花が枯れていく移ろいに魅力があり、それは村上春樹の小説だ
花が枯れていく過程を眺めるのが好き。
村上春樹さんの小説が好きな理由もここにあるのかも。
過程を描くのがとても上手だと思う。
過程とは、
2つの異質な物語がゆっくりと交わっていく様子、
登場人物の大切な部分が少しづつ失われていく様子、とか。
(そして、損なわれたと思うと次にちょっぴり回復したりする動き)
その移ろいの中で生まれる微妙な危うさが小説の大半を張る。
長ったらしくて回りくどいと非難する人もいるが、私にとってこの白でも黒でもないグレーな状態がとても興味深いんだよね。
事件の前後の心情を描く作家さんは多いと思う
例えば大切な人と別れ。その前と後とで、感情が分かりやすく変化しているようなストーリーってあるよね。
でも、実際のところ、人間の感情ってそこまで分かりやすくなかったり。
移り変わる過程の中で、満たされそうで満たされない不安定さや曖昧さ、こういうところを数多の独特な描写で書けるのがすごい素敵だな、と私は思う。
まだ、1Q84、ノルウェーの森、海辺のカフカ、世界の終りとハードボイルドワンダーランドしか読んだことないんだけどね。
1Q84は高校生の時に読んだので、再読が必要。
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