失敗や苦しみから生まれてくる「今」
失敗から生み出されるご利益もある!?
伊弉諾のおじいちゃんの家族の話を聞いていたら、神様も人も向き合うところは一緒なんだなーって感じたよ。
『神も人もそう変わらんよ。
向き合うところに向き合い、自分と同じ道を辿らぬようにサポートしたり、失敗したり苦心したり悩んだりする。』
自分と同じ道を辿らないようにのサポート…それがご利益になっている神様もいるよね!
『うむ。
ご利益が何になるかは大体が自分が失敗したり、苦しんだ経験があるからとか、元々そういうことが得意だったからとかじゃからな。』
神様でいうご利益が人でいう【才能】みたいになるのかもね。
『みな、どうしても元々自分が持っているものを探そうとするし、それも大事なことじゃがな。
それと同じくらいに失敗したり苦しんで四苦八苦した経験から生み出される才能というのも大事なのじゃ。』
苦しむのがよい訳ではないけれど、あまりにも問題から背を向けるのは得るものさえも手放すことになるんだねぇ。
もう取り戻せない。
『ものは受け取りようじゃがな、わしはもう取り戻せない・取り返しがつかないということに何かあるんじゃろうなと思う時がある。』
というと?
『そのまんまの意味じゃわい。
子育てもな、たった1回その時切りじゃ。
あとから必ずこうすればああすればは出てくるじゃろう。
子育てが終わってからも、自分の子育てに向き合う者もいるじゃろう。
その中に何かしらがあるんじゃないかと思うんじゃ。』
もう取り戻せない、ということ。
子育てに限らず何でもそうなんだけど、もう取り戻せないをどうするか?
『そこに個性というものも出るじゃろう。
子育てに限らずじゃのう。
わしも…前の奥さんとのことは取り返しがつかんわい。』
あぁ…イザナミさんとのことだね。
『掛け違いといえば掛け違いじゃがの。
わしはとにかくイザナミに会いたくてたまらんかったし、死の国の神に話をしに行くというのが心配でたまらんかった。』
で、見ちゃったと。
『…………見ちゃったのう。』
で、イザナミさんの姿を見て怖くなって逃げちゃったと。
『………………逃げちゃった、のう。』
イザナミさんからしたらそれは【とんでもない裏切り】だったのかもしれない、と。
『とんでもない裏切りだったじゃろ。
言うなればわしのためにも頑張って話をしておったのに、そのわしが約束を破って、事もあろうか逃げちゃったんじゃもん。』
フォロー出来ないよ、おじいちゃん!
『だからこそわしは言う!
一度だけの気の迷いや過ちはもう取り返しがつかん。
何事も自分がしたことは無かったことにはできん、とな。』
今の方がいい関係じゃ
今はどうなの?
そのイザナミさんとは。
『 距離は空いたし、離縁してすぐはお互いに感情的じゃったからやいのやいのしとったがのう。
今の方がお互いに穏やかじゃ。
そう思うとな、別に夫婦の形にこだわらんでも良いかとも思っておる。』
夫婦でも、夫婦じゃなくても。
『うむ。
イザナミは魅力溢れる女性で、多くの子を生み世界を広げた母であり、また色んな側面もあるように深い愛が怒りにも憎しみにも変わる女性であった。
全てがイザナミという存在である。
わしは、そんなイザナミに会えて良かったと思っておる。』
うーん。
おじいちゃんとイザナミさんにしか分からない何かがそこにあるんだねぇ。
『みな、何かしら因縁が出来てしまう相手というものはいるもんじゃ。
その時の相手と、自分の姿を見て、愛おしいと思うようになったならばよい距離で穏やかでいれるのではなかろうかと思うぞい。』