより良き方に流れるように関わるがな。
限度はある。
人は人事にはきちんと向き合い、対応せねばならん。』
もし不条理や苦しみを感じる人がいたら
じゃあ、もし不条理や苦しみを感じる人がいたら、ちゃんと自分の苦しみを理解するのも大切なんだね。
それが人の社会や社会の仕組みからもたらされた不条理や不公平・苦しみなら人の社会や仕組みを知って、自分から対応する必要も、またそれに人が対応していく必要もあるってことだね。
『その通りじゃ。
そこはごっちゃにしてはならんところだな。
自分に振りかける不条理や不公平の正体を見誤ってはならんのじゃ。』
見えない存在は見守って、ちゃんとサポートしたりしてくれるけれども、人は人の領域できちんと自分で対応して、動かないといけない。
『うむ。
どれだけ見守ろうと、手助けしようと肉体を持たない我らでは限界がある。
わしらに出来る計らいもあるが、お前さんたちに出来てわしらに出来んこともあるのじゃ。』
神と人の関係性も変わっていく。
『神事も人事も完全に分かたれているわけではなく、お互いに影響しあっておるからのぅ。
これから神と人の関係性も変わるじゃろうて。』
伊弉諾のおじいちゃんの言うとおり、今は新たな局面という感じで人も神様もこれからの関わり方を模索している感じだね。
『ずっと模索し続けてはきたのじゃ。
神と人はずっと共に歩んできた。
これからもそうじゃと思っておる。
だが、長い関わりの中で、関わりは変化し、今も変化し続けておる。』
おじいちゃんは人との関わりを不安に思うことはないの?
『わしはお前さんと人を信じておる。
人をずっと信じてきて、今でも、今からも信じておる。
これから先、どうなるかわしでも確信はない。
それでもお前さんといると明るい未来があると信じておるし、お前さんのような人がたくさんいると信じておるよ。』
伊弉諾のおじいちゃんは、人をずっとずっと信じて共にいる。