MEETING #08 山納洋さんと、〝頼まれてもいないことをする、という方法〟の現在地点 [録音データと、あとがき]
山納 洋さんは、大阪ガスの社員。尊敬する働き者。『自分の仕事を考える3日間』では、「究極の請負業であるサラリーマンでも〝自分の仕事をつくる〟ことは出来る」と笑いながら聞かせてくれた。
その方法〝頼まれていないことまでする〟(別名「プラス5の法則」)の果てで彼がいまどんな景色の中を歩いているのか、とても楽しく伺うことが出来た。よく笑ったな。Podcastはこちら。
SpotifyやGoogle Podcastsで聴きたい人はAnchorの「MEETING」ページからどうぞ。今回は録音データのみの公開。彼の人柄は、十分に伝わると思います。
山納さんが現在室長を務める「大阪ガス/都市魅力研究室」はこちら。
https://www.toshimiryoku.jp/index.html
Walkin’About 他、話しに出てきたいろんなイベント情報が載っている。
冒頭の「やめろと言っても始めてしまう人たち(カフェ起業者)」(笑)に水をさす、老婆心フル稼働の一冊は『カフェという場のつくり方:自分らしい起業のススメ』(2012/学芸出版社)。僕は何本も線を引いて読んだ記憶がある。
参考情報はこれくらいにして、MEETINGのあとがきを少し。
山納さんは、大阪における小劇場ムーブメントの坩堝「扇町ミュージアムスクエア」に閉館(2002)まで出向していた。「そこは劇場で、〝自分がやりたいからやりたい芝居をする〟人が集まっていた」「基本は自分軸です」。
閉館後、次は大阪市のインキュベーション施設「メビック扇町」のコラボレーション・ディレクターに就任(同じく大阪ガスからの出向)。「こちらには〝仕事ならある〟人たちが集まっていて。食えてはいるものの、本人がやりたい仕事かどうかはわからないクライアントの請負業務で徹夜」「基本は他人軸です」。
自分軸と他人軸。この二つのどちらかでなく、真ん中の場所にどう辿り着ける?と考えつづけて、本人いわく「プラス5の法則」という〝頼まれていないことまでやる働き方〟に至る。(詳しくはPodcast参照)
と同時に、「どんな場所(職場)へ行っても仕事を楽しめるヤツになる」べく、歴史や語学を学び始める。それも自分の意思だけに頼らず、まわりに仲間や環境を育てて継続してしまう仕組みを作動させる。(詳しくはPodcast参照)
なんかねえ。話を聞きながら、リスク管理のしっかりしている人だなとあらためて思った。自分が「面白く生きる」ことに対するリスク管理が。
多くの人は、働いて得たお金で「面白く」生きようとする。週末は河原でバーベキュー、とかもまあその一形態じゃないか(バーベキュー文化への理解が低い。すみません)。
でも「働いて」手にするもので、いわば二次的・間接的に人生を充実させるのではなく、「働くこと自体で充実する」方法を考えてさっさと実装する人たちがいて、私は後者の方が好きだ。ガスじゃないけどエネルギーロスも少ないし、価値の得方がダイレクトで早い。
「〝つまらない〟と言ったら負け、というゲームを生きる(笑)」話は本当に楽しかったな(Podcast参照)。共感。でも私には「東京にいる自分」がどうにもつまらなくなってしまって、それで場所を変えてみた経験がある。これは小さな敗北史です。
感受性豊かに生きてゆこうって、いろんな人が口にするけど、いちばん鍛えて磨いてゆかないとならないのは、ほかでもない自分自身に対する感受性だよね。