7年振りに人生の転機がやってきた話
先日ツイッターでの報告の通り、4月から一般企業で働くことになった。140文字では転職の経緯等を書ききることが出来ないと判断したため、今回noteに転職のきっかけや経緯を書くことに。大学職員から一般企業の転職を考えておられる方の何かしらの参考になれば、嬉しい。
転職をしようと思ったきっかけ
数年前から、心の中に「転職をしないといけない。」という思いはあった。不定期かつ割と多い休日出勤日数(年間12日が最低で大学院授業等の出勤を含めたらもう少し)、労働の対価に見合わない安月給、異常では?と思える業務量、「これモラハラじゃない?」案件の勃発などなど。働く年月が長くなればなるほど、転職を検討するべき事項が色々と出てきた。しかし、なかなか行動に移すことが出来ずにいた。仕事量が多すぎて、履歴書や職務経歴書を書く余裕なんて全くなかった。
そんな中で、今年の1月に本学内で大規模な人事異動が発表された。本学に在籍してもう6年半になるけど、過去最大レベルで衝撃的な人事異動。私はその人事異動で異動はなかったものの、こう考えた。
「このままここでキャリアを積んだ先に、何が待っているのか?」と。
教務課と学生課という学務系の部署でキャリアを積んできたこの6年半。色々な経験を通じて、学生対応や教員対応には多少慣れていると思う。この先、大学の事務部門を離れて他の設置校に行っても、学務系であれば立ち向かっていけるなという自負も少なからずあった。
しかし、一方でこんな不安もあった。大学職員の方であればお分かり頂けるかもしれないけど、私の中で学務系職員は「誰でも出来る仕事」という印象がある。(※言い方が悪いのは、百も承知している。)また、ずっと前から言われているように、今は少子化の時代。今も大学の統廃合が行われているけど、今後はその流れが更に加速すると思う。そうなった時に、自分が別の大学職員として働ける程のスキルを持っていなければ容赦なくリストラされるだろうと感じた。
リストラされた時の年齢が30代であればまだリカバリー出来るかもしれないけど、40代や50代になった時にリストラされたら?単純に今の所属先の実務が出来るだけで大学業界を取り巻く様々な知識を深く知らない私のままでは、再就職先を見つけることは出来ない。一般企業だって、40代や50代の未経験者を積極的に取ろうとは思えない。
であれば、大学業界を取り巻く様々な知識を深く知ろうとする努力をしたら良いじゃないかという話になるかもしれないけど、私にはそんな努力は出来ない。というか、したくない。私は入職時から今までずっと大学の経営に携わりたいなんて大それたことを一切思わなくて、目の前にいる学生や教員に対して、「彼らが払った学費をどう教育で還元していくか?」「教員が働きやすい環境を作るためには、職員として何が出来るのか?」ということだけ考えていたかった。マクロな視点で大学という組織を見るのは別の人(役職者や本部)に任せて、私はミクロな視点で学生や教員と向き合っていたいんです。それは小規模大学だからこそ出来ることだとわかっていたから、他大学に移ろうという気は更々なかった。
家族、恋人、友人色々な方面に相談しつつ、自分でも色々と考えた。その結果、大学職員以外でキャリアを積むなら20代最後のこのタイミングが良いと判断し7年ぶりに転職活動を行うことに。
転職活動について
7年ぶりの転職活動で一番苦戦したのは、職務経歴書の作成。先程も言ったように、私は他大学への転職は考えていなかった。大学職員としての勤務を希望するなら、職務経歴書も大分簡素化出来る部分がある。(※市民公開講座と書いて、「ああ、あの社会貢献系のイベントだろうな。」と理解してもらえる)しかし、希望するのは一般企業。つまり、大学職員がどんなことをしているのかわからない人たちがいっぱい居る。だから、大学職員としての職務内容概要を大まかにでも記載する必要があった。
この大まかにでも職務内容を記載するという作業が、一番大変だった。理由は簡単で、大学職員としての私の仕事は異常に多かったから。教務課時代の主担当業務は12個あったし、学生課時代の主担当業務も5個にまで減ったものの内容はどれも超ヘビー級。正直なところ、
『これ、どうやって2枚の職務経歴書におさめるの…(白目)』状態。
私が転職活動をしていた中で職務経歴書の枚数制限があった会社は1社だけだったけど、制限がないと言えども、書きすぎるのは良くないなと思っていた。そこで、大学職員以外の一般企業で働く色々な人に自分の職務経歴書を見せて、「これで、職務内容わかる?」と聞いて回ってみることに。見せる度に、まあ色々な反応をもらった(笑)「書式は、こうした方が良い!」とか「目次をつけて、見やすくした方が…」とか。でも、そのおかげで転職が決まったから、協力してくれた皆には感謝しかない。この場を借りて、御礼を言わせてください。本当にありがとうございました。
ちなみに、面接について主に聞かれたことと言えば、「大学職員って安定しているイメージがあるけど、なんで一般企業に転職しようと思ったの?」ということ。
小規模大学で働く私からしたら、「いやいや、安定なんて無いぞ!少子高齢化の時代で大学全入時代だし、弱小大学なんて統合されるもしくは統合されないまま廃校になる可能性も…。」って感じだったけど、丁寧に一般企業で働きたい理由を説明した。大体の人事担当者が納得していたから、私の考え方に間違いは無かったなと思う。
転職活動をし始めて数週間で転職先が決定し退職日も決定したので、今回は比較的スムーズに色々なことが進んだと感じている。
転職活動をしてみて感じたこと
私、1つ声を大にして言いたいことがある。何かと言うと、「大学職員だって、一般企業に転職することは可能だ!」ということ。よく他大学の職員さんから「大学職員から一般企業に転職するのって、かなり難しいですよね。教育業界くらいしか転職先なくないですか?」と言われます。
そんなことは無い。一般企業の面接を受けてつくづく思ったけど、大学でどんな業務をしてきたのか、大学とは仕事の流れも違うけれどついてくることが出来るのか、仕事に対するポリシーをちゃんと持っているのか、などなど企業風土が異なっても適応出来る人物なのかというところを面接で見られていた。職務経歴書や面接の魅せ方次第で、一般企業への転職だって可能だと思う。多少なりとも一般企業に転職を考えているなら、『大学職員だから、難しいだろうな。』と諦めるのではなく、どんどんチャレンジをして欲しいなと感じます。
今後一般企業に移ってみて色々と感じる部分が出てくると思うから、随時noteを更新していくつもり。それでは、また次回の更新で。