病歴53:在宅酸素療法の2か月
9月1日に退院したので、在宅酸素療法を受け始めて2か月が経ったということになる。
2kg弱の酸素ボンベを、JAMMINさんで購入したショルダーバッグに入れて持ち歩いた2か月だ。
キャリーケースもあるのだけど、車に乗る時やトイレに行く時など、なにかとキャリーケースは困ることが多い。
車に乗る時は、せーのと持ち上げて助手席の足元に入れるのであるが、助手席のシートを一番後ろにしていてもつかえやすいし。
トイレに行く時は、狭いトイレだとドアを閉めにくくなったりする。
また、靴を脱いで上がる場所で、地面の上を引っ張りまわしたキャリーを持ち込むのも嫌で、そうなるとバッグのほうが使いやすいのだ。
リュックも試してみたことがあるけれど、担ぐときと置くときの向きを考えないと、チューブが身体を一周することになってしまった。
というのと、ちょうどよいサイズのリュックがなかったので、バッグ一択になっている。
だいぶと肩こりがひどくなってきたけれど、これが最適解なのだよなぁ。
酸素ボンベを使うのは主に外出時なのであるが、これには同調器というものがついている。
呼吸に合わせて、酸素を流したり、止めたりすることで、酸素を長持ちさせるための道具だ。
耳を澄ますと、呼吸に合わせて、ぷしゅっぷしゅっと酸素を吐き出す音を聞くことができる。
鼻にカニューレをつけているので、鼻で呼吸していないと、うまく吸えない。
鼻呼吸をしていないと、ぴーっぴーっと警戒音が鳴るようになっている。
ちょっと叱られている気分になる音だ。
呼吸していないぞ!大丈夫か!?って音なのだけど。
じゃあ、どんな時に、同調器に叱られるか、自分なりにパターンをモニターするようにしてみた。
一番は、当然であるが、スイッチを切らずにボンベを置いて離席したとき。持ち歩くのが嫌になって、もういいや!と思って置いて行く時、ちゃんとスイッチを切っていないと叱られる。
二番目は、喋っている時。
これまでも、喋る時は酸素の流入量を増やすようにしていたが、声を出すというのは息を吐くことであり、そのまま口で息を吸いやすい。
すると、鼻から息を吸っていないので、酸素が入らず、叱られる。
自分も苦しくなる。よくない。
三番目は、食事の時。
飲料をごくごくと一気に飲む時も呼吸を止めて飲んでいることがわかったが、食事の時も、食事と一緒に空気を取り入れているのか、鼻で息を吸っていない。
黙って食事をしているなら問題ないが、喋りながら食事をすると、結構、苦しくなりやすい。
四番目は、読書をしている時。
口は閉じているのに、警戒音が鳴ることが何度かあった。
口呼吸はしていないはずなのに、鼻呼吸もしていないということになる。
どうやら、私は時々、夢中になると、呼吸がおろそかになるらしい。
固唾をのむとはこのことか!?
自分でもびっくりした。
これは、小説を読んでいる時に起きるので、のめりこまないように気を付けながら読むという無理難題をふっかけられている気がする。
困った。
そんなわけで、歩いたり、喋ったりしているときには毎分2リットル、寝ているときには1リットルを目安に酸素を使っている。
座って黙って作業している分には、血中酸素が低下することはだんだんと無くなってきたように思う。
今もしんどくなるのは、立ったまま喋る、喋りながら食べる、階段を上る、といった場面だろうか。
なお、自宅では、酸素濃縮器を使っているので、酸素は出しっぱなし状態になる。
同調器の時よりも、若干、呼吸が楽に感じる。正直、ほっとする。
その代わり、長いチューブを持ち歩くのが面倒で、家の中のほうが酸素吸入を使うのをさぼるのだけど。そして、気分が悪くなるのだけど。
このチューブを踏んだりして酸素が流れなくなると、酸素濃縮器も警戒音と音声が鳴る仕組みになっている。
ボンベとどっちがよいかと問われたら、一長一短だなぁ。
肺炎の治療そのものは順調である。
肺のサイズも元の大きさを取り戻したようで、ステロイドの服用も終了した。
あとは、両脇の下からアンダーバストに沿ってぐるりと痛いのがなくなるといいのだけど。
この横隔膜の位置を示す筋肉痛が、努力呼吸の証拠だと言われると、まだまだ酸素はあったほうがいいなぁと思う。
酸素をケチったり、カニューレを外している時間が長いと、その時はいいけれど、夜から翌日になって筋肉痛がひどくなるから。
肺炎の治療が終わった後、在宅酸素療法はどう続くのか、いつまで続くのか、今度の受診時に忘れずに医師に聞いてみたいと思う。