ももた、退院しました
みなさんの、本当にたくさんの御支援に感謝します。
ももたの2週間ちょっとの入院生活の、特に手術をするまでの間は、病院からの電話があるたびに、ももたが急変したのではないか、命が失われたのではないかと考えました。
明日はもうあの子はいないのではないかと思いながら、夜を過ごしたものです。
そんな日々も、退院が見えてきてからの初めてのけが猫介護への不安の日々も、みなさんの優しさや祈りに支えていただきました。
ももたと一緒に、私にまで、たくさんの愛情を注いでくださったことに、心から感謝いたします。
実際の入院費用のほとんどを助けていただいたということ以上に、これだけ多くの方が肯定的な関心を持ってくださり、応援してくださったことが、私にとって忘れられない思い出となっていくでしょう。
そして、非常に厚かましいのは承知の上で、一部は次回あるかもしれない顎の手術分に備えさせてください。ケージやごはん代にあてさせてください。
と同時に、この御恩は、次の方の次の機会に、恩送りしていきます。
8月21日(日)。
その日は朝からどたばたとしていました。
ケージを組み立てるという大仕事に取り組んだからです。
私の体調不良のため、当日になるまで作業ができず。
かといって、ももたを連れて帰る前に作っておかないといけない。
ももたの退院が近づくにつれて、いくつかの「初めて」に遭遇することになり、そのたびにいろんな先輩がたのアドバイスをいただきました。
たとえば、ケージ。
まず、「ゲージじゃない」ということに始まり、どういうサイズのものがいいか、どういうところに気をつけて選べばよいか、おすすめのものなど、教えてもらいました。
通販サイトのなかで呆然としたまま、数日を過ごしていましたが、とあるメーカーの、2段で、スライド式の扉のものを注文。
あると便利で教えてもらった折り畳み式のサークルや、ケージの中に置くためのトイレも準備。
強制給餌についても、あればよいグッズのことや、おすすめのごはんや栄養剤など、教えてもらうたびに通販サイトへGO。
コロナ流行の折りであることと、私自身の免疫がさがった状態であることから、外出は極力避けた生活を送っているため、佐川さんとクロネコヤマトさんのお仕事を増やしてしまって申し訳ない。
もともと大食漢のももたが食べないなんて…。でも、なになら食べられるんだろう?という狭間でうなりながら、当日を迎えました。
ケージを作る合間にも、気分不良で床に倒れること、2回。
かいぬし、絶不調です。
抗がん剤治療については別に記事を書いておりますから、御興味をもっていただければ、とも思います。
とりあえず、きついのです。普段は、横になって痛みに耐えるしかない生活を送っています。
ケージ作りをする指先が神経障害で、力が入らない、動かない、ついでに痛いという状態ですから、気合と根性が頼みです。
家族にも心配されつつ、手伝ってもらいながら、なんとか形になったところで、家を出ないと午前中の診療に間に合わない時間になりました。
ももたの状態は、眼球摘出手術後は落ち着いているということでした。
鼻血が止まったことで、貧血が改善し、炎症反応もおさまってきた様子。
当初は肺にも薄く陰影があるという指摘がありましたが、首から下はとっても元気であること。
また、6.4kgから5.7kgにダイエットをしたとも言われました。
ダイエットにならざるを得なかったのは、自力で食事を摂ることができないから。
病院ではシリンジでウェットフードを与え、シリンジで水を飲ませていたと教えられました。
まずは一週間、家の中で食事を摂れるようになるかをトライしてみて、それができなかったから、顎の手術をすることを検討する、という方針です。
家に連れて帰ってみて、最初はケージの中に入れました。
病院でそうしていたように、ずっとうずくまっているのを見ることになるのかな、と思いましたが、とんでもない。
動く動く。騒ぐ。動く。騒ぐ騒ぐ。2段目にもジャンプ。トイレにも行く。動く。歩く。吠える。
弟妹猫たちが怖がって、家の中で気配を消しました。
にんげん一同、根負けしました。
ケージ、早くも役目終了です…。
ももたは、どうやらにんげん家族を覚えてくれていたようです。
喉を鳴らし、鼻を鳴らし、前足でふみふみします。
家族が一瞬でも見えなくなると大声をあげます。
常に触れていて、撫でてていて、そばにいると落ち着いて、静かになります。
でも、トイレに行こうとしたり、ご飯を作ろうとしたり、にんげんが立ち上がるとももたも立ち上がります。
にんげんの足もとにすりよりながら、にんげんと一緒に家の中を行ったり来たり。
にんげんのほうも、ももたの意図をくみ取ろうとして、一緒に家の中を行ったり来たり。
ももたは口を閉じられず、よだれがだらだら状態なので、それを拭いて回るために、もう一度、一緒に家の中を行ったり来たり。
そうこうするうちに、ももた、飲水はできました。
ペット用のフィルター付き給水器を以前から使っていたのですが、指でとんとんと示すと、不器用ながらも何度も舐めました。
顔も胸のあたりもびちゃびちゃになりながらでも、水は飲むことができる。
これには、だいぶと安心しました。
安心できないのは、やはり、食事の方です。
これまで一番好きだったウェットフードを出せば食いついてくれるんじゃないかと楽観的に思っていたのですが、食事に食事と意識できていない気がします。
おそらく、かなり空腹であろうとは思うし、ももたの大騒ぎの半分ぐらいは「おなかすいたー」ではないかと思うのです。
スプーンを使ったり、ちゅーるを出してみたり、いろいろと試した最終技は、母がウェットフードを肉団子状にして口に放り込むという方法でした。
母、強かったです。
うまく食べられない理由としては、観察してみて次の3つの理由が重なっているように思いました。
第一に、視野が非常に狭い。右目で見えている範囲が狭く、正面ぐらいしか認知できていない感じがします。それで、人をすぐに見失って怖くなるし、食べ物を指し示そうとしても気づけないのではないか。
第二に、鼻骨を骨折し、鼻の構造が大きく壊れているので、嗅覚を失っているのではないか。かつお節にも反応しないなんて。どのフードを出しても、においをかごうともしない様子です。
第三に、ももたは左の牙が折れたので抜いており、顎が折れたこともあって、舌がやや左よりずれて、だらんと口から出ている状態になっています。そのため、なめようとしたときに、ほんにんの狙った位置とおりに舌が動かすことができていないように見受けました。
猫語の喋れるPTさんやSTさんに助けてもらえたらいいのに。
よだれをだらだら振りまきながら、一途について歩いてくる姿を見ると、やっぱり胸が痛くなるのです。
男の子にしてはきれいずきで、わりとしょっちゅう毛づくろいしていて、弟妹猫たちの世話も焼いてきた子です。
そんな子が弟妹猫たちから怖がられて逃げ回られるのも、胸が痛くなります。弟妹猫たちも心配ですし。
私はちょっとだけ嗅覚の過敏があるので、ももたのよだれのにおいだらけになるのは嫌だと思ってしまって、特に出勤前にズボンがよだれだらけになるのには困ってしまって、ももたに申し訳ない気持ちにもなりました。
好きでやっているわけじゃないのに。
けがをする前にしていたように膝の上で丸くなり、いつもの添い寝ポジションの枕元に丸くなる、その姿が小さくなってしまいました。(いや、痩せた方がいい体型ではあったのだけど)
もう一回の入院や手術をさせるより、どうにかこうにか、大食漢の本能が目覚めてくれないものか。
それよりも、夜は寝てほしい。静かに寝てほしい。ももたは寝なくてもいいから、にんげんを寝せてほしい。
しばらく、ももたに振り回されながら、介護生活をがんばろうと思います。
カバー写真は、在りし日のももた。
かいぬしが歯磨きしたりしていると、こうして足の上にお尻がのったり、しっぽがのったり。
闘病中にも関わらず猫を飼うことへの御批判もいただきました。私が皆さんから御支援を集める行動を取ったことへの御批判であったと理解しています。
このような体調になる前から一緒に生活していること、そして、闘病を励ましてきてくれたのも彼ら小さな家族であることをもって、抗弁しておきたく思います。
ひとりでは耐えられないような時間帯にぬくもりややわらかさやすべらかさが、どれだけ助けてくれるか。
私に届いた言葉が、同じように闘病中であり、同じように小さな家族を世話している方たちを傷つけることがありませんように。
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