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「憑依力」プロダクトマネージャーがユーザーになりきる技術

こんにちは。

「RENOSYマイページ」のプロダクトマネージャーを担当している野浪です。第一回の馬場さんに続き、RENOSYのプロダクト紹介やPdMとしての考えを紹介させてください。

第一回の記事はこちら!

時間のない方のために本記事の概要&目次を用意しましたので、詳しく読みたいところがあったらそこだけご一読いただけましたら幸いです。

今回の話の概要:
PdMがユーザー目線でプロダクトに向き合うことを技術として高めるために「憑依力」が大切なのではないか、という話。

この記事はこんな方にオススメです:

・将来プロダクトマネージャーを目指していて「PdMってどんな事を考えて仕事をしているの?」と疑問に思っている方
・現在プロダクトマネージャーをしていて「他の人はどんな風にプロダクトづくりをしているの?」とお考えの方


自己紹介

はじめに少し自己紹介をさせていただくと、私がGA technologiesに入ったのは2017年で、ついに入社から4年の年月が経ちました。

現在はRENOSYマイページ(後述)のプロダクトマネージャーをしていて、プロダクト戦略やロードマップ策定、機能要件定義、ディレクションまでを幅広く担当しています。

趣味は中国語の勉強と美術館めぐりです。

中国語の方は大学時代専攻していて、今も忘れないように中国語のドラマを見たり、中国語が話せるスタッフに用もなく中国語で話しかけたりしています(笑)。

好きな画家は藤田嗣治さんと五木田智央さんです。

担当プロダクト:RENOSYマイページ

さて、私のことはどうでもいいのでプロダクトの紹介に移りましょう。

私が担当しているRENOSYマイページは、不動産オーナーのための所有物件関連情報サービスです。

AIが物件の売却価格・賃料を推定し毎月の変動を教えてくれるほか、所有物件に関する様々な情報・コンテンツを提供しています。

詳しくはこちらの動画もどうぞ。

特に、7月のアップデートでは、所有物件の買いたい・借りたいニーズがわかるように、お住まいのマンションのPVやランキング、近隣の相場などがわかる機能(※)が追加されたことにより、1ヶ月間でユーザーが一気に伸びたりもしました。
※RENOSYに掲載されている物件限定で使える機能です。

まだまだMVP(Minimum Viable Product)での検証フェーズで、使いにくい部分も多いのですが、これからも少しづつ機能追加や改善をして、不動産オーナーに取って価値あるサービスにしていきたいと思っています。

今回はせっかくこのような機会をいただいたので、自分がプロダクトづくりをする上で大切にしていることの話をしたいと思います。

少しクセが強いかもしれませんがお付き合いください。

PdMに必要な「憑依力」

私がPdMとして働く中で一番大切にしているのは、使う人の立場に立ってプロダクトを見つめ、より良い体験をプロダクトで具現化することです。

そんなの当たり前じゃん。

と思うかもしれませんが、私がプロダクトマネージャーの仕事を通して感じてきたのは、この「使う人の立場になる」ことにも技術やセンスがあるのではないか、ということです。

例えば私は今、RENOSYで不動産オーナー向けのサービスを担当していますが、恥ずかしながら不動産を所有してはいません。

それでも「ユーザーの気持ちになりきる」技術があれば、完璧ではなくても不動産オーナーに使ってもらえる、価値のあるプロダクトが作れるはず。(できているのか自問...)

この「なりきる」技術の事を私は(勝手に)「憑依力」と呼んでいます。

少しネットで調べてみたところ他のPdMの方でも「憑依」という言葉を使ってる人がいらっしゃいました。「憑依系プロダクトマネージャー」が同時多発的に増えているのかもしれません。

おそらく使っている方によって言葉の定義は微妙に違うかもしれませんが、今回は私なりに少し掘り下げて、ユーザーを憑依させるプロセスや、「憑依力」を高める練習方法について話したいと思います。

興味がありそうでしたら引き続きご閲読ください。

憑依力=ユーザーになりきる力

前提として、私たちGA technologiesでは既存の不動産に関するユーザー体験がこれまでよりも何倍もよくなるように「リアル」と「テック」で新しい価値と体験を一から再構築しています。

ですから、不動産に関する一つ一つの課題やニーズに対して既存のプロセスをそのままデジタル化・オンライン化させるのではなく「本質的にはこういう課題(ニーズ)があるのではないか」という仮説を立て素早く検証し、細かく改善していくプロダクトづくりをしていることが多いです。

そういった新しい価値を素早くプロダクトとしてリリースする際、リリースの前段階でいかに課題やニーズの仮説の精度を高め、且つ「やること」と「やらないこと」を精査して最短でリリースできるかが価値あるプロダクトを作る上で重要なファクターになります。

そのために必要なのが「憑依力」です。

意識的に事業者目線をやめ、主観を捨て、自己の記憶や経験をリセットした上で徹底的に「いちユーザー」になり切って(=憑依させて)プロダクトを見つめることができれば、リリースやユーザーテストを何度もする前に、コンパクトにプロダクトの改善を回すことができます。

ユーザーを憑依させる手順

では、意識的に「ユーザーになりきる」ためにどのような手順が必要かを私なりに説明してみたいと思います。

「憑依力」はそもそも勝手に作ったワードですから公式の手順があるわけではないですが、私なりに普段やってるプロセスを整理してみました。

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1.徹底的に仮説の後ろ盾となる情報を集めて一人のユーザー像を作る

ここはいわゆるペルソナを作る過程です。


2.意識的に自己マインドを捨てる

ヨガのシャバーサナ(しかばねのポーズ)のイメージです。自己のマインドから意識的に自我を取り除いてください。(本人至って本気です!)


