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小さな神様


これがきっと、神様との初めての出会い、そして縁が繋がれたであろう前世の夢のお話です。



気がつくと、私は山の中の小さな神社に居ました。
とても綺麗な景色で、白昼夢のような暖かい陽射しと柔らかい色合いで心地よかったです。

神社の鳥居の上に座っていた私は、そこから降りてお社の方へ移動しそこからボーッと木々を見つめていました。
私が誰なのか、何でここに居るのか、そんなものは全く分かりませんでした。

ただ、実体がある訳ではなく人間で無いことは確かでした。


ただそこに勝手に住み着いていました。

そんなある日、1人の男の子がここを訪ねてきました。
男の子は必死に神社に向かって喋りかけ、大きな声で「助けて欲しい」と言っていました。

反応が無くてもずっと大きな声で続けていましたが、私はそれを最初は無視していました。
私に気づいてないだろうと思ってたんです。
でも男の子は私を見つけ、近寄ってきました。


「お願い、僕の願いを叶えて。居なくなってしまった親友を見つけて欲しい。場所を教えて、瞬間移動して教えてよ」


わたしはここに勝手に住み着いてるだけで神様でも何でもなくて、助ける気なんてなかったんです。
瞬間移動なんてものも、出来る力はありません。

ですがその男の子の必死さなどで、「まあいいか」と男の子と一緒に探すことに決めました。


男の子はそんな私に嬉しそうに笑うと、一緒に山を歩き始めました。
「行方不明になった子」について話を聞いてみると、とても穏やかで優しい表情で話始めたんです。

語り口調や話す内容、表情や思い出話、それら全てを含めて

「ああ、この子は行方不明になった子に片思いをしてるんだな」

と分かりました。
「とても大好きな子、大切な子」そんな風に話していて、でもまだその子は自分でもその感情を上手く【恋】と自覚してないようでした。

ですが、話を聞くにつれて


「その行方不明になった子はもう生きていないだろう」


って感じ始めたんです。

その場合、この子はどうするんだろう。と考えながらも男の子の話を聞き続けました。
暫く歩いた後に男の子は私を見て、耳元で私の名前を呼びました。


「あの日、行方不明になってしまった女の子の死体、僕らは見つけてしまった」


名前を呼ばれそう言われた瞬間、心臓が大きくなったのが分かりました。
無くなったはずの鼓動が動き始めたような感じでした。

地面に目をやると、綺麗な落ち葉の下、見えないはずの地面の下で私が倒れている光景が見えました。

そして私は全てをそこで思い出したんです。


男の子が私に「居なくなってしまった子」を探す事を頼んだ本当の目的と
私自身が誰だったのか
どうして私に一線を引いていたのか。


男の子はそんな私を優しく見守ってくれていました。

突然自分の死を自覚し、頭の中がグチャグチャになる感覚がしました。
上手く息が出来て居なかった私を落ち着かせるように、男の子はまた私の名前を呼んで手を握ってくれました。


そこで全部思い出したんです。

自分自身の死を自覚していないからさ迷っている私を救うために、神社に居座る私に何度も声をかけてくれていたことや
男の子が言っていた「いなくなってしまった子」は私だった事

男の子が話してくれていた思い出話などは全部との思い出話でした。


生前の記憶が戻ってきたその思い出の中、
神社で遊ぶ私たちと、神社の敷地内の中にある池で遊び回っていたその思い出は全て男の子が話してくれたものと一緒でした。

思い出の中の映像は、白昼夢のように綺麗でとても暖かく優しい空間でした。
それを思い出した私は、そこでこの男の子は神様なんだと分かりました。


この男の子とは神社以外では会った事がなく、そこへ行くといつも居ました。
次第に私たちは仲良くなり、毎日のように遊ぶようになりました。

そんな中突然私は死んでしまい、それを知った男の子は私が地縛霊のようになってしまい「死んでしまった」事すらも忘れてそこに居ることに危機を感じて助けてくれたんだと伝わってきました。

死んだ後、死んだことを自覚出来ないと生まれ変わることが出来ないんだな…とその後から伝わり、私は自分の死を自覚しました。


そしてそこで目が覚めました。




こちらの自己解釈や説明なども次回書いていこうと思います。


ではまた後ほど



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