ダイビングのライセンス取ったけどやっぱり気持ち悪くなってしまう
先日1年ぶりにダイビングをしてきた。様々な魚や海の生き物を間近で見ることができるダイビングは驚きと楽しさで溢れている。
さて、2年前にPADIのオープンウォーターを取得した私のダイブ本数はようやく10本を超えたばかりなのでまだまだダイビング初心者である。
そんな私が毎回悩まされていること、それは必ずと言っていいほど毎回ダイビング中、もしくは終わった後に気分が悪くなるということである。
これ、結構私的には悩みである。ダイビングって好きな人は本当に楽しくてやっているから、気分が悪くなるのは仕方ないことにせよ、足を引っ張る感じになる。それに原因もまあ船酔いとか波酔いなのだろうという話になる。
しかしながら、調べてみると同じようにダイビングで気分が悪くなる人は少なからずいるようだ。自分も何本か潜ってみて原因がわかってきたので、ここにまとめておきたい。
結論:過呼吸
結論から言えば、私のようにダイビング中に気分が悪くなる人は過呼吸状態に陥っている可能性があるようだ。
私はダイビングするたびにとてつもない疲労感に襲われ、気分が悪くなってきた。息苦しさから気持ち悪さは結構急に来るが、それ以前に疲労感を感じる。海中で吐いてしまうことも毎度であるし、一番ひどいときは手や足の指先がしびれた。
確かにダイビングをする人で吐いてしまう人はいる。でもそれは船酔いだったり、うねりの中ダイビングをしたことによる波酔いだったりする。
結局、どんな原因でも気分が悪い人が出たらダイビングどころではないから、海中で少し休んだり、ひどい場合はダイビングを中止することになる場合もあるだろう。(今までは最後までやりきってきたが、危ないときもあったと思う)
自分も最初は船酔いや波酔いだと思ってやり過ごしてきたけれども、どうも違うような気がしたので潜水医学やダイビングに関する情報を調べてみた。
結果、どうやら自分の症状は過呼吸が原因であるということが分かった。同じような症状がこちらの記事で説明されている。
過呼吸(過換気症候群)について
過呼吸という症状は不安や緊張から過換気状態に陥り、血中の二酸化炭素が多く出されすぎてしまう症状である。
症例の多くは10~20代の若い女性に多く見られるとされているが、男性や高齢者でも起こることがある。また肉体的疲労から呼吸が浅くなり、発生することがあるという。ちなみに私は30代男性である。
症状
息苦しさ
気分の悪さ
同期
嘔吐
指先のしびれ
陸上では過呼吸で死んでしまうことは無いのだけれど、海中でパニックになってしまったり、呼吸できなくなってしまったらそれは死ぬ可能性がある。
1つ目の原因:緊張と不安
私は心配性でありビビリである。絶叫マシンにはなるべく乗りたくないし、お化け屋敷も心臓に悪い。
水泳はできるが、水中に潜ると全く別で怖いと感じる。水面は頭上10メートルであるし、ダイビングの装置のおかげで呼吸はできるが陸上での呼吸とはいくぶんも勝手が違う。
ダイビングをしたことがない人はイメージしにくいが、鼻に洗濯バサミを付けて口呼吸だけで生活してほしい。息苦しく感じないだろうか。ダイビングはその構造上口呼吸しかできない。そして、それを外したら溺れるのだからまあ想像すれば怖いと感じるのは普通だろう。
ダイビングにおいて鼻呼吸は百害あって一利なしと先日のインストラクターさんもおっしゃっていた。鼻呼吸すると水が入ってくる。ゴーグルの中に水が入ってしまい、それをまた鼻で吸ってしまったらむせるはずだ。海中でむせたら焦るだろう。
思いがけないことが起こると人間誰しもパニックになってしまう。溺れる人は水を飲んでしまうから呼吸ができなくなる。もちろんライセンスでは緊急時の手順を学ぶコースが用意されている。
ダイビングはきちんと対応できれば安全なレジャーだ。海中だったとしてもひとまず慌てずに口と鼻から息を止めれば良い。落ち着いてマスククリアと口に加えるレギュレーターと呼ばれる部分のボタンを押せば空気は強制的に入ってくる。
だから、海中で咳き込んだって全然大丈夫だし、気持ち悪くなって海中で嘔吐しても大丈夫。とにかく水を飲まなければ、体内から出す分にはいくらでもできるし酸素は十分に準備されてる。
とはいっても、こうして陸上で想像しているだけで緊張してしまうのだ。実際なれない海中で不安を持ちながら、色々な操作をしているとそれはそれで焦りや緊張が生まれて呼吸が浅くなってしまう。
2つ目の原因:中性浮力
ダイビングにおいて中性浮力はとても重要視されている基本姿勢だと言える。
中性浮力というのは、海中にプカプカと浮かんでいる状態のこと。浮きもせず、沈みもせず、自分の呼吸だけで上下移動をすることができれば中性浮力が取れていると言える。
この中性浮力が取れていないと、どんどん沈んでいってしまったり、逆にどんどん浮いてしまったりする。沈んでいくのは怖いし、海の底を這うように進むと砂を巻き上げてしまう。逆に浮いていくのも早くなりすぎると体に良くない。
なぜこれが原因のひとつなのかというと、ダイビング中にインストラクターさんから「息をしっかり吐いて」というジェスチャーを受けることがある。
これは中性浮力が取れていないので息をしっかり吐いてコントロールするようにという趣旨なのだが、すでに耳抜き、BCDの操作、緊張、不安、それでいてどうしても体が浮いてしまう焦り等でいっぱいになっている。
呼吸が乱れている中で息を吐ききって、沈まない体を沈めるためにどう吸えばよいだろうか(吸ったら体は浮き始める)等を考え始めて、短く吸って長く吐くみたいなことをやっていると、まあ疲れてしまうのだ。
結果として、中性浮力が取れて「良いね!」という状態になってもすでに呼吸が乱れてしまっているので、段々と気分が悪くなってしまう。本当に不安になりやすかったり、ビビりには向いてない。
対策
技量不足と緊張と不安からくるものなので、経験を積んでいけば確かに克服できる場合もあるだろう。
しかし、個人的に完全に解消するのは難しいと思う。それはそもそもに自分が心配性だからだ。鼻炎もあるので耳抜きがうまくできないこともあるし、ダイビングと関係なく飛行機に乗ると耳が痛くなるタイプだ。
その上、私と潜ることを楽しみにしていた仲間のことなども考えてしまったりする。こういう心理的な症状は、いわばこれまで生きてきた中での思考の癖でもあり、すぐパッと消えるものではないと思っている。
ダイビングに対して不安を持ち続けながらダイブするのは本意ではない。
だから、今後はダイブ本数を1本にするとか、インストラクターに過呼吸気味になりやすいのであまり難しいダイブをしないように伝えるということでうまく付きたい。
強いて言えば、ダイビングの一週間くらい前から、陸上で口呼吸の練習をしておくというのは良い練習法だと思う
口呼吸でしっかりと呼吸するというのは難しい。子供の頃から口呼吸を指摘されている人間であったが、ダイビングをするとかなりの部分は鼻呼吸に頼っていたのだと実感できる。
こうした慣れない状況を再現して事前に分かっておく、自身を持っておくことで緩和される部分はあるだろう。
でもいちばん大事なことは、ダイビングに行きたいという気持ちがあったとしても、自分のことを一番大切にして、できる範囲で楽しむことなのだと思う。せっかくのレジャーなのに辛い思いをしたという経験が残るのは本当に無益だから。