3.対象ユーザー像をインストールする

1番で作り上げたペルソナ像を自分の中にインストールします。他人に「なりきる」技術が重要になります。


4.対象ユーザーの利用場面を想像し、ユーザーになりきってプロダクトに触れる

コツは、心の中で感想を言うのではなく、口に出してみることです。

口に出すことで「わかりづらい」なのか「見づらい」なのかという改善点の解像度をより高めることができます。


5.PdMとしてのマインドに戻して評価を見直し、改善に活かす

改めてPdMとしての自分の目線から、なりきったユーザー(自分)からのフィードバックを検証し改善に活かします。


「憑依力」の活用例

では、この憑依力をどのような場面で活用すればいいでしょうか?

憑依力を活用する場面は企画、要件定義、リリース前の確認時、新機能の検討時など、プロダクトを見直すときであればいつでも使えます。

例えば、ある機能のアップデートをリリース前に実機で確認する場合でも、「PdMとしての目線」と「(憑依させた)ユーザーとしての目線」とは、明確に使い分けて確認を行うのがオススメです。

「実装上の要件を満たしているか」だけをテストして終わるのではなく、一度PdMとしての目線を消し去った上で「ユーザー目線で使った時に価値があるか」も確認していくのが我々プロダクトマネージャーとっての役割なのではないかと思います。

憑依を習慣的に行えるようになったら、様々な場面で活用してみてください。

「憑依力」を高める2つの方法

憑依憑依としつこくてすみません笑。最後に「じゃあどうやってそのスキルを身に付けるの?」という方のために憑依力アップに役立つ方法を2つ挙げてみました。

・SlackやLINEで昔の自分の発言を観察する
他者の目線で客観的に自分のプロダクトを見るための練習です。

自己マインドを捨ててプロダクトを意識的に客観視する練習として、SlackやLINEに残っている1、2年前の自分の発言を見てみてください。

「この時の自分ちょっと何言ってるかわからないぞ」「もっとうまくコミュニケーションできたのに」というような気づきがあれば、自己を客観的に評価できている証拠です。

同じ要領でプロダクトを見ると、客観的にプロダクトをレビューする感覚を掴めるようになると思います。


・本気で誰かの真似をする

みなさんは身の回りの人や芸能人の真似をする練習をしたことはありますか?それもただ声真似をするとかではなく、身振りや口癖、呼吸の取り方までを詳細に研究するタイプの真似です。

本気でその人の真似をしようと思ったら、例えば録画した映像を何回も見てその人が何を言っているかを注意深く観察しますし、それを真似る時には脳内でその人の人格になりきる、という思考が働きます。

例えばセールスのスキルアップの方法の一つにロールプレイングがあるように、本気で他者を観察し、再現性をもって振る舞えるように研究することは、ユーザーの考えや行動を理解したり、それに対しての適切な対応を考えるのに役立ちます。

他者になりきるようになるための訓練は少々ハードルが高いかもしれませんが、「ユーザーならどう感じ、どう考えるか」を意識的に掴み取り、それをプロダクトに活かしたい人にとっては、近道の一つなのではないかと考えています。

最後に

今回はPdMのスキルの一つである「憑依力」について深掘りしてみました。

これがPdMにとっての必須スキル、というわけではないと思いますが、定量的に分析可能なデータや、実際の顧客からのヒアリング、ユーザーテストといったよりリアルなフィードバックと一緒に、自分自身の中にもう一人のユーザー像をインストールしていくことが、質の高いプロダクトをスピード感を持って作る一助になるのでは、というお話でした。

少し心配なことがありまして...

この記事も、「憑依力」を使っていちnote読者になり切って何度も読み返して書き直したのですが、あまり面白くありませんでした。。「私には文才がないかもしれない...」これが今回の学びです!汗

徹底的にユーザー目線でプロダクトを推進してくれる方募集中!

最後に。

GA technologiesでは一緒に「徹底的にユーザー目線で」RENOSYの様々なプロダクトを作ってくれる、PdMやデザイナー、エンジニアなどを絶賛・積極・募集中です。

RENOSYを通して「買う」「売る」「借りる」「貸す」「投資する」といった不動産取引における顧客体験を良くしていくことを目的としてプロダクトを強化しています。(0→1、改善、どちらもあります)

今、私たちが目指す世界観を実現するにはメンバーが足りません!

ちょっと興味あるかも、という方がいたら下のリンクからお気軽にお声がけください!

最後まで読んでいただいてありがとうございます。今回のお話が何かの役に立ちましたら幸いです。


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