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投資初心者は何から始める?初めての人が知っておく・考えておくべき大前提の知識をまとめました


これから投資を始めようと考えている初心者向けに、理解しておいた方がいいだろう知識をざっくりまとめました

普段は、本・映画の感想を書いているブログ「ルシルナ」を運営しています。気が向いたら読んでみて下さい。

自己紹介と、「弟に投資のアドバイスをするとしたら?」という本記事のスタンスについて

さて、この記事では、「初心者が投資を始める前に理解しておくべき事柄」についてまとめました。ただ私は別に、投資の実績があるわけでも、投資経験が長いわけでもありません。単に「ちょっと投資をかじっている」という程度の人間です。なので、この記事に書いてあることは「まったくの的外れ」という可能性もあるでしょう。

ただ、「物事を理解する力」と「理解したことをアウトプットする力」はそれなりにあると思っているので、そういう自分が「投資初心者向け」に伝えられることもあるのではないかと考えてこの記事を書くことにしました。というのも、投資に関する記事を読んでいても、「最初の一歩を踏み出すのが難しいなぁ」と感じることが多い気がするからです。

そんなわけで私は、この記事を「もし弟に投資のアドバイスを求められたら、何をどう説明するか?」という視点から書くことにします。弟は確か「高校中退」で、さらに「投資はやっていない」はずです。「確か」「はず」と書いているのは弟のことをよく知らないからで、そんなわけで実際には、弟から投資について相談されることはないでしょう。ただ、そういう想定で文章を書くことでと、広く「投資初心者向け」と言える内容になるのではないかと考えたというわけです。

とはいえ、投資の素人が書いている記事なので、書かれている内容について気になる方は、ネットで改めて調べて真偽を判断して下さい。もちろん、「これはおかしな記述だ」という指摘があれば、随時教えていただければと思います。

「NISA」についての説明

さてまずは、この記事を書こうと思った直接的な理由について触れておくことにしましょう。

ネットで投資の記事を目にする際、「NISAをやるべきか否か」みたいな記事タイトルを見かけることが結構あります。もちろんですが、記事を書いている側は「『NISA』の何たるかを理解した上で、色んな理由からそのような記事タイトルを付けている」のでしょう。しかし、やはり投資初心者には誤解を与える表現だなと感じます。なのでまずは、「NISAをどう理解すべきか」について説明することにしましょう。

ざっくりした結論は、以下のようになります。

投資をやるならNISAをやるべきだし、投資をやらないならNISAは不要

実に当たり前の話なのですが、投資初心者はこの辺りの理解から始めた方がいいんじゃないかとも思うので、もう少し具体的に説明することにします。ここでは、「あるアウトドアショップの会員カード」を例に取ることにしましょう。「アウトドアショップ」でなくても、思い浮かべやすいものがあれば何でも構いません。

さて、「XYZアウトドア」という名前のアウトドアショップには、会員カードがあります。入会すると「全品半額」になるメチャクチャお得なカードです。アウトドア用品を買う人なら、この会員カードを作って「XYZアウトドア」に通うべきでしょう。

一方で私は、アウトドアやキャンプには一切興味がありません。なので、「XYZアウトドア」に足を運ぶことはまずないと思います。では、そんな私は、同店の会員カードを作るべきでしょうか? もちろん、「XYZアウトドア」に行かないのなら、会員カードを作っても意味がありません。どれだけお得な会員カードでも、同店を利用しないなら不要というわけです。

さて、この「XYZアウトドア」と「会員カード」の関係は、そのまま「投資」と「NISA」の関係に置き換えられます。「NISA」というのはざっくり言うと、「一定の投資金額までなら、利益を上げても国は税金を取りませんよ」という仕組みであり、「全品半額」ぐらいお得な制度です。もちろん、「NISA」を使うことで制限されることもある(「損益通算」など)ので、お得なだけの制度ではありませんが、投資初心者はあまりその辺りについて考えなくていいでしょう。

なので、「NISAを始めるかどうか」という問いは結局のところ「投資を始めるかどうか」とイコールであり、「投資を始めるならNISAも始める、投資をやらないならNISAもやらない」という判断で概ね問題ないと思います。

「投資を始めるか否か」の決断に際して考えるべきこと

それでは次に、「投資を始めるかどうか」の判断をする際、何について考えるべきなのかについて書いていくことにしましょう。

まず私が最も重要だと考えていることは、「最終的に自分で決断出来るかどうか」です。もちろん、「未経験のことを始めようとしている」わけで、色んな人からアドバイスをもらったり、ネットや本の記述を参考にしたりするのは当然でしょう。ただ、「◯◯さんがこう言ってたから」「ネットの記事にこう書いてあったから」という理由で投資行動を判断するのはなかなか危険です。そうではなく、「こういう理屈でこの株・投資信託を買う」「こういう理屈で保有資産を売却する」のように、自らの判断で投資行動が決断できるようにならなければなりません。

そして、それが出来なそうな人は、投資に手を出さない方がいいと私は思います。

私も別に、メチャクチャちゃんとした理屈を持っているというわけではありません。ただ一応自分なりの判断基準はそれなりにあって、「当面こういうスタンスで続けていこう」みたいに考えているというわけです。未来のことは誰にも分からないわけで(なので「絶対にこうなる!」みたいな主張をしている人のことは信じないようにしましょう)、後は「自分が信じたやり方をどれだけ貫けるか」次第だとわたしは思っています。

だからまずは、「色々調べた上で、それでも『自分なりの理屈』が持てなそうなら、投資には手を出さない」ぐらいに考えておくのが良いでしょう。

また、一口に「投資」と言っても、「個別株」「投資信託」「FX」「先物取引」「不動産投資」「暗号資産」「iDeCo」など様々存在し、もちろんそれぞれにメリット・デメリットがあります。そして何に手を出すにせよ、絶対に「どんなリスクがあるのかを把握すべき」です。

例えば「外国株やそれに連動した投資信託」なら「為替リスク」があるし、「FX」のように信用取引が可能な場合は「借金を負うリスク」があるでしょう。「不動産投資」には「流動性」や「空室」のリスクがあるし、「暗号資産」の場合は税制上の問題でトラブルを抱える人が多い印象があります。また、「iDeCo」には「ある一定の年齢までお金を引き出せない」という制約があり、これも「リスク」と捉えていいでしょう。他にも色々あると思いますが、とにかく「投資」には「リスク」が付き物なので、「どういうリスクに晒される可能性があるか」はきちんと把握しておくべきです。

また、今世の中の物価が上がりつつありますが、そのような「インフレの世界」においては、相対的に「現金」の価値が下がります。つまり、「投資をせず銀行に預けたままだと、インフレ時には実質的に損をする」ということになるわけです。「投資をせずに現金で持っておくのが一番安全」みたいな感覚を持っている人もいると思いますが、「現金で保有すること(預金)」にも「リスク」があることは理解しておくべきでしょう。

ちなみに、「リスクの無い投資は無いのか?」と考える人もいるでしょうが、私が知っている範囲内では、「日本国債」がそれに最も近いのではないかと思っています。「日本国債」は「日本政府にお金を貸している」みたいなイメージで捉えればいいでしょう。そして「貸した金額(日本国債を購入した金額)に応じて、しばらくしたら『利子』に相当するお金が戻ってくる」という仕組みです。

「日本国債」が有するリスクは、「日本が破産した場合に、元本の回収が不可能になる」の1点のみだと私は思っています(あとは預金と同様、インフレジに価値が下がるリスクがある)。ただ、今後もずっと日本に住み続けるつもりの人には「日本が破産した時点で人生終わり」なわけで、となると「元本の回収が不可能」というのはリスクでも何でもないでしょう(同じぐらい酷いことが同時に起こるはずなので)。というわけで、「未来永劫日本に住み続けるつもりの人」にとっては、「日本国債」は「ほぼノーリスクの投資」と言っていいのではないかと思っています。

「投資を始める」と決断した後に考えるべきこと

では、「やっぱり投資を始めてみよう!」と思い立ったら、次は何をしたらいいでしょうか? というわけでこの記事では、「ネット証券の口座を開く」みたいな実際的な話には触れず、「いかに自分のスタンスを決めるか」という思考の部分について触れたいと思います。

まずは、「画面に張り付いてチャートなどを見続ける」から「買ったらほったらかす」の範囲内で、「投資に対して自分の時間をどの程度割くか」について考えてみましょう。そして、「これから専業のトレーダーとしてやっていくぞ!」みたいな人でない限り、基本的には「買ったらほったらかす」に近いスタンスを選択した方がいいと個人的には思っています。

その理由は、「『画面に張り付いてチャートなどを見続ける』みたいな人とは、相当頑張らないとまともには闘えない」からです。投資の勉強はもちろんのこと、世の中全体にアンテナを張らなければならず、さらにその上でセンスも求められる、みたいな世界のはずなので、かなりハードだと言えると思います。もちろん、「そういう世界でやってやるぜ!」みたいな人はそれでいいんですが、「そんなに投資に時間は割けないなぁ」という人の方が圧倒的に多いと思います。なので、基本的には「なるべく『ほったらかし』でそれなりの利益を得るにはどうしたらいいか?」という観点から自分の投資行動を考えるのが良いと思います。

そしてこの時点で、「個別株」「投資信託」「iDeCo」辺りに選択肢が絞られるでしょう。

次に考えるべきことは、「どのぐらいのお金をどのようにして投入するか?」です。

さて、まずは「iDeCo」について触れますが、先述した通りiDeCoは「一定の年齢になるまでお金を引き出せない仕組み」なので、「個別株や投資信託にある程度お金を投じた上で、なお資金に余裕があるなら始めるべき」だと私は考えています。iDeCoは税金の優遇がかなり大きいので使った方がいいのですが、やはり「引き出せないリスク」が大きいので、かなり資金に余裕がないと厳しいでしょう。私もこの点を考慮して、iDeCoはまだ始めていません。

では「個別株・投資信託」にどの程度のお金を投じるべきでしょうか? この点に関しては「人による」としか言いようがないと思います。基本的には、個別株で「空売り」(興味があれば調べてみて下さい)でもしない限り、「個別株・投資信託」を売買しているだけでは「投じた金額以上の損失を被ること」はありません。例えば、投資信託を100万円分買ったとして、どれだけ値下がりしても、100万円が0円になるのが最大の損失で、それ以上はないということです(「空売り」の場合は、100万円で買ったものが300万円のマイナスを生むみたいなことがあり得る)。

なので私は、「投じた資金が万が一0円になってしまったとしても、最悪許容できる金額」にするのがいいんじゃないかと思っています。この辺りの「リスク許容度」は人によって違うので、「投資に回したお金が無くなること」をリアルに想像した上で、自分なりの上限を決めるといいでしょう。

そしてあと1つ。これは「自分のスタンスを決める」みたいな話とは少し違うのですが、押さえておくべきだろうポイントがあります。それは「投資は結局『運』だ」ということです。

もちろん「実力」がまったく関係しないわけではないでしょうが、投資における「実力」が差を生むのは「画面に張り付いてチャートなどを見続ける人」だと思います。「ほったらかし」を選んだ場合は、「ほぼ運」と捉えておくべきでしょう。例えば、個別株でも投資信託でも同じですが、買った翌日に急落する可能性だってあるわけです。これまでも、9.11テロやコロナショック、あるいはウクライナ侵攻など様々なタイミングで株価は急落してきました。なので、「よし、株・投資信託を買うぞ!」と意気込んで購入してはみたものの、その翌日に世界的な大事件が起きれば、一気に資産が目減りしてしまうかもしれないのです。

そして正直なところ、「投資」に関わる以上はこのような「リスク」を避けようがないと思います。私は、「そういうリスクがあると分かった上でなお投資をすべき」と考えているわけですが、そうは思えない人もいるでしょう。なので、既に「投資を始める」と決断していたとしても、最後にもう一度「投資は『運』である」という点について検討し、投資を始めるかどうか改めて自分の気持ちを確認してみるのがいいと思います。

投資信託はどう選ぶべきか

「個別株」については、この記事では特に触れません。ネットで調べれば色んな記事が出てくるので、気に入ったやり方で個別株を選んでみるといいと思います。

ここでは少し、投資信託について触れておおくことにしましょう。

「投資信託と言えばオルカン」というぐらい有名な「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という商品があります。私も、投資信託購入額の7~8割はオルカンです。もちろんオルカンについても色々言う人はいるわけですが、「ほったらかし」を選んだ人にとっては「これ一択でいいんじゃないか」と私は思います。

オルカンの良さは「手数料が安いこと」と「インデックス型であること」だと言えるでしょう。そしてこの2点は、投資信託を選ぶ際の基本中の基本だと思います。

まず投資信託には、「販売手数料」「信託財産留保額」「信託報酬」など様々な「手数料」が存在しますが、とにかくこれらが安いものが正義です。ネット証券に登録すれば、色んな投資信託についてこれらの手数料の金額をチェック出来るので比較してみましょう。とにかく、どれだけ優秀な成績を上げている投資信託でも、手数料が高ければ手元に残る金額は少なくなってしまいます。とにかく、「手数料が安いことが正義」だと覚えておきましょう。

そしてそのような観点から考えると、投資信託の売買は「ネット証券一択」と言っていいと思います。というのも、銀行などが投資信託を販売する際には、より一層手数料が上乗せされるはずだからです。なので、「投資信託はネット証券で、手数料が安いものを買う」と覚えておくと良いでしょう。

また投資信託には、大きく分けて「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類があります。そして、まずは後者の「アクティブ型」から説明しますが、これは「プロが選定した銘柄で運用するもの」です。

では「インデックス型」とは何でしょうか。これは「ベンチマークに定めた指標に連動するように作られたもの」です。ただ、これではちょっと意味が分からないかもしれないので、次のような例で説明してみることにします。

例えばあるスーパーが、「気温が35度から1度上がる毎に、アイスを10円値引きします」というキャンペーンを始めたとしましょう。この場合、気温36度で10円引き、気温37度で20円引き、気温38度で30円引き……ということになります。そしてこれは、「ベンチマークに定めた指標(気温)に連動するようにアイスの値段が決まる」と表現できるでしょう。

「インデックス型」も同じように考えられます。例えば「日経平均」をベンチマークにした投資信託の場合、日経平均が上がれば投資信託の金額も上がり、逆もまた然りというわけです。このような仕組みの投資信託が「インデックス型」と呼ばれています。

では「インデックス型」と「アクティブ型」はどちらが良いのでしょうか? なんとなく「プロが選んだ方が成績が良さそう」と思うかもしれませんが、過去の様々なデータを踏まえると、「ほとんどの『アクティブ型』が『インデックス型』の成績より下回る」らしいです。もちろん中には「インデックス型」を上回る成績を叩き出す投資信託もあるわけですが、それはごく少数なのでしょう。

というわけで、基本的には「インデックス型」の投資信託を選んでおけば問題ないと思います。

ではオルカンは一体何をベンチマークにしているのでしょうか? それは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」と呼ばれる指標で、これは「世界中の会社の時価総額全体の85%をカバーする」とされています。組み入れられる銘柄(世界中の様々な会社)は定期的に入れ替えられ、それによって「時価総額全体の85%がカバーされるように調整されている」というわけです。

今はアメリカの企業がメチャクチャ強いので、先の指標でも6割がアメリカ企業だそうですが、例えば今後アフリカから時価総額の大きな会社がボコボコ生まれれば、それらも組み入れられることになります。なのでオルカンを買っておけば、「タイムラグは多少あるものの、『その時点における時価総額の高い会社』のほとんどに投資が出来る」ことになるわけです。この手軽さもオルカンが人気の理由と言えるでしょう。

さて最後に、投資について調べるとよく出てくる「ドルコスト平均法」について触れておきたいと思います。詳しいことは検索してもらうとして、「毎月一定の金額を積み立てるやり方にすると最もリスクが低い」という主張の際によく使われるものです。私も、基本的には「ドルコスト平均法」は良い方法だと思っています。

ただ、そうじゃなくても良いケースだってあるはずです。例えば、「全体的に右肩上がりで推移しそうだ」というような場合が挙げられます。もちろんこれは「未来に対する予測」でしかなく、外れることもあるでしょう。ただ、「多少の上下はあっても、概ね右肩上がりで動くだろう」と自分が信じたものについては、「毎月一定額の積み立て」ではなく「一括購入」もアリではないかと思っています。

もちろん、「一括購入」もリスキーなのでそれぞれで判断してほしいですが、「ドルコスト平均法」一辺倒というのもどうかなと思い、一応書いてみました。

最後に

ネットで色々と調べれば、「どんな風に投資すべきか」みたいな情報はたくさん出てきます。ただ、「そもそも投資をすべきか」について検討できるような情報はあまりないような印象を持っていました。この記事では、その辺りのことが補完できていたらいいなと思います。

個人的には「投資はした方がいい」と考えていますが、ただ、「起こり得るリスクが顕在化した時に自分の感情がどう動くか」など、「金銭的なメリット」だけでは測れない要素もあるはずです。そのような点も考慮しつつ、「自分は投資に手を出さない方がいいだろう」と判断するのも立派な決断だと思います。

この記事が、そんな一助になれば幸いです。


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