おすすめ映画|スタンド・バイ・ミー
監督:ロブ・ライナー
脚本:ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン
原作:スティーヴン・キング
出演者:ウィル・ウィーストン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド ほか
公開:1986年(アメリカ)、1987年(日本)
上映時間:89分
◇あらすじ◇
1959年、オレゴン州のキャッスルロック。
寂れて貧しいこの町で暮らす、12歳のゴーディ、クリス、テディ、バーンの4人は、それぞれ悩みを抱えつつも仲良くつるんでいた。
そんなある日、遠く離れたハーロウロードに死体が野ざらしのまま放置されているという情報を偶然にも入手する。
死体を発見すれば、新聞やテレビから注目を浴び有名人になれると考えた4人は、大人たちには秘密にしたままハーロウロードへと続く線路を歩き始めた。
◇感想◇
スティーヴン・キングの原作小説を映像化した、本作『スタンド・バイ・ミー』。
キングと言えば、『シャイニング』『IT』『ミスト』『キャリー』のようなホラーの方が本職の作家でありますが、『スタンド・バイ・ミー』はホラー要素はオミットした上で、等身大の多感な少年の心情を描く点に重きを置いています。
特に、ゴーディやクリスが自分の本心を吐露する場面では、とても胸が締め付けられるような展開があり、そこには将来に不安を抱くリアルな12歳の姿があります。
そのため、パッケージ画像などから『グーニーズ』のような心躍る大冒険的ストーリーを想像して視聴すると、その描き方に驚かされてしまうかも知れません。
そして、今作の魅力をより引き立てている存在が、ゴーディたちと相対する不良グループのリーダー、エース役のキーファー・サザーランド。
キーファーは、海外ドラマ『24-TWENTY FOUR-』の主人公ジャック・バウアー役で一世を風靡するわけですが、それより数十年前の彼の若さゆえの危うさを含んだ演技にも注目していただきたいですね。
ここからは私個人の話になりますが、この映画は小学生の頃に初めて視聴しました。
それ以降も数年に一度のペースで見ていたのですが、その度に徐々に違った印象を受けるようになりました。
もちろん、作品自体は変わらずそのままな訳ですが、こちらが歳を取るにつれて同世代への感情移入から、幼き日へのノスタルジーへと移り変わっていきます。
しかし、ゴーディたちとの年齢が開けば開くほど、逆にゴーディたちの気持ちをより汲み取れるようになったのも感じます。
そういう意味では読解力の向上というか、創作の本質を理解する能力が成長したと言えるのかも知れません。
そのような子供の頃からの変化を、長年に渡って感じさせてくれる『スタンド・バイ・ミー』に感謝を。
また、いくつか歳を重ねたら再びゴーディたちに会いたいと思います。
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