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あきなり
2024年9月28日 00:48
9月のおしまいの日に、私は知らない人の墓へ行く。ついぞさよならをできなかった、またねの約束が叶わなかった冷たい人の墓へ行く。彼は不思議な人であった。大変思慮深く聡明で、茶目っ気のある人であった。だがその一方で非常に繊細で不器用な一面を持っていた。我々は学生の頃に出会った。たまたまサークルが一緒であり、気が合う面があったためそれなりに仲良くしていた。サークル活動の一環で休日に行動を共