ミシェル・オバマについて。
アフリカ系初のファーストレディー(09年1月ー17年1月)として、根強い人気を維持している。高い志を持ち、気品と知性を備え、優しさに溢れながらも、たくましさもあり、ユーモアのセンスを兼ね備えた女性で、国民的な尊敬を集めている。
18年に出版された幼少期からファーストレディー時代までの自伝「Becomig(ビカミング) 2018」(日本語版 集英社 2019)はこれまで世界で2200万部以上を売上げ、50か国語に翻訳されている。
最新作の「The Light We Carry(ザ・ライト・ウィー・キャリー) 2022」も全米で話題となり、再びベストセラーになっている。妻であり、母であり、ビジネスウーマンでもある彼女は、困難の多い現代社会の中で、挑戦することが多かった。本書は心のバランスを保ち、前向きに生きるため、メンタルを強くする5つの実践を綴っているが、自分の信条を著したと言える。
ミシェル・オバマ(旧姓:ロビンソン)は、1964年1月17日シカゴの暴力と貧困で知られるサウス・サイド地区で生まれた。彼女の祖先は奴隷だったと言われるが、父親はシカゴ市水道局職員で、母親は企業の秘書として勤める堅実な家庭で育った。
秀才の彼女は世界屈指の名門大学であるプリンストン大学とハーバード・ロー・スクールを卒業し、卒業後はシカゴに戻った。法律事務所に弁護士として勤務し、そこで将来大統領となるオバマ氏と知り合い、92年に結婚した。
夫婦関係は普通の家庭と同様に満ち潮と引き潮があり、仕事と家庭の両立についてしばしば夫婦間で口論の種となった。06年10月3日の「オプラ・ウィンフリー・ショー」に出演した彼女は、仕事と家族との間の矛盾に加えて、「政治的スーパースターと結婚している」と著名人としての妻の内情を打ち明けた。
だからといって、本書では特別な問題を取り上げている訳ではない。小さな行動に目を向け、心遣いが大切で、日常の行動の積み重ねが人格を作る。また人種差別、格差社会、同性愛、家族のあり方など世の中の様々な問題は、心のありようでいくらでも変えることができる。
第1は自分のそばにいる人を大切にする。第2は計画を立てて、1か月間、1年間の計画の上に日々の仕事を置き、自分をポジティブにする。第3は内省し、恐怖に立ち向かう時間を持たなければならない。第4は与えることの重要性で、自分が光輝いていても、これを使って他者を照らさないなら、意味はない。第5は世界に光をもたらすためには、まず自分の家庭を整える。
傑出した人といえども、家庭生活が肝心要である。
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