MEETING#04 伊勢達郎さんの、本を書きたい話 [録画データと、あとがき]
徳島のフリースクール・トエックの伊勢達郎さんが「本を書きたい」というので、もう少し詳しく聞かせてください。かつ、公開編集会議のような場を持ってみませんか?と、頼りない先輩風を吹かせて約90分をご一緒した。
録画を公開します。前半はトエックにおける子どもや親とのかかわりを聞かせてもらい、本題にあたる「本の話」は 00:54:45 あたりから。トエックをよく知っている人はそこからでもいいかも。伊勢さんは相変わらず終始楽しくて、チャーミングです。
「なぜ本を書きたいの?」という問いへの本人の反応は、「自分に負荷をかけたい」「キャリアを重ねる中で〝狂っている感じ〟が少なくなってしまった気がする(笑)」「そう簡単にいかないことが大事」「より面白く遊ぶためには〝負荷〟が必要なんよねー」という感じで、いま自分にグイッとかかわってくる〝主体的〟なひと(編集者)に出会いたいようです。
自分では役不足だなと思う。伊勢さんが好きなので、グイグイかかわるというより、出してくれたものをゴクゴク飲んで満足してしまいそう。誰かいませんか? 伊勢達郎という豊かな山にわけ入ってみたい人。
同席したスタッフのフナ(渡辺さん)いわく、「もう3年くらい〝書きたい〟と言っている」。
彼が書きたいのは、トエックの紹介や、そのふりかえりというわけではないようだ。何泊かのイベントのような限られた単位でない、昨日・今日・明日と毎日重ねられてゆく「自由な学校」の非構成で有機的な時間の中で、感じ・考えてきたことがたっぷりあって、それをちゃんと彫り出してみたいのだろう。
出版社の方や編集者あるいはライターさん、そんな方々につながる人は、ぜひご連絡ください。僕宛でもトエック宛でも。
以下、スタッフのフナが送ってくれたトエックの何枚かの写真。平和だなあ。
でも一人ひとりの子どもはその中で、日々なんらか「思い通りにいかない」ことを体験している。「どれもこれも思い通りにはならない。〝思い通りにしよう〟としないことがベースですよね」(伊勢)。
自由ってなんだろう。受け入れるってなんだろう。聞くってなんだろうかって、トエックの話を聞くたびにハッとする。伊勢さんやスタッフの言葉はもとより、彼らが聞かせてくれる「ある子がこう言っていた」という子どもの言葉に。
話が変わるけど、先日いま自分が暮らしている神山の中学校の先生の話を聞く機会があった。彼は子どもの教育や成長の環境について、「家庭がエンジンで、地域と学校がその両輪」だと語った。
伊勢さんたちの子どもたちとのかかわり方に学ぶことは多いのだけど、同時に、彼らがその子たちの親とどうかかわっているか?も大事な話だと思っていて、前半ではそのあたりにも触れている。
「一緒に学校をつくりましょう」と伝えてきたこと。「夜学」と呼ばれる、大半の親が集まっていろんな話を交わす月に一度の時間のことが、前半55分の中で登場します。
「親がどう生きてゆくかということが、子どもへのなによりの応援になる」とも話していた。本当にそうですよね。
*次のMEETING「いま、話してみたいこと|横川正紀さん × 西村佳哲」は8/8土曜。6月にオープンした「虎ノ門横丁」(東京)のウォークスルーガイドも予定。