「じたばた」は程よく
人はじたばたするのがお好き?
『なーんかのう…。』
ど、どうしたの。
(伊弉諾のおじいちゃんが遠い目をしている。)
『人ってものすごく、なんというか…。
じたばたするのが好きじゃのう。』
あー、あれは好きとかじゃなくて、色々な理由があってじたばたしたいだけだよ。
『お前さん…。』
え?
『今、ものっそい本音が出とったのう…。』
そ!
そんなこと…あるなぁ…!
『素直で大変よろしい。』
じたばたすることで見えなくなるもの
『まぁ、じたばたするのも良いもんじゃて。
わしも止めはせんし、したいだけすれば良い。
それで見えてくるもんもあるわい。』
うんうん、そうだね!
じたばたも良いもんだよね。
いっぱいしたよ、私も!
『くれぐれも現状を受け入れられん悪あがきや自分の劣っているところを見せるかもしれないという先手先手の目眩ましには使わんことじゃのう。
それさえなければじたばたもよい。』
あー…現実を受け入れられないって気持ちからじたばたするのはあるよねぇ。
『いかにも。
現実を踏まえてそれを乗り越えんとするじたばたと、現実を受け入れられんことからのじたばたは同じじたばたでも全くの別物なのじゃ。』
両方が入り交じる場合もあるかも?
『人は複雑じゃからのう。
その複雑さは神以上なのじゃ。
神はのう、見ててもわっかりやすいじゃろ?』
確かに!!
見えない方々は分かりやすい!!
『人はそれよりも複雑なもんを抱えとる。
それはわしらも承知しとるでな。
相反する気持ちをもて余すことなんぞ承知済みじゃ。』
じたばたが過ぎると…?
『神とて手出しは出来んな(笑)』
色んな理由があるからだと思うけど、敢えて聞いちゃおう!
それはなんで?
『んー…いや、だってのう。
【自分でやる!】【自分で頑張る!】ってじだばたしとる人が目の前にいて、お前さん、手出し出来るか?』
無理だね!
『じゃろ?(笑)
あ、そ、そう?ってなるわい。
神の計らいさえもはね除けるエネルギーじゃからの。
見守るのが良いと判断するのじゃ。』
うーん、下手に手出しして【邪魔しないで!】ってなるかもしれないしなぁ。
『うむ。
じたばたにも色んなじたばたがあるわい。
諦めが肝心というのが全てではないがのう。
程よくじたばたしたいもんじゃのう。』
『おぉおおおおおん!
か、かあちゃん…!
なんでかあちゃんいねぇんだよぉ~…!
おおおおん!(大泣)』
おじいちゃん…スサノオおじちゃんのあのじたばたはどういうじたばた?
『……ありゃーまた別じゃろー』(遠い目)