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メディアとの付き合い方を見直そう。

コロナ禍ですっかりYoutubeを覗く頻度が多くなっている、
ネットメディアに依存する自分に気が付く。

そしてふと、動画を鑑賞する時間の長さを意識し始め、
一か月で動画に費やしている時間総数を考えていたら
ゾッとする気分になってきた。

そんな危機感とでも表現した方がしっくりくる感覚を覚え
つつも、改めて自分にあった動画メディアとの付き合い方
を見直すために、今回の記事を書き起こしてみたい。

現代メディアは30年前と比べて非常に多様化した。
それまでは新聞をはじめラジオ、TVが主だったものだ。
これらは全てが制作者側から情報が発信されるばかりで
消費者側が常に受け身の状態であった。

またこうした体験の共有は自分を中心とした周囲の
ローカルグループ内(家族、知人・友人など)に限られ、
局所的な共有情報がより大きなグループへ拡散されること
はよほど共感度が強い性格性の情報ばかりだった。

インターネット時代を迎えてICT技術が成熟するにつれて
様々なソーシャルメディアと共にソーシャルネットワークが
世の中を席巻し、今や情報共有のスピードと拡散性の高さ
は以前の環境とは180度変化したと言える。

制作者から消費者への一方的な情報の流れ方が一変して
双方向に情報が行き来する時代となって久しいが、
どれほどの現代人がこれによって自分たちの生活様式が
変化したか、させられてきたかを意識しているだろうか。

特に動画配信というメディア形態はTVを基準とすると著しく
変化し、インターネット登場前は比較的大きな家電量販店の
TV売り場でしか見かけたことがなかった光景がYoutubeでは
パソコン画面いっぱいに広がっている。

というのも一台のTVが映し出せる画面は一つであり、
複数のチャンネルを同時に画面分割してタイル状に並べる
ということは当時の技術やコスト上、不可能だった。
(家電量販店で複数のTVで異なる番組を表示することがあった)

それによって何が起きるか?
1つ目は人間が多数の情報を一度に目にすると
情報オーバーロードを引き起こすことが知られている
これにより人間の脳は混乱し合理的判断が下せなくなるそうだ。

2つ目として人間は多数の関連動画を提示されると
情報のつまみ食い効果で脳が大脳辺縁系に乗っ取られる
人間の行動制御は前頭前野だがこれが機能しなくなるという
怖ろしいことが起き、欲望に抗えなくなるそうだ。

慶応義塾大学の岸博幸教授もダイヤモンドの記事で警鐘を
鳴らしている。

上記2つは人間の脳への影響としてよく知られたものであるが
ネットメディアは(動画サイトに限らず)敢えてこうした情報の
与え方を消費者へ行う。

その理由についてはダイヤモンドの記事で岸教授も説明する
通り、メディアという業態はその殆どが広告費によって利益を
得ているわけで、スポンサー(企業や資本家)のイメージや商品
をPRして消費者の意識に刷り込んだり、商品の購買欲を喚起
することを目的にしているからだ。

言い方を変えれば、我々消費者側は自分が視聴したり得たい
と思う動画や情報にアクセスするためのバーターとして広告に
晒されることに合意させられているとも言える。

それは時に、自分たちにとって不利益を齎す行為を行っている
企業や団体が広告主に名を連ねているかもしれないことへの
意識を失わせ、多数の情報によって知覚過多に陥らせるという
目くらましを使って、我々から人生の貴重な時間と経済的利益
を搾取しているとも言えるのだ。

我々は今、情報過多の時代で生きている。

TikTokなど新たなソーシャルメディアがこれからも生まれては
消えていくだろうが、我々の時間は有限なのだ。

そんな想いを馳せてみると、
一度はパソコンやスマホから自らを引き離すデジタルデトックス
を行ってみて、自分の行動がどれほどこれらに依存しているか
を見直してみようと思えるのだった。

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