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『井賀論。』 vol.1 “カメラひとつで世界を撮れ”

※このマガジンは写真雑誌「フォトコン」において2017年に一年間連載したものを掲載しています。基本、加筆修正は行わず、写真を新たに付け加えています。

ROUND1 なぜ写真を撮るのか

11月18日、まだ柔らかい午後の日差しが残る中、フォトコン編集部にて打合せが行われた。その席でS副編集長が不意に言い出した。

「井賀さんの好きなように書いてください。何を書いてもらっても結構です。なんなら写真のことじゃなくても」

「んなあほな!」驚く私に、S副編集長は尚も続ける。

「連載のタイトルは、もういっそ『井賀論。』にしようかと思うのですが」と…

ということで『井賀論。』始めます。みなさま1年間おつき合いのほど、よろしくお願い申しあげます。

皆さんはなぜ写真を撮っていますか?

賞を取りたいからですか。それとも綺麗に上手く撮って人に褒められたい。単純に楽しい。もちろんそれらは悪いことではないし、きっかけとしてはそれで良いと思います。最初は誰もが初心者です。カメラの使い方も分からなければ、露出やシャッタースピードなどの知識もない。本を読んだり人に聞くのは当然です。私もそうでした。でも慣れてくればそれをやめましょう。それだけじゃ勿体ない。

私はこう思っています。

賞を取りたい、人に褒められたい。いや違う。そんなことじゃないだろう。写真の醍醐味は。

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自分の前に立ち現れたこの景色とどう向き合うか、どう切り取るか。世界と対峙するのだ、カメラと供に。身ひとつなら出来ないかもしれない。世界はあまりに広く大きく、漠としているから。でもカメラがあればそれができる。自分の感性で好きなものを好きなように撮れば良い。そこに自分の‘世界’が現れる。

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そうやって撮った写真が結果、賞に結びつくかもしれません(笑)

第1回は導入ということで。次回以降もっと具体的に話します。


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