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足りないという幻

足りないものなど何もない

『わし、不思議なんじゃがのう。
人ってみんな足りない足りないってよく言うのぅ。
何が足りないのかの?』

足りないっていうよりも、使い方と分配の仕方が下手なんじゃないかなぁ。

『ふぅむ。
世界っていうのはどんどん広がっておるからのう。
【足りない】って状態はそもそも出てくるはずながないのじゃ。
世界は過不足なく、全ての存在が在れるように存在しておるからの。

本来は必要な暮らしを自然と営むなら、世界から何かが枯渇するということは無いんだね。

『うむ。
枯渇していると感じるならば、先ほどお前さんが言うたように使い方と分配の仕方がまずいんじゃろうな。
過剰に使い込んでいる営みならば、全て枯渇に向かうじゃろう。』

何も不思議なことではなく、そういう人の生活の構造になってしまっている側面もあるんだね。

『人が人の為に作り出した分野じゃからな。
それは人の手に委ねられておる。
人が生み出したものは人の領域、きちんと人が治めることを信じておる。』

人が向き合うところだよね。

今の話で頭に浮かんだもの

『今のわしらの話を聞いて、読み手の頭に浮かんだもの。
それがたった今、足りないと感じておるものなんじゃろうな。』

自分にとって足りないものは何だろうって考えたはずだからね(笑)

『うむ、【足りない】と感じたならば、そのものに関して勉強が必要かもしれんな。』

勉強?

『どのようにするのかは個人で違うがのう。
例えば足りないと感じたものは自分にとってどんなものなのか。
他人にとってどんなものなのか。
どんな物質で、どんな言われがあって、なぜ必要なのか。
そもそも必要なのか、とかな。』

【足りない】から見えてくるものってたくさんあるね。

『【足りない】と感じないに越したことはないがのう。
思うに【足りない】と感じておる者はその【足りないもの】を見ているようで全く見えておらんのじゃ。
無知は枯渇を生む。』

【足りない】という不安や恐怖や焦りからくる目眩しだね。

『この目眩しが厄介なんじゃ。
ともすれば耳まで塞いでおるからのう。
兎にも角にも、わしはこの世界はそもそも【足りない】というものは本来はないとだけ言っておこうかの。』

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見えない世界の媒介人みのりん
リアルな見えない世界の体験を綴ろうと思っています。自分が感じた感覚をそのままに。私の大切にしたい世界が伝わることを願って。見えない世界も大切にしたいと思う方はサポートしてくれると嬉しいです。

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