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ちょっと見てって✌️ 創作都市伝説

第3幕 死なない男

古代の呪術、蠱毒(こどく)。
百虫を同じ壺で飼育し、互いに喰らわせ、最後の1匹になるまで殺し合わせる。この毒を採取して飲食物に混ぜ、人に害を加えたり、思い通りに福を得たり、富貴を図ったりする。人がこの毒に当たると、症状はさまざまであるが「一定期間のうちにその人は大抵死ぬ」

この蠱毒に着想を得たとある国のとある機関が征服した国である実験を行った。大きな穴の中に100人の男女を閉じ込め、初日は100人分の食料を、翌日には70人分を、その翌日には50人分を、と徐々に徐々に食料を減らしていった。そうすると、命令もしてもいないのにそれは起こる。殺し合いだ。人を殺す覚悟のない者から死んでいく、そうして20人ほどまでに減っていく。減った所で逐次投入されまた100人に戻る。食料を減らされる、殺し合いが始まる、人が減る、逐次投入される。このループを7周ほどした頃、変化が訪れる。もう人は投入しない。だが、最後の1人になったものは解放する。とある機関が条件を提示したのだ。それは最初の100人が閉じ込められて3ヶ月後の出来事だった。やっと外に出れるかもしれない。自由になれる。もう人は殺さなくていいんだ。こいつらを殺しさえすれば、、、。
皆が一様にそう思っていた。そして最後の戦いが繰り広げられ決着がついた。最後の1人になったのは1番最初におおきな穴に閉じ込められた100人のうちの1人の男だった。彼はひたすらに闘った。途中からなぜ人を殺しているのかもわからなくなっていたが体が勝手に動いていた。人を殺す動きを。そしてとうとう解放される。とある機関の男たちはいう。君こそが死なない男だ。一番最初から最後まで生きていたのは君が初めてだ。おめでとう。そう言いながら大きな穴の出口への梯子を出される。梯子を登り、周りを見渡して唖然とする。自分が入っていた穴の周りには無数の大きな穴があり、その穴から1人、そして違う大きな穴からまた1人、這い上がってくる。そこで男の記憶が途切れた。
目を覚ますとまた大きな穴の底にいる。周りには自分と同じ様に体に傷を負ったもの達が100人近くいる。
食料は見ずともわかる。

1人分だ。

これはとある国のとある機関が行った、征服した国の捕虜を楽しみながら効率的に処理していく方法。1番最初に閉じ込められた男が最後まで生き残ったことにちなんで

    「死なない男」 

という計画名がつけられ、その後3年間に渡って続いたという。


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