【読書#4】月山もも 『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』
(2023年1月14日読了)
成人の日が繋がる三連休前、私はとある計画を画策していた。それがひとり旅。
ライブを見るための遠征には数えきれないほど行っているが、温泉旅館でひとりでゆっくりするなんて大人な旅はしたことがなく、ずっと憧れがあった。
私が住む土地は、今年は例年に比べ雪が少なく、交通の問題も無さそうだ。来年度は忙しくなりそうだし、行くなら今のうちかも…そう思いながらネットで旅館を調べた。
行きたい地域に、ひとりで泊まれる旅館が一軒もなかった。本当にひとつもなかった。
え…となる。ちょっと待ってよ、旅館すらも私を拒絶するの? 別に迷惑かけませんよ? ただひとりでいるだけですよ?
そんなこんなで計画は頓挫し、何も予定がなくなった三連休中に図書館に行って、見つけたのがこの本だった。
登山や温泉に入るひとり旅についてのブログを書いている月山ももさんの本。
タイトル借りだったけれど、まさに私が目標としていたひとり旅がここにあった。しかもたくさん。
温泉に浸かり、美味しいご飯を食べ、お酒を嗜み、部屋でゆっくりする。時には温泉街をぶらりしてみたりして。素敵過ぎる。まさに私の思い描く大人な旅。
私を悲しませた「ひとりで泊まれる旅館が無い問題」の理由も理解した。一部屋にひとり泊めるより、複数人泊めた方が利益が大きいため、複数しか受け付けない旅館が多いとのことだ。ちゃんとした理由があってよかった。
読み進めていくうちに、「ひとりでもこんなに旅を楽しんでいいんだ」という安心感が芽生えた。
ひとりでの遠征中も、周りの目を気にして「ひとりだともちろんつまらないですよ?」みたいな顔をして過ごしていた。ひとりで楽しんでいたら変な目で見られるのではと思っていた。でも、ひとりだからこそ楽しめる旅だってあるし、ひとりだから感じられるものもある。素敵なものやきれいなものをじっくり眺めたり、美味しいものをじっくり味わったり、思う存分物思いに更けることが出来る。それを味わわないのはもったいない。
近々また遠征予定があるので、その時は存分に楽しんでやるぞ! と決心した。
そして、この本を読んでひとり旅に火がついた私は、結構な頻度で旅行サイトを見るようになった。ひとりでも受け入れてくれる旅館を探すためだ。
今のところの憧れは、栃木県・板室温泉にある大黒屋さん。ひとり用のお部屋があり、アートまで楽しめるというおしゃれなお宿(この本の中でもバッチリ紹介されています)。
いつか絶対に行ってやるぞひとり旅。まだ日程もなにも決まらないが、気持ちだけは高まっている。