表現することと価値を知ることについて
20歳前後、1年ばかり演劇をかじったことがあります。
「演じる」立場のほうです。
その他の特殊な技術、たとえば脚本や演出や音響や衣装や美術などなど…のほうではありません。
むろん、そちらの周辺技術も密接に関わってきますし、
面白いので気をつけて見てはいましたが、詳しくはわかりません。
ただ、お高い学費なので、講師はその道の一流のプロばかりでした。
なので、とても良い人生勉強になったと思います。
ためになる人生勉強をしたいと思ったら、
一度でも「本物の一流」に触れておくことは大事です。
お高いかもしれませんが、プライスレスな体験が得られます。
ふだんはコンビニ弁当とかスーパーのお総菜でもいいから、
(もちろん、これらもある程度の高いクオリティがあります。「商品」ですから)
いっぺんくらいは、三つ星レストランのディナーを食べておきたい。
まあ、そういう話です。
もちろん「そんなもん金のムダ。自分の好きなものを食って何がわるい」とか。
「だいたい『一流』とかいう価値判断の基準が信じられない」
といった意見があることは承知しています。
そこは、人それぞれ。
個人の自由です。
自分の思いや感じ方を、ほかの人に「押しつける」気は毛頭ありませんので、ご安心を。
まあ「一流」と言われているものは。
だいたい「とても大勢の」素人およびプロフェッショナルの双方から、
「これは優れたものだ」と認められている実績があるんですね。
ですから、ほぼ「あやしい価格設定」はしない(信用に関わるから)し、
それなりの「質に見合った商品価格」が設定されているはずです。
まあ、そのお値段を「自分にとって」どう思うかは、個人の自由ですが。
個人的には、その「大勢の人々が『すぐれたもの』と認めたもの」を
自分の体感として知っておきたい。
なので、あくまでも懐事情や時間など、身の丈にあった範囲でですが、
「一流のもの」に触れる機会があれば、触れてみたいと思っています。
「一流」を体感として知っていれば、
「すぐれた二流」にしかない「面白さ」も理解することができます。
そして「素人」の仕事についても、良い点と至らない点を見わけることができます。
そういう「審美眼」というんですか、それを勉強してゆきたいと思っています。