私の私による私のための本棚
本の背表紙が焼けてしまうことが嫌で、本棚にカーテンを掛けている。では並べなきゃいいじゃん、となるけど、仕舞い込んでしまうと何の本があったか忘れてしまって、永遠に読む機会が失われることになる。とはいえ、カーテンを掛けてしまって、目隠しされた状態なので、意識しないと本があることを忘れてしまうという、でも背表紙は焼きたくない、そんなジレンマを抱えながらの本棚なのだ。
たまにカーテンをペラりと捲ってみる。するとどうだろう、まああれも読みたいこれも読みたい、とんでも無く魅力的な本棚が目の前に現れてびっくりする。それはそう。だって私が選んで、私が買って、私が並べた、私の私による私のための本棚なのだ。
四割小説、三割実用書・ビジネス書、二割マンガ。最近漫画はほとんど電子書籍に移行してしまった為、少なめだ。
小説はずっと好きで追いかけている作家さんの本が多く占める。三浦しをん、坂木司、米澤穂信、小川糸、瀬尾まいこは私の心を落ち着かせてくれる作家さんたちだ。敬称略してごめんなさい。
この方々が書いた本は、無条件で読む気になるし、買って後悔したことがない。登場人物を使い捨てしない作風が好きなのかもしれない。
大きい事件は起きないけど、人の心を丁寧に描写している。
一時期ハマっていた有栖川有栖シリーズ、まさか最新刊が出るとは思っていなかった精神科医伊良部シリーズ(まだ読めてない)、医師から作家になった海堂尊の書く本はどれも先が読めなくてハラハラする。
こうしてみると、私だけが知るコアな作家のような本はないけれど、どれも私の気持ちを上げてくれて、楽しませてくれる本ばかりだ。
たまに気分を変えたくて、恋愛のドロドロや何となく物悲しい物語の様な気がする、と買った本などが隅の方に並んでいるのが、またいい。
今まで読書遍歴を人に話したことがないので、何と無く気恥ずかしい。
自慢できるような読書遍歴でもないしなあ、と思ったけど、読書は自分の楽しみで自慢するものではないんだよなと思う。
読書というと、高尚な趣味みたいに見られがちなのがいけない。
人に見せても恥ずかしくない本を読まなければいけないという思い込みが、どこかにある気がする。ただ自分が楽しんでいるだけなのだから、好き勝手読めばいいのだ。
ちなみに実用書類は、ビジネス書自己啓発本の類だけど、その時の自分の悩みがそのまま反映されていて、それはそれで別の意味で恥ずかしい。
お片付け本の数が多いのは、お察しだ。
そんな私のときめく本棚。
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