サンマの豊漁。
2024年8月16日、北海道ニュースUHBはサンマが久しぶりに豊漁で、サンマ水揚げ量で日本一を誇る根室市の花咲港での初水揚げは約67トンで、昨年の140倍と報じた。
この豊漁は10月まで続く見通しで、地元では1匹80円で売り出された。水産研究・教育機構の冨士主任研究らによると、これまで歴史的な不漁が続いてきたが、6、7月に行った調査では、太平洋の西側に大きいサンマが多く分布していたという。
昨年の漁期後半にわが国のEEZ(排他的経済水域)の中に漁場ができ、生き残った魚が成長したことで、今年は大きいものが獲れるのではないかとみられている。今年は価格も期待できそうだ。
20日の東海テレビの報道によると、札幌では1尾18円の価格で売り出され、サンマフィーバーの再来かと沸き立った。しかし、この値段は台風7号の影響で、豊漁のサンマは飛行機での輸送ができなかった。そのためご祝儀価格での販売となったようで、北海道以外の地域では恩恵はなかった。
それでも、都心で1匹299円、2匹450円で販売する売り場の担当者によると、今の時期の販売量としては、好調な出足で、昨年と比べると、約3分の1の値段だという。最大大手のスーパーでは小ぶりだが、1匹200円、2匹350円で販売されていた。 わが国ではサンマは秋の味覚を代表し、秋になれば塩焼きに大根おろしと相場が決まっていた。かつてスーパーでは1匹100円以下と安く手に入り、飽きるほど食べたという人も少なくない。
この15年ほどは不漁が続き、年に1回ありつけるかどうかという状況であった。不漁の理由として乱獲もあるが、サンマ自体が減っているようだ。水揚げが不安定で、都内の小売店では小ぶりのものでも同200~300円と、割高感は否めなかった。
年間を通じて販売される解凍サンマの値段も高騰した。以前は主産地の北海道をはじめ国産が多かったが、冷凍サンマの在庫量が減少し、近年、漁獲量が多い台湾産を並べるスーパーなども増えている。長引く不漁から価格が高いこともあって、身近だった庶民の味が食卓から消えつつあり、この15年で消費量は1割まで減少した。
我々から見ると、いきなり漁場が現れたとか豊漁とか言われても俄に信じがたいが、朗報である。また魚体は小さいが、しばらくすると脂が乗った大きいものがたくさん出回るが、しかし、11月以降に沖から来る群れは、数が少なく、魚体も小さくなる見通しという。
何とか、今年はサンマにありつけそうだ